おかみさんの在り方
アクセス解析という物を知りました
200人以上もの人が、この小説を読んでくださってたと知って、恥ずかしいやら嬉しいやらで大変です
もし気に入っていただけだら、今後ともよろしくお願いいたします。
泣き疲れた僕は、部屋に案内されるとすぐに眠りに落ちた
目が覚めた僕は、定番のセリフを言おうとして、
「知らない天井・・・でもないのかな?」
やっぱりやめた
たかだか3日ぶりだというのに、随分久しぶりにゆっくり寝た気がした
ベットは元の世界程柔らかくないが、地べたとは雲泥の差だ
体が少し痛いのは、多分別の理由だろう
「ん~~・・・っ!はあっ・・・」
僕は伸びをして窓を見た、もう日が昇り始めてるみたいだ
ドアを開けて、廊下に出て、階段を目指す
壁は煉瓦で、日本にはない情緒が感じられる
二階の部屋から一階に降りる
そこで、この宿のおかみさんに出会った
「おはようございます」
「あら、おはよう!随分とよく眠れたみたいだねぇ、顔を洗うならそこの角の扉から出て、直ぐにある井戸を使っておくれ」
「いやぁ、ありがとうございます」
よく考えると、日が沈む前に寝て、日が昇ってるってことは、12時間以上寝ていたってことか
そりゃあ体も痛くなる訳だ
井戸は滑車が付いていて、ロープの先のバケツを下ろして、水を汲みあげるみたいだ
バケツの水を桶に流し入れて、顔を覗き込むと自分の顔が写っていた
その顔は泣き腫らしてむくんでいたが、その瞳は、
「ははっ、本当に紅いや・・・」
まるで映画に出てくるヴァンパイヤみたいな紅だった
顔を洗い、口をゆすいで、ついでに頭も洗っていると、おかみさんがやってきた
「ほら、タオルだよ」
「ありがとうございます」
礼を言ってタオルを受け取り、顔と頭を拭く
「お客さんにこういっちゃなんだけど・・・」
おかみさんが言う
「?どうされました?」
「あんた、ついでに体も拭いちまいな、ちょっと臭うよ」
繊細な男子高校生の心は、痛く傷ついた
「でも、替えの服がないんです」
「見りゃわかるよ、私の旦那の服を貸してあげるよ」
おかみさん、助かります!
少し(実際にはかなり)ダブダブな服を貸してもらい、そでや裾を折って着る
「しかしあんたも妙ちくりんな服を着てたねぇ?なんだいこの袖口?まるで腕ごと引きちぎられたみたいじゃないかい?」
腕ごと引きちぎられたんです
「しかもこの留金、よくこんな精密なもの作ったねぇ、あんたどっかの貴族さんかい?」
ただのジッパーです、ユニ○ロで買いました
「いや~、あっはっはっは~」
僕は笑ってごまかした
「それにしても、お腹、減ったんじゃないかい?」
言われて気付く、すごくお腹が減っていた
「どうだい、ちょいと多めに朝飯、作っといたよ」
おかみさん・・・一生ついてきます!
メニューは米とシチュー、サラダにスープが付いていた
見るからにおいしそうな湯気を立てる料理に、生唾がとまらない!
「それでは、いただきますっ!」
「はいよ!」
おかみさんが苦笑ぎみに言うのを聞かず、ガッつく!
久しぶりのまともな食事だ!
シチューはそれぞれの野菜がとろける寸前まで煮込まれており、野菜本来の甘味と、牛乳(?)の甘味が絶妙に絡み合い、さらにこれに米の食感が相まって想像を絶する程うまい
所々にある肉も大ぶりに切られており、最初に焼いてあるのか肉汁が中にたっぷりと詰まっていて、これがなんともいえずうまい!
喉に詰まりそうになりながら、実際に詰まりそうになるとスープに手をだす
こちらはあっさりと塩味なのだが、どこか懐かしく、温かみのある味で思わず笑みがこぼれる
サラダも鮮度がいいのか、ドレッシングも最小限しかかけられていないにもかかわらず、シャキシャキした歯ごたえと酸味、食べた後の爽やかさがなんともいえない味をだしている
「そんなに急いで食べなくても、誰も取りはしないよ」
おかみさんがニコニコしながら言うが、しったこっちゃない
茶碗が空になったのを見て、おかみさんが言う
「おかわり、いるかい?」
僕は無言で茶碗を突き出した
僕は散々食べに食べて、食後のお茶もいただくことにした
「いや~見事な食べっぷりだね!作った甲斐があったってもんさぁ」
おかみさんが呆れまじりに言う
「いや、本当においしかったんですって、特にあのシチュー」
「あれはうちの宿特性のシチューでね、昔はアレを食べるためだけに来た客もいたんだよ」
そういって笑う顔に、どこか影があるのが見て取れた
「そういえば、他のお客さんは・・・?」
不思議に思っていたのだ、起きてから一度も他のお客さんに会っていないのだ
それに、おかみさんは僕に付きっきりで、他に仕事もしていない
おかみさんはどこか寂しげに言う
「そりゃあんた、こんな村に来る物好きは、そうそういないよ」
いまいち話が見えなかった僕は首を傾げた
「昔はよかったさ、ライドに行くには絶対にこの村を通っていったからね、そりゃ宿も必要になってさ、毎日忙しくしてたもんだよ」
僕は疑問を口にした
「何か、あったんですか?」
おかみさんは驚いた様子でこちらを見て、言った
「何があったってあんた、ライドが滅んだんだよ、おまえさんも知ってるだろう!?」
そうだった、僕はこの世界の常識がないんだった
そんな時はやっぱりこれだよね!
「僕、記憶がないんです・・・」
伝家の宝刀、記憶喪失!
そして僕はおかみさんに、嘘とほんとをまぜこぜにして伝えた
・気付いたら森の中だったこと
・怪物に襲われたが、命からがら逃げたしたこと
・川沿いに歩いていて、橋を見つけたこと
怪物を倒したことと、腕が生えてきたことは伏せた
「はえぇ~、あんたも苦労したんだねぇ~・・」
おかみさんは目を丸くしたが、特に詳しくは聞いてなかった
「なんだい、じゃあ今この村が、人間が住んでる地区の一番端の村だってことも知らないのかい?」
うん?どういうこと?
できるだけ毎日更新を心がけていますが、これってやっぱりなかなか辛いですね
他の方がすごい長い間してるのを見てたので、頭が下がる思いです
しかし、一度走りだした以上は完走を目指します!とりあえずは主人公が無双するまで毎日・・・できたらいいな~
燃えあがれ!俺の小宇宙!!