道中の在り方
結局僕は2回起こされ、3回起こした所で交代の人が来て、その日の見張りは終わった
僕は伸びをして、朝日に向かい、深呼吸をする
やはり、見張りをしていたので眠い
それでも、ベッドの中で鬱屈しているよりは、いい気分だ
「それでは、出発する!」
出発の準備を手伝い、粗方終わった所でゴウ隊長がそう言った
ソランさんは、他の隊員の人に背負われている
僕がその役を申し出た事もあったのだが、
「君は、いつでも戦えるようにしていてくれ」
と、にべも無く断られた
無理をいって困らせては意味がないので引き下がったが、そういった雑務は僕の様な新人の仕事だと思っていた
しかし、ソランさんが居なくなると、旅が厳しくなるのは当然なので、実際のところ雑務などではないのかもしれない
僕の様な新人には任せられない、重要な任務なのだろうか
いや、昨日は別の隊員が背負っていたので、そうでもないだろう
それに、どう考えても背負う役になった人は嫌そうな反応だった
よく分からないが、とりあえず僕は戦う事に専念した方がよさそうだ
そうやってウダウダと考えを巡らせていると、坂を降っていく途中で見えなくなった川が、もう一度視界に入ってきた
「もうすぐ川でやんすね」
僕の隣を歩いていたスーハがそう言った
「そうみたいだね、上から見ても大きな川だったから、近くで見たらどれぐらい大きいんだろう」
実際歩き始めてから、結構な時間が経っている
相当な距離を歩いているはずだ
それでよくやくたどり着いたのだから、やはりかなりの大きさの川なのだろう
「でも、あんなに大きな川に、どうやって橋なんか作ったんだろう?」
確かに橋はあったけど、見つけるのに少し時間がかかる程細く見えた
それに川の大きさを考えると、相当長い橋のはずだ
そんなに長い橋は、元の世界でもそう無かったはず
「あの橋は、世界的に有名な建築家、ニアトンの最高傑作の一つだ」
レフィさんが僕に話かけてきた
「彼はこの橋を、生涯の作品の中でも最高峰だと自ら言っていた、石と魔法の融合した芸術だ、とも」
少し意外だった、レフィさんにそういった知識があるなんて
「よく知ってますね、この道ってかなり古いから、それなりに古い橋の筈なのに」
村の廃墟を見ればわかるけど、この道は相当古いはずなのだ
道自体は魔物が通っているので存在しているが、昔の野営するべき場所も草木が生い茂り、とても使える状態じゃなかった
それでも僕たち遠征部隊は、適当に整備して使っていたのだが
「いや、授業で習っただけだよ、歴史の先生が、この橋がどれほど凄いか熱弁していたのを覚えていてね」
そうか、この世界の人は学校で習うものなんだ
でもスーハは知らなかったな
「いや、学校へ行ける人なんてごく一部でやんすよ、それに歴史を学ぶ人なんてさらに一握りでやんす」
スーハを横目で見ていると、スーハが自己弁護を始めた
そうなのか、てっきりみんな学校に行っていると思っていたが
「そんなことはないだろう?国は誰でも平等に学べる様に、手配しているはずだ」
レフィさんが反論する
「確かに入学することは簡単でやんすが、そんな時間とお金を持っているのが一部なんでやんすよ、さらに卒業まで出来るのは本当に一つまみでやんす」
う~ん、どうやら二人に認識の違いがあるみたいだ
失礼な話だが、見た目からして二人は違うからな
具体的にはスラム街と高級住宅街くらい
「まあどうでもいいじゃないですか、ほら、もうすぐ橋が見えますよ!」
僕は話の流れを切るために、話題のすり替えを行う
「いや~どれほど凄いんでしょうね!こんな大きな川見たこ、と・・・」
そうやって話している途中で、大きな音が聞こえた
まるで川から、何か大きな物を引き上げた様な音だった
しかも未だに、大量の水の滴る音がする上に、大きな足音もする
僕たちは橋の方を向いて、警戒体制に入る
しばらくして姿を現したのは、巨大なナマズのような魔物だった
短い上に遅くなりました、今から次の話を書きます




