戦闘終了の在り方
空中に飛び上がり、ドラゴンとすれ違う瞬間に、右手をドラゴンの首に突き刺す
いちごにフォークを刺した時の様に、軽く刺さる
「・・・!オオオォォォ!!」
魔物はそれで初めてこちらに気付いた様で、何やら叫び声の様なものをあげる
僕は右手を刺した方のドラゴンの背に乗った
そのドラゴンは、なんとか僕に攻撃しようとするが、首が回らず、噛みつくことが出来ないようだ
そしてそれを見ていたもう一匹が、先に移動して、すれ違いざまに僕を攻撃しようとする
「・・・クッ、ハハハハッ!」
僕は笑ってしまった、こいつらは僕を殺そうとしている
どちらが強者で、どちらが弱者か、わかりきっているというのに!
僕は左足の指先を、足場のドラゴンに軽く刺して、バランスを安定させ、こちらを噛み殺そうとするドラゴンを迎えた
すれ違いざま、口を開いたドラゴンの下顎を蹴り飛ばす
ドラゴンは、下顎を失ってもまだ敵意を失っていない様で、今度は鋭い爪で攻撃しようとしてくる
「もう飽きたな・・」
そう呟いた僕は足場のドラゴンを蹴り飛ばして、下顎のないドラゴンの頭に近づき、その頭を蹴り上げた
ドラゴンの頭はトマトのように弾け飛んで、辺りに血の霧を発生させた
「ん~♪なかなかいいね~!」
僕はそれを胸一杯に吸い込みながら、首を無くしたドラゴンを蹴って、またもう一匹のドラゴンに降り立った
足場のドラゴンは門に背中をぶつけて僕を潰そうとしたので、僕は思いっきりドラゴンの首を蹴る
ドラゴンの首はグチャッ!っと嫌な音をたてて、殆ど両断された
そして、門に当たって門が壊れると嫌なので、門と反対の上空に向けてドラゴンを投げる
反動によって、すごいスピードで地面に近づくが、少し地面にヒビが入る程度で着地
しばらくして首のほとんど繋がってないドラゴンが落ちてきて、そのあと、血の雨が降った
「アハッ!アハハハハッ!」
僕は口を開けて、その血の雨を受け止めた
その時僕の目は、紅く、紅く、輝いていた
~ダイジside~
不思議な少年じゃった
出会ったときは魔物かと思ったが、疑ってかかったら大泣きした
その姿を見ていると、故郷に残した息子の姿を思い出した
仕方がないのでまだ唯一やっている宿に案内した
そういえばそのおかみの夫と子供も、もう戻ってこないことを思い出したからだ
一応村長に話しをして、この村にいさせていただくことにした、後日連れてくる事を条件に
話してみると、ますます普通の少年だった
名前はミコトといったが、紅い目をしているので、よくこれまで生きてこれたなと思ったが、過去を聞こうとしたら、記憶喪失だとのたまった
会話の節々に矛盾を感じるので嘘なのだとわかったが、聞かれたくないのだろうと、そのことは流した
森で狩りをしていると、とんでもない力の持ち主だということが分かった
なんせ木に掌を当てて、そのまま握り潰せるのだ、普通じゃない
そのことに本人も気づいておるようだが、便利程度にしか思っておらん、そんな馬鹿な
数日前の大きな力の気配に関係があるのかと思ったが、本人は魔法が使えないと言う
絶対に関係があると思ったんじゃが、儂の勘違いだろうか・・?
村長は、ミコトを気に入ったようだ
まあ元々滅ぶ運命にある村だ、多少のハプニングは受け入れるつもりだったのだろう
その後も色々なことを教えた
そしてミコトもそれをよく吸収した
きっと息子が生きていたら、こんな生活が出来たのかもしれないと思うと、少し胸が苦しくなった
そんな中、あの予感がした、忌々しい魔物たちの侵略の予感だ
ミコトに戦い方を教えたのは、この時に戦力になるかも知れないと思ったからじゃ
じゃが、おそらく生きては帰れまい
儂は何度となく生き残って見せたが、一緒に戦ったものは皆死んでいった
ただ、他の、たくさんの人がいる場所では、ミコトは間違いなく迫害され、殺されるじゃろう
ならば儂の最後の我侭、ライドと共に死ねなかった儂が、少しでも魔物を蹴散らして死んでいく我侭に、付き合ってもらおうと思ったんじゃ
もし、一度でも侵略を退けられたら万々歳じゃ
しかし、ミコトは予想より遥に活躍した
何度となく魔物に挑みかかっては、その度魔物を蹴散らした
魔物の血の、むせ返る様な状況の中、決して諦めず、何度も、何度も
しばらくして危ない場面がでてきて、もう駄目かと思うたが
前よりもさらに力強く、魔物を蹴散らすようになった
魔物の血を吸い、魔物たちを殺して回る姿は、まるで鬼のようじゃった
そして遂に終わったと思ったとき、奴らが現れた
2匹のドラゴン型の魔物じゃ
儂ではⅠ匹相手に相打ち出来るかどうかといった程の強者じゃ
ミコトに注意を促したが、まるで聞いておらず
それどころか、ドラゴンに向けて駆け出しおった
しばらくしてドラゴンがこちらに向けて飛んできたのじゃが、1匹しかおらん上に、ミコトが乗っておる
ミコトがこちらに高速でやってきたと思ったら、ドラゴンの死体が降ってきて
その後、血の雨が降ってきた
ミコトは狂ったように笑い、儂は戦慄した
そして、儂は覚悟を決めた
いや~、ついに来ました主人公無双!
正直この作品、これが書きたかっただけですw
いや、まだまだ続けるつもりですけど、この先全然話出来てない(´・ω・`)
まあ何とかなりますよね!まだ毎日更新続けるつもりですb