穴馬の在り方
相当ゴネたみたいだけど、結果としてスーハは参加することになった
しかし大丈夫なのだろうか?
「よし、では、それぞれ行動開始だ!」
ゴウ隊長がそう言って、魔物の討伐が始まった
僕は前回と同じ鉄を踏まないように、攻撃を極力避けてから攻撃するようにした
避ける事にしっかりと意識を置いていれば、回避にはなんの問題も無かった
「やっ!!」
思い切り殴りつけるけど、全然効いてないみたいだ
まるで鉄の塊を殴ってるようだ
なんて堅いんだ
蹴っても効果は無さそうだし、どうしたものか・・・
・・・段々イライラしてきた
今僕が相手にしているのは小さいサイの型の魔物だ
突進と言ってもゆっくりだし、角を振ってぶつかる範囲には僕が近寄らない
延々と一方的に攻撃しているのに、終わる気がしない
もちろん他の魔物もやってくるからそれにも気を使う
同士討ちを狙ってみたけど、効果は無かった
もうどうにでもなれ
そう思って掴んで投げようとしたら、とんでもなく重い事がわかった
まるで地球を掴んでるみたいだ
もしかして、攻撃が効かないのは体重差の所為なのか?
それでも無理やり持ち上げて、他の魔物に投げつける
足が地面にめり込んだけど、今までで一番効いている気がする
でもこれが出来るの僕だけだよな・・・
僕は他の人たちに目を走らせた
レフィさんは村の入り口で休んでいる
多分魔法を放って一匹仕留めたのだろう
今は立つのも辛いはずだ
グランさんは
「はああぁぁぁっっっ!!!」
太刀の柄の包帯を解いて握り、先を地面に突き立てて気合を込めていた
カッ!と目を開いて一歩二歩歩き、
「でぇりゃぁぁあああっっ!!」
一回転しながら太刀を振るう
勢いの乗った太刀は、魔物の頭を半分程切り裂いた
そこで止まってしまったが、太刀を抜くと魔物は倒れた
しかしグランさんも相当辛いらしく、肩で息をしている
というか太刀に掴まって立っている
どれだけ気合を込めたのだろう
僕は、周りの魔物を投げる事に専念しながらさらに辺りを観察する
そういえばスーハはどうしたのだろう?
そんなことを思いながら見渡すと、ラギさんが座っていた
そんなラギさんに魔物たちが寄っていく
ラギさんは目を閉じているようだ
あぶない!と言いそうになったが、きっと何か考えがあるのだろう
じりじり近づく魔物が、もう少しでラギさんに触れるという瞬間
スーハがやってきた
「今でやんす!」
そう言って素早くナイフで斬りつけた
その勢いでそのまま周りの魔物たちを斬りつけて回る
魔物は斬りつけられた事に気づいてないみたいだ
が、
最初に斬りつけられた魔物の動きが止まる
斬りつけられた場所から血が吹き出す
そのまま倒れて、起き上がれないみたいだ
・・・たまたま弱い魔物だったのか?
しかし、次々同じ様に魔物が倒れていく
その姿はまるで、ゲームに出てくる暗殺者みたいだ
魔物の元に駆けつけて斬りつけ、すぐに別の魔物の元に駆けつけて、また斬りつける
すでに倒した魔物の数はダントツのトップだろう
僕も負けてられない!
僕はまた魔物を持ち上げて投げつける
その時気付いたのだが、掴むときに思いっきり掴むと魔物が出血する
これだ!
僕は魔物に対して掴みかかり、思いっきり握り込む
そうして表面を握力だけでもぎ取り、そこに両手の指を突っ込んで
「おおおおおっっ!!」
思いっきり開く!
これが今までで一番ダメージを与えられるみたいだ
スーハの様にはいかないけど、なんとか魔物を倒せた
しばらく戦闘を続けていると、見渡す限りの魔物は倒せたみたいだ
しかし、今までの戦闘で一番力を使った気がする
僕は隊長の元に歩いて行く
「うむ、・・どうやら殲滅出来たようだな、ふぅっ、では皆を呼びに行こう」
そう言って歩き出した
やはり隊長も疲れたようだ
しかし今一番気になることは
「スー「おいスーハぁ!!!お前どうやったんだ!!??」」
僕が聞く前に、グランさんが詰め寄った
「あっしは何も大したことはしてやせんよぉ!」
肩を捕まれて揺すられている様は、まるでカツアゲに遭っているみたいだ
「なにぃ!!?大したことじゃねぇだと!!!?あれだけ倒しといて、大したことねぇとはどういうことだっ!!!」
スーハが目を回しながら言った
「あっしじゃなくてラギ殿がすごいんでやんすよ~!?」
ラギさん、そういえば一緒にいたな
目を瞑って座っていたけど、何をしていたのだろう?
グランさんが手を離す
「というと?」
僕が聞いた
「ケホッケホッ、・・あー、ギラ殿はあっしのナイフに魔法をかけてくれたんでやんす」
ナイフに魔法をかける?
「丁度グランの兄貴と同じ魔法でやんすよ」
つまり刀身を鋭くする魔法か
「あっしのこのナイフは元々結構切れ味のいいナイフでやんすから、そこにラギ殿の魔法がかかればそりゃもうスッパスッパと切れるでやんすよ」
つまり、二人で一つの協力技だったんだな
「ケッ!!だったら俺の太刀にかけてくれりゃぁよかったのによ」
グランさんは不服そうだ
「あっしもそう言ったんでやんすが、かける範囲が太刀だと広すぎるそうでやんす」
まあナイフと太刀じゃ全然広さは違うだろう
今一実力がわからないけど、やはりラギさんはすごいんだな
力技の僕とは訳が違う
にしても、スーハの大活躍だ
ゴウ隊長がスーハを加えたのは大正解だったな
そんなこんなで、最後の村を通過した僕たちは目的の場所にまた一歩近づいた
次が、本当に最後だ!
数少ない(予定)のスーハ単独での活躍シーン




