村へ入る人の在り方
一応ギャグパートです
村人Aは、頭巾の様な物を被り、口と鼻を覆う様にバンダナを巻いており、顔だけ見ると忍者のようにもみえる。
服装はゆとりのあるズボンの裾を糸で絞め、動きやすくしてあり、上はタンクトップの様な物を一枚着て、腕を露出していた。
右足を前に踏み出し、左手を鞘に、右手を柄に掛け、今にも抜刀しそうな様子である。
「ま、待ってください、僕は魔物などではありません!話を聞いてください!」
村人Aは眉をひそめながら言う。
「ほう、人語を解すのか、しかしながら何をもってお主を魔物でないとする!?」
僕は必死になって考えて、まずは相手の認識を確認することにした。
「そ、その前に何故僕を魔物だと思ったのですか?」
「フン、そんな事は見れば分かる!まだ日も高いのだ、見間違う筈がなかろう!」
いくつか思い当たる節があったので、聞いてみる。
「この腕のことですか?」
「確かに腕の色と顔の色が違うが、肌の色など関係ないわ!」
「では、髪の色ですか?」
「黒髪なんぞ何処にでもおるわ!!」
僕は若干ヤケになって叫んだ
「鹿の皮を腰に巻いているからですか!?」
「いやそれはお主のセンス次第じゃろ・・・」
若干呆れられた
しかしもうこれ以外に、外観で魔物と満たされるような事を思いつかない
どうしようも無いので正直に聞いてみた
「では何故僕を魔物と思ったんですか!?」
「そんなものは目を見ればわかる!」
・・・え、このおっさんもしかして犬好きに悪い人はいないとか、そういう事を言っているのだろうか?
失礼だけど、ワシの目に狂いはないとか、直感で物事決めつけちゃうタイプなのだろうか?
そんなことを考えていると、おっさんが続けて言った
「その、血のような紅い目を見ればなっ!」
「えっ?」
訳がわからなかった、僕は典型的な日本人の外見だったはずだ
肌は黄色、髪は黒、瞳も黒く、背もそんなに高くない
「ちょっと待ってください!僕の目の色は黒ですよ!?」
「たわけたことを!その目は、その目の色は、儂が何度も殺してきた魔物たちの目と同様の紅色ではないか!!」
思い出してみる、川で顔を洗ったときのことを
少し自分の目元が赤い気がしたが、川は常に揺らいでいてよく見えず、充血しているだけだと思った
その後すぐに頭を洗ったし、やることがあったので確認しようとも思わなかった
こっちの世界に来たときに持っていた物は服だけだったので、鏡の類で確認も出来なかった
僕の目が、紅い?
あの、怪物みたいに?
「しかし人語を解する魔物など、話にしか聞いたことがなかった、そういった魔物は隠れているか、やたらと強いと聞いたが、・・・ん、おい、どうした?」
おっさんが何かを言っているが、僕はもう限界だった
この世界に来てから碌な事がない
いや、来るちょっと前からか
何故こうも理不尽な事が押し寄せてくるのだろう
僕はただ、普通に生活していただけなのに
ただ、普通に生活していきたかっただけなのに
何故、何故、なぜ・・・
頭の中がぐちゃぐちゃになる
溜まりに溜まったストレスが、溢れ出す
「・・・・っ!」
「どうしたんだ、ん?ヤルのか?いいぞ、かかってこい!この村は儂が守るぞ!」
僕は膝を地面に着き、上を見上げ、
「びぇぇぇ~~~~ん!!」
泣いた、そりゃもう盛大に
人目など知ったこっちゃない
もう限界だったのだ、色々
「お、おい、ほんとにどうしたんだ?わ、儂が悪いのか?」
「ウワァ~~~ン!ア~~ン!」
「ううう、子供なんぞ育てたことがないからどうすればいいかわからん!カミさんに全部任せすぎたか・・」
「えぇ~~~ん!ギャ~~~ン!」
「ほ、ほら、怖くないぞ、ん、大丈夫だ、お主も男じゃろ?どうじゃ、ここらで泣き止まんか?」
僕は泣いた、泣き続けた
おっさんが何か言ってるが取り合わずに泣き続けた
しばらくして段々と落ち着いてくると、おっさんが言ってることが聞こえる様になってきた
「悪かった、悪かったから、いったん村に入ろう、な?あんたは魔物じゃない、わかったから、な?」
「グスッ、グス・・・」
気づけばおっさんはすぐ近くにいたので、手を差し出す
「ん?手を引いていけばいいのか?そうか、とりあえず行こう」
おっさんに手を引かれ、歩き出す
ずっと下を向いて泣いていたのでよくわからないが、村に入り、建物に入ったようだ
「お~~い、客だ、宿を頼むっ!」
しばらくして足音が聞こえだした
「あらあらまあまあ、もう客は来ないもんだと思ってたよ、その子がお客さんかい?」
「ああ、門の前で見張りをしていたら、橋の方からやってきて、あまりに怪しいもんだから魔もn「グスッ」いや、こいつは人間だ、うん」
「なにいってんだい、確かに不思議な形だけど、どう見たって人だろう?」
「いや、村の見張りとしてはだな、あやs「とにかく、客なんだろう?」はい、そうです」
「なら構わないさ、そこの若人!いらっしゃい、ゆっくりしていっとくれ」
久しぶりに、人の優しさに触れた気がした
補足として、おっさんの瞳は黒色です
おそらく次話に説明をいれます
↑駄目でした、その次に入れます
本当はもっと早く執筆したかったのですが、飼い猫に邪魔されました
おのれ、かわいい顔しおって、かわいいじゃないか
その後、3時間程時間を盗まれました