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魔血吸の在り方  作者: スクロー
黄昏の出会いと結束の章
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橋の上の在り方

橋を進んで行くと、魔物がよく見える位置までやって来れた

その魔物は、風船みたいに膨らんだ、タツノオトシゴの様な魔物だった

ふわふわ浮いているが、中にガスでも溜まっているのだろうか

大きさは、僕の身長と同じぐらいの直径で丸いから、結構大きい

5匹以上が固まっている

よく見ると、この魔物も表面が不気味にヌメヌメしている

おそらく魔法が効きにくいのだろう


さらに空にそのまま飛び出さないためであろうか、ロープの様な物で地面に固定されている

ん、よく見たら固定しているロープが出ている物も魔物のようだ

紅い目が見える


「なんなんでしょうね、あれ」


僕は疑問を、そのまま口にした

襲ってくる様子もなければ、ただひたすら空中を漂っているだけ

こんな魔物は見たことがない


「おおっ!!思い出したぜ!!!」


グランさんが唐突にしゃべり出した


「気をつけろ皆!!あそこは・・」


先行視察の時に、あの魔物に接触したことがあるのだろうか?


「橋が崩れてるから、落ちないようにな!!!」


・・・どうやら魔物の情報ではなかったようだ

しかしよくよく見てみると、魔物の手前で橋が崩れており、橋はそこで一旦完全に途切れている

まるで魔物たちは、そのせいで踏みとどまっているようにもみえる


「あの魔物たちは、あれだけの距離を渡れないんですかね?」


この世界の人々は、総じて身体能力が高い

その中でも遠征部隊は選りすぐりなだけあり、恐ろしい身体能力を誇る

橋が途切れているのは3~4mぐらいだ

それぐらいならば、平気で飛び越えていけるだろう

もちろん僕も飛び越えられる


「そうだな、とりあえずは、フー、頼めるか?」


「・・・」


ゴウ隊長がそう言って、フーさんが弓を構える


『貫け』


そう唱えて矢を放つが、風船型の魔物は思ったより堅いらしく、矢を弾いてしまった

傷はついているので、何度も射ればいつかは倒せるとしても、それまで矢が保つかわからない

続いてフーさんは、固定している魔物に狙いを定めるが、風船型の魔物が邪魔をして、射っても無駄だと判断したようだ

フーさんが、構えを解く


「うむ、となると、とりあえず誰か一人が渡って、ある程度魔物を片付けるのが理想か・・」


ゴウ隊長がそう言った

しかし相手は未知の魔物である

そんな相手に平気で飛び込んでいける人なんて・・


「じゃあちょっくら行ってくるぜ!!!」


いた、グランさんだった

ちょっと前に大ナマズを倒したばかりだというのに、大丈夫なのだろうか?


「あらよっと!!」


グランさんは軽く助走をつけると、本当に何でもないかの様に跳んだ

しかし、魔物の目が赤く光ったと思った途端


「おっ?」


グランさんは勢いが、いきなりなくなった

まるで、見えない何かに押し戻された様だ

そして、勢いがなくなったグランさんは当然


「ああっ!!??」


そう言って、そのまま落ちる

僕はまた叫びかけたが、おそらく心配するだけ無駄だろう


「よっと!!」


何事も無かったかのように、途切れた橋の間からグランさんが戻ってきた

多分だけど、太刀を橋の断面に刺したのだと思う

あの状況だと、それしかなかった筈だ

にしてもこの人は、本当にすごいな・・・


「おい!!気をつけろ!!!」


またグランさんが声を張り上げる


「川に魔物どもがウジャウジャしてるぜ!!」


どこかズレた発言だが、僕は気にせず川を覗き込んだ

なる程、不気味な程紅い目が集まって、僕たちを眺めている

いくら僕たちが強くたって、川の中では僕たちに勝ち目はないだろう

つまり、落ちたら一巻の終わりだ


「あの風船型の魔物は、我々で言う魔法を使うタイプのようだ」


ゴウ隊長がそう言った

魔法を使う魔物、そういうのもいるんだ


「厳密には違うようだが、まあ構わんだろう、飛び越えようとしたら、空中で押し戻されるぞ!!」


空中ではもちろん踏ん張りが効かないから、どうしたって押し戻される

なるほど、これは厄介だ

これでは僕たちは橋を渡れない


「隊長!!後ろから魔物が攻めてきます!!」


ここに来て挟み撃ち?

これでは前にも後ろにも、当然脇にも進めない!


「ミコト!お前なら無理やりにでも渡れないか?」


ゴウ隊長がそう聞いてきた


「僕もそうしたいのですが、橋が崩れる可能性があります」


僕もそれは考えた

僕が本気で跳べば、間違いなく渡れるだろう

しかし、反動で橋が壊れる可能性が高い

踏み固められた地面でも、大量のヒビが入ってしまうのだ

この崩れかけた状態の橋では、耐えれるかどうか・・・


「とりあえず、私が試してみます!」


レフィさんがそう言った


『風よ、我が身を運べ』


そう唱えながら、レフィさんが跳ぶ


『偽りの突風!』


すると、魔物の目が紅くなってもレフィさんは勢いを落とさず、向こう側にたどり着きそうになった

しかし、そこで風船型の魔物を固定している魔物が動く

風船型の魔物を固定しているロープの様な物を動かし、レフィさんに風船型の魔物をぶつけにかかったのだ


「くっ!!」


当然レフィさんも、ただぶでつけられるはずもなく、剣で斬りつける

が、先ほどの矢でも分かっていた事だけど、思った以上に堅いらしい

傷をつけるのが精一杯で、斬撃の反動で押し戻される

結局渡れずに、こちら側に戻った


「どうやらあのロープ、触手のような物らしい、自在に動かせるようだ」


レフィさんがそう言った

言われてみると、あの固定している魔物は、イソギンチャクのようにも見える

これはますます困った

既に後方では、戦闘が始まっている

このままでは全滅とはいかなくても、相当数の人数を失ってしまう!


「隊長!こういうのはどうですか・・?」


そこでトダ君が、突然隊長に話しかけた

なにやら策があるらしい

・・・そういえば、トダ君も遠征に参加していたのか


「うむ、致し方あるまい、やってみよう!」


どうやらゴウ隊長はその策を、了承したみたいだ

果たしてその策とは

この困難を打ち破る事ができるのだろうか



え、僕が必要な策なの・・・?

前話の後書きで少し弱気な発言をしてしまいました、すみません

どうやら3ヶ月に一回ぐらいなる、憂鬱な気分の日だったようです

感想をいただけると、本当に読んでくださっていると実感できて、とても嬉しいです

数字で、読んでくださる方がいらっしゃる事はわかっているはずなのですが、やはり実感が伴いません

感想は偉大だと思います

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