一方的な在り方
脳が溶けそうになる程頭が熱い、意識が体を突き抜けたようだ
よく分からないけど、手足が元に戻ってる
化け物がこちらを見てる
だけど不思議と命の危機は感じない
世界はまだゆっくりなままだ
さあ、平穏を取り戻そう
化け物がそばにあった木をヘシ折って上段に構える
そのまま僕に向かって振り下ろしてくる
僕は右手を頭上に持ち上げて、防御の姿勢をとる
今までだったら無事で済まなかっただろうけど、今なら
振り下ろされた木は、僕の右手に当たり、そこで止まった
木が僕と化け物の間でたわむ
化け物はそのまま力を入れつづけ、遂に木が折れた
その折れてギザギザになった断面を僕に突き入れる
僕はその先端を左手ではたく
それだけで狙いがズレて、その突きは外れた
化け物は僕と距離をとり、木を上空に投げた
木は空高く舞い上がり、僕の方に落ちてくる
と、同時に化け物が駆け出し、僕との距離を詰め、必殺の拳をくりだそうとする
僕は木が落ちてくるまでの時間を、のんびりと待って、化け物が詰めてくるのを待った
そして、化け物が拳を放った瞬間、一歩だけ前にでた
化け物の懐に入った僕は、右手を化け物の胸の中心に、突き立てた
化け物は何が起きたのか分からない様だった
木が地面に落ちる大きな音がする
僕が、右手を捻りながら抜くと、化け物は三歩下がって膝を地面に着けて、こちらを睨む
化け物は、最後の抵抗とばかりに走ってくる
僕はその頭を蹴り上げる
パンッという音と共に、怪物の頭が血飛沫に変わった
化け物はまるで僕を抱きしめるような姿勢のまま、僕に倒れかかり
やはり僕を抱きしめずに倒れた
体中に化け物の血が着いているが、僕は唇についた血を舐めとって
そのまま意識を手放した
~近隣の村~
(・・・ん!?)
何か、とてつもなく大きな力を感じた
山の方からだったが、見える範囲では異常はない
(ふむ?)
あれが魔法によるものだとしたら相当な規模だ
それこそ、山ごと村が吹き飛んでもおかしくはない
視界に入らない程遠くの出来事とは考え難い程の力の大きさだった
私は全神経を集中しながら山の方を警戒するが、異常は感じられない
・・・思い過ごしだろうか?
今の世の中、何が起きてもおかしくない
警戒のし過ぎと言うことはないだろう
今後、今少し警戒を強めよう
~????~
・・・・・・パパ?
え~実はこれで最終回です
嘘です、ここまでがプロローグです
まだがんばります!