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魔血吸の在り方  作者: スクロー
黄昏の出会いと結束の章
35/67

引きこもりの在り方

この話は少し中途半端に終わっているので、次の話を待って読んだ方がいいかもしれません

はい、私の実力不足です、申し訳ない

父さんは、生まれたときから体が弱かったらしい


小さい頃はそれこそ、立ち上がることすら出来ない日も少なくなかったとか


たとえ学校にいっても、外で皆と遊ぶことなど出来ず


遊びといえば、読書だったり将棋だったり


そういった室内の遊びばかりで、外で遊ぶ同級生が羨ましかったとか


それでも友人は多く、皆親切にしてくれたから不自由はなかったそうだ


きっと、それは父の温厚で実直な性格の賜物だと思う


そんな父は、僕に事あるごとに


「生きろ」


と言った


父自身が、何度も死に直面したからこそ、僕には生きていて欲しかったのだろう


ある日、父の帰りが遅くなる日が数日続いた


帰ってきた父の顔は蒼白で、まるで死んでしまうんじゃないかという顔だった


朝、家を出る時も、まるでゾンビの様な足取りで会社に向かった


普段家族との時間を大切にしている父が、遅くに帰ってくる理由は仕事しかない


「どうしてそこまでして働くの?」


僕は不思議になって聞いた


「そうだな、私は嬉しいんだよ」


父は、ちょっと困ったような、だけど笑顔で言った


「何が嬉しいの?」


訳が分からない僕がもう一度、父に聞いた


「私は人に助けられてばかりだったから、人を助けられるのが嬉しいんだよ」


そういう父の顔は、子供の僕の目から見ても、嬉しそうだった


そうして数日が過ぎ、いつもの時間に帰ってくるようになって、また数日後


我が家に、部下の人が訪ねて来た


その人の話を聞くと、どうやら父は、その人が犯した重大なミスのフォローのために


寝る間も惜しんで働いたそうだ


そのミスは、会社が傾きかねないミスで


父のフォローが無ければ、会社は潰れていたかもしれなかったらしい


もちろんその部下の人も首になりかけたが


父が庇ってくれて、なんとか首は免れたそうだ


何度もお礼をする部下の人に、父は


「できれば未来の君の部下に、その恩を返してやってほしい」


と言った


「私は昔受けた恩を、返しただけだから」


とも


我が家には父の部下、上司、友人がよく遊びに来た


皆口々に父を褒めた


それが僕には誇らしかった


そんな父は、僕に常々こういった


「生きろ、生きてさえくれればいい」


僕はそれを受けて、絶対に死ぬのは駄目だと思った


だから、うまくいかなくてイライラしても


くだらないミスで悲しくなっても


辛いことがあって涙しても


日々に何の価値観も見出せなくても


死のうとは、思わなかった


自殺なんて事は、頭に少しも浮かびさえしなかった


ただ、僕は平凡な学生だったから


特に表に出すこともなく


日々を過ごしていた


あの日、死ぬ前までは


必死に生きた、生きた、生きようとした


それでも死んでしまったが、今も僕は生きようとしている


それは、父の言葉が


僕の中に深く根付いていたから


でも僕は、ダイジさんの気持ちも知らずに


村を飛び出し


ダイジさんを・・・見殺しにしてしまった


いや、ダイジさんだけじゃない


おかみさんも、村長も、村のみんなも


皆、見殺しに、したんだ


果たしてこんな僕は、生きていていいのだろうか


僕には、答えが出せなかった





コンッコンッ


「ダンナ~、あっしでやんす、スーハでやんす」


スーハが部屋の前でノックをしている

スーハは事あるごとに、僕の部屋に訪れる


「ダンナ、まともに食べてないでやんすよね?少しは食べた方がいいでやんすよ?」


僕は答えず、布団に潜り込んだまま、動かなかった


「とにかく、ここに食べ物置いていきやすから、よかったら食べてくださいよ」


そういって、スーハは去っていった

僕はあれから、自室に篭もりきり、トイレ以外は外に出ない生活をしていた

もう何もする気が起きなくて、ただただ、考えを巡らせていた

しかし、その思考もただ空回るばかりで、一歩も進まない

僕は生きていていいのだろうか

僕は、死ぬべきなんじゃないだろうか

皆、僕を魔物だと蔑む

ならば生きていない方が

だけど、だけど・・・



ドンッ


乱暴なノックの音が、部屋に響いた


「おう!ミコト!いい加減でてきたらどうだ?」


この声は、ゴウ隊長の声だ


「遠征も、もう2日後だぞ?篭もっていてもいいことはないぞ?」


僕は答えない、答える言葉がない


「・・・まあいいが、私はお前に期待しているんだからな!」


僕なんかに、何を期待しているというのだろう


「とにかく、飯ぐらい食え!!いいな!」


そういってゴウ隊長は去っていった



コンッコンッコンッ


「ここがミコトの部屋だと聞いたが、あっているか」


この声は、レフィさんの声だ


「まあなんだ、何か辛いことがあったみたいだが・・・」


レフィさんは少し戸惑いながら言葉を口にする


「そういった辛いことは、過ぎてみれば、大したことがなかったって話もよくある」


大したことがない?

この僕が生きているかどうかは、大した事ではないのか?


「まあなんだ、遠征はどうにかするが、死んでしまってはいかんぞ?まだ私と手合わせをしていないんだからな!」


この人は何をいっているのだろう?

遠征はどうにかするってどういう意味だ?

僕はやっぱり必要ないのか?


「とにかく、元気だせ!待っているぞ!」


そういって、レフィさんは去っていった



僕はまだ、動き出せずにいる

今回はここまで

本当に中途半端で申し訳ない


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