取り繕いの在り方
前に200人以上が見てるといったな、あれは嘘だ(コマンドー風に
多分ですが正確には70人以上だと思います、間違えた、恥ずかしい・・・///
おかみさんに聞いて分かったことをまとめると、
・世界は今、魔物に侵略されて、人が住める場所が限られている
・ライドというのはこの村の隣にあった国(街?)で、少し前に滅ぼされている
・今残ってるのはイーアという国だけ
・橋の方に行くとイーアがある
・昔はそれこそ、大陸中に色々な国があって、人がたくさん暮らしていた
・魔物の侵略は、200年ぐらい前から起きだした
こんな感じだ
「そうなんですか~、200年前より以前には魔物がいなかったんですか?」
「いや、いたよ、ただ好んで人を襲ってくるのはそんなにいなかったって話さ、それが徒党を組んで襲ってくるようになったのがだいたい200年前なんだとさ」
う~ん?何が原因なんだろう?
「中には魔物をまとめる魔物の王が生まれた!って言ってる人もいるけど、実際に見た人はいないそうだよ」
・・・もしかして、僕が呼ばれたのってその魔王を倒すため、とかじゃないよね?
「まあ何にせよ、この村ももうお終いだろうねぇ、住人はみ~んな逃げちまったし、残ってる連中も、覚悟の上さ」
・・・僕が、魔王を倒せるかも、なんていったらどんな顔をするだろう?
「なんだい人の顔をジッと見て、いくら美人だからってそんなに見るもんじゃないよ」
いや、流石に年齢差が、ゲフンゲフン
「とにかく、あんたも早いとこ逃げた方がいいかもね、いつ魔物が襲ってくるか分かったもんじゃないよ」
「そのために、儂がおるんじゃがな!」
いつの間にかいたおっさんが、話に割り込んでくる
「なにいってんだい、あんた一人でどうにかなるなら、国が滅びたりするもんか」
「じゃがこの村一つくらいならなんとかなるじゃろう、期待せずに見ておれ」
おかみさんが胡乱な目でおっさんを見て、おっさんが快活に笑う
「仲のいいご夫婦なんですね」
僕はポツリと呟いた
おっさんとおかみさんが目を合わせる
「だそうだが、どうじゃ、儂と一緒になるか?」
「冗談でもよしとくれよ、私には旦那も息子もいるんだよ」
「え、夫婦じゃなかったんですか」
「誰がこんなボケオヤジと」
おっさんはまた笑っている
「それにこのオヤジにも子供と奥さんがいたはずだよ」
「いたってことは」
「・・・儂は、生まれも育ちも、ライドなんじゃよ」
・・・沈黙が生まれた
「なに、今の世の中よくある話じゃ、気にすることはないぞ?」
おじさんは、笑顔のまま言う
「あ~すまん、なんじゃ、そうじゃ、お主、名前は何というんじゃ?」
「僕の名前は一 命です、ミコトと呼んでください」
「儂の名前はダイジじゃ、よろしくの」
「あれ、あんた、記憶喪失じゃなかったのかい?」
あ、やっちゃった・・・?
「記憶喪失じゃと?」
「あっはっはっは、名前は覚えていたみたいです」
その後、ダイジさんにも自分の状況を説明する
「ほ~、だから魔物の特徴も知らんかったんじゃな」
「そうなんですよ~」
「ではなんで、自分の瞳を黒だと思っとったんじゃ?」
痛い所を突かれた僕は、必死に頭を回らせる
・・・そうだ!
「いや、だってダイジさんの瞳が黒かったから、同じだと思って」
・・・く、苦しいか・・・?
「ふ~ん、まあいいわい、とにかく、魔物の特徴は知っておいて損はない、聞いておきなさい」
そういってダイジさんは魔物の特徴を話し出した、以下まとめ
・体色は黒っぽいのがほとんどだが、あまり統一性はない
・最大の特徴は目が紅い事
・体形においては多種多様で、これによって判別することは不可能
・絶命すると、特別な例を除いて気体になって消え失せる
・人を執拗に狙う物が多い
・血液や肉体は猛毒で、口に入れてはいけない
「気体にならない特別な例っていうのは・・・?」
「ああ、それは実際に見た方が早いんでないかのう?ところでお主、金は持っとるか?」
あ、そういえば宿代どうしよう・・・!?
「お、おかみさん、どうしましょう!?僕一銭も持ってませんよ!?」
「ああ、宿代の心配をしてるのかい?いいよツケで、どうせ最後の客だしさ、気にしなさんな」
「そういう訳には・・・!そうだ、僕、力には自信がありますよ!力仕事は任せてください!」
「いや、そういわれてもねぇ」
「ほう、力に自信があるのか、ならなおさらだ、どうだミコト、ちょっと付き合わないか?」
ダイジさんに言われて、僕はとりあえずついていく事にした
宿を出ると、昨日は見れなかった街並みが広がっていた
左右に幅の広い道が続いていて、その両隣に宿が並んでいる
所々、酒屋や問屋があって、ここが宿場町だというのが一目で分かる光景だった
しかし、そのどれもに活気や人気がない
さっきおかみさんが言っていたことは本当だったようだ
しばらく門の方に歩いていき、脇道に少し入ったところでダイジさんが言った
「儂の家だ、本来は違うのだが、村長の温情でここに住まわせてもらっている」
そういって入っていった家の中は、イメージと違って清潔感があり、物が理路整然と並べられていた
「とりあえず、お主、武器は何を使う?」
言われても、武器など使ったことがない僕は答え様がなかった
「なんじゃお主、そこは記憶喪失なのか?」
なんだか呆れられてる気もするが、どうしようもない
「とりあえず持ってみよ」
そういって剣を渡されたが、いまいち構え方がわからない
「駄目そうじゃな、ではこれは?」
今度は槍だけど、結果は同じ
その次は弓を、その次はナイフ、その次は鈍器を渡されたが、どれも結果は同じだった
「これも駄目か、お主、もしや過去に一度も戦ったことがない、なんてことは言わないわな?」
はい、その通りです、とは言えず、黙る
いや、あるぞ、戦ったこと
「い、一応戦ったことはあります、素手で、ですが・・・」
怪物と戦った時は、確かに素手だった
「素手じゃと?遥か昔はそういったこともあったと聞くが、・・・大丈夫なのか?」
「た、たぶん・・・?」
正直これからすること次第なのだが、この流れからするに・・
「まあなんとかなるじゃろ、では、森に行くぞ!」
やっぱり狩りなのか~!?
これでようやく主人公の名前がでました!
ミコト君は嘘をついた事があまりないので、ボロでまくってますw