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魔血吸の在り方  作者: スクロー
黄昏の出会いと結束の章
34/67

ある男の在り方

「それで!!お前はダイジさんの元で何を教えてもらったんだ??」


今僕たちは食堂にいる、今しゃべっているのはグランさんだ

あの報告の後、遠征部隊は色々と話をして一時解散となった

どうやらこれから、遠征までは各自の準備期間になるらしい


「そうですね、サバイバルの仕方を教えてもらいました」


「それで!?」


「魔物について、色々教えて貰いました」


「それで!?」


「・・・大体そんな感じです」


「ハアァァァッッッ!!??」


いや、そんな凄まれても・・・


「おま、お前ダイジさんの弟子なんだろぅ!?だったら戦い方とかさ!?もっとあんだろ!?」


「あ、一応魔物と戦う心構えを教えてもらいました」


「そうそうそれだよそれっ!!で、どういう内容なんだ?」


「魔物は生命力が強い物もあるから、攻撃の後も気を抜くな、というものです」


「なるほどな~、流石ダイジさん、基本が重要だってことだな!!それで?」


「・・・それだけです」


「・・・・・っ!!」


グランさんは机に頭を打ち付けてしまった

いい音がしたけど、大丈夫だろうか?


「お前ダイジさんに何を教えて貰いにいったんだっ!!??なんてもったいない・・」


「そのことなんですけど、ダイジさんって、どうすごいんですか?」


「はぁっ?」


「いや、僕ダイジさんのことよく知らなくて・・」


「お前、それでよく弟子にしてもらったな・・・」


「正直それも、成り行きでなったっていうかなんていうか」


「かぁぁぁっ!!俺も成り行きでダイジさんの弟子になりたいぜっ!!」


そういって頭を抱えてながら天を仰ぎ、ラングさんが語りだした


「いいぜっ!!ダイジさんの伝説をたっっっぷり語ってやるぜ!!!」


「よろしくお願いしますっ!」


省略すると以下の様な内容だった

・曰く、巨大な魔物を一人でなぎ倒した

・曰く、誰にでも紳士で、女子供には特に優しかった

・曰く、やってくる魔物2千体を千切っては投げた

・曰く、壊滅した部隊の中、ただ一人生きて帰ってきた、しかも一度や二度じゃなく何度も

・曰く、逃げる時は全て誰かを守るため、自分から逃げ出したことはない

・曰く、助けた人間の数は万を越える

・曰く、魔物の中には戦う前に負けを認め、首を差し出した奴もいる


「とにかくっ!ダイジさんはすげぇ~んだっ!!」


正直眉唾ものだが、どうなのだろうか?

まるで自分の事の様に自慢するラングさんの目は、キラキラしていた


「どうしてそこまでダイジさんを尊敬してるんですか?」


僕が聞くと、これまた待ってましたとばかりに語り出した


「あれは俺がまだまだ少年だった頃のことだ・・・」


話が長かったので省略


「つまり、ダイジさんに命が危ない所を助けられたってことですね」


「そうだよっ!!いや~流石はダイジさんだよな~っ!!」


「なあ、お前って本当にダイジさんの弟子なのか?」


ラングさんの隣でスーハと話していたトダが、聞いてきた


「うん、まあそんなに長く一緒にいた訳じゃないけどね」


「ふ~ん、それってどのぐらい?」


「ん~、大体2週間ぐらいかな」


「何ぃっ!!たったの2週間かよ!!なんでお前弟子辞めたんだよっ!!?」


「それは・・・僕が、村に置いてもらえなくなったから」


「「・・・」」


「僕が魔物っぽい見た目で、力が異常に強かったから、だと思う」


その時、ラングさんが立ち上がり、僕の頭に思いっきり拳骨を落とした


「いっっつ・・・!!!」


「ばっかやろうっ!!!ダイジさんがそんな理由で人を投げ出す訳ねぇだろっ!!!」


僕は痛みの余り、何も言えなかった


「そんな理由で投げ出すなら、最初から弟子になんかするかよっ!!!」


僕に、衝撃が奔った

そうなのだろうか?本当に、違う意味があるのだろうか?

だとしたら・・・それは一体何故なんだろうか


「もう一度頭下げてこいっ!!お前が何かくだらない事をしたんだろ!!!俺もついていく!」


この人は絶対ダイジさんに会いたいだけだ


「で、ダイジさんは何処にいるんだっ!?」


「僕が最後に別れた場所は、ノウの村です」


「ノウの村ってぇと、お前・・・」


いきなりラングさんの元気がなくなった

そのままストンと椅子に座り、考え込み出した


「なにか、あったんですか?」


僕は余りに突然の変貌が気になり、問いかける


「滅んだでやんす」


トダの隣にいるスーハが、ポツリと呟く

・・・何を言っているかわからない


「スーハ、なにいってるんだよ、数ヶ月前まであったんだぞ?そんなにいきなり・・・」


「事実でやんす、というか、ライドに通じる道の村は全滅したでやんす」


「そんなはず・・そんな、」


「チッ、俺は部屋に戻るぜ」


舌打ちの後にそう言って、ラングさんが立ち上がる


「待ってくださいっ!!ダイジさんが僕を村から追い出したのって、まさか!!!」


「・・・ダイジさんは紳士だ、頭もいい」


そんなまさか!そんな・・・!!

ラングさんが僕に掴みかかる

僕の体を強く揺さぶりながら言った


「お前を、生かしたかったんだろうよっ!!」



・・・僕の何かが、崩れる音が聞こえた気がした

感想で、主人公の境遇が酷すぎるという意見をいただきました

全くもってその通りです、反省します

しかし、この主人公にはまだまだ試練が訪れます

そういう設定にしてしまいました

私が書く以上、更なる困難が待ち受けています

それでもきっと最後には、ミコト君はその困難に打ち勝ってくれるはずです

私はそう願っています

・・・書いてる私が言うのもおかしな話ですが

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