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魔血吸の在り方  作者: スクロー
暖かな村と自覚の章
13/67

襲撃の在り方

新年明けまして、おめでとうございます!

これを読んでいる方が、少しでも幸せな新年を迎えられることを祈っております

「うおおおおぉぉぉおっ!!」


見敵必殺(サーチ&デストロイ)!

僕は見て、即攻撃を繰り返している

適当に手足を振り回していても、当たれば当たった場所が吹き飛ぶのでダメージをあたえられる

魔物は死んでしばらくすると、消えてなくなってしまうので、死体の山は出来ていないが、もし消えていなかったらいくつもの山が出来ていただろう


対して、ダイジさんはすごく静かに佇んでいて、敵が間合いに入ると


・・・・スパンッ!!


っと最小限の動きで敵を殲滅する

しかしその動きはあまりにも素早く、また隙がないため体に傷はなく

そして何より一撃必殺だ

魔物がタイミングを合わせて襲ってきても、


・・・シュパパパパパンッ!!


っとまるで機械の様に両断してしまう

圧倒的な力を持つ僕と同じぐらい、いや、それ以上の魔物を倒している

恐ろしい事に、これを1時間近くずっと維持している


・・・ダイジさんって、本当に人間ですか?


「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」


「大丈夫か?まだまだ敵はおるぞ?」


「まだ、まだいけます!」


「そうか、もう一踏ん張りじゃ!がんばれ!」


僕は体がうまく動かなくなってきて、精神的にも疲れてきたが、気力でなんとか状況を維持している


「後ろじゃ!」


「・・ッ!!」


いつの間にか背後に回っていた爪の長いコアラみたいな魔物に攻撃されたが、なんとか反応して、左手でガードする

しかし、頬に僅かに切り傷ができる


「気をつけろ!背後に敵を回すな!!」


言われなくてもそうするつもりでいたが、集中力が切れてきたようだ


「・・ッァア!!」


根性で相手を叩き潰す


危険だ、危険だ、キケン、キケン、キケン


頭の中で、僕の本能と呼べる部分が警告を発するが、無視して闘い続ける

頭が大剣の先のようになったイノシシ型の魔物が走ってくる


「・・・っりゃ!!」


咄嗟に右腕でガードすると、右腕が僅かに切れた!

これまでどんな状況でも傷つかなかった腕と足が、初めて傷ついた


僕は動揺を殺して、左手でイノシシをハジキ飛ばす

もう殺すだけの力を込めることが出来なかった


象のような魔物の体当たりを両手で受ける


「・・っっっあ!!」


今まで力負けなどしたことがなかったのに、ハジキ飛ばされる


「ミコトォ!!!しっかりせい!!」


ダイジさんが激を飛ばすが、僕は起き上がれなかった



僕の、手足が消えていた



目の前にはまだ無数の魔物たちがいた



このままでは、



死んでしまう!



死ぬ?



こんなところで?



いやだ



いやだいやだいやだいやだいやだっ!!



鳥型の魔物が素早く近づいてくる



動ける範囲には、先ほど頭を握り潰した熊型の魔物しかいない



ハヤクハヤクハヤクッ!



その血が、頭を失った体に大量に流れ出ている



キケンキケンキケンキケンっ!



その血から、目が離せずにいた僕は、唐突に理解した



危険なのは、魔物の血を飲むことじゃない


危険なのは、魔物の血を飲まないことだ!



僕は急いで顎を地面に擦りつけ、バンダナを外すと、熊型の魔物に這って近づく



鳥型の魔物がもうすぐそこにいる、嘴をこちらに向けて、突っ込んできた



熊型の魔物にたどり着き、その死体に歯を立てると同時に、鳥型の魔物の嘴が、僕の後頭部を直撃した



「ミコトォォ!!」








ダイジさんの叫びを聞きながら、僕は安堵した


・・・間に合った!


右腕を頭の後ろに回し、鳥型の魔物の、少し僕の後頭部に刺さった嘴を掴みながら


僕はさらに血を啜る


最初は細く、頼りなかった右腕が、元の、本来の太さに戻っていく


振り向いて鳥型の魔物に噛みつく


生きたまま血を吸われた魔物は、力なくその一生を終えた


今度は左腕が生えてきた


腕だけが異常にたくましい猿型の魔物が、僕の頭を握りつぶそうとしているが


その腕の元の方を、握りつぶす


そしてまた血を啜ると、今度は右足が生えてきた


一回り大きい狼型の魔物が飛び掛ってくるが


右足で生きたまま串刺しにする


当然その血も啜ると、僕の体は元の五体満足になった


「ミコト・・・?」


「・・・・フッ、フハハッ、ハーハハハァ!!!」


それどころかとても清々しい気分だ!


何か満たされない物が、今宵、初めて満たされた!そんな気分だ!


そんな最高の気分のまま、僕は魔物の虐殺を始める


元から一方的ではあったが、理性のタガが飛んだ僕は、これまでより素早く、殆ど敵を見ずに攻撃を行う


そして折を見ては魔物の血を啜る


「・・・っ!」


ダイジさんが何か言いたげであったが何も言わず、魔物の殲滅に集中する



一方的な虐殺は、さらに速度を増した




「・・・ふう、こんなもんかのう?」


「そうですね、もういないんじゃないですか?」


僕等の回りにはもう魔物はいない

いや、いるにはいるが、もう動かなくなったものだけだ


「しかしミコト、どうしたんじゃ?いきなりハジキ飛ばされたと思ったら、狂ったように魔物を蹴散らすから、気でも違えたかと思うたぞ?」


「ハッハッハッ・・」


「それに儂の見間違いでなけてれば、魔物の血を啜っておったように見えるが?」


「み、見間違えじゃないですかねぇ・・?」


「・・・、じゃあ何故バンダナが外れておるのじゃ?」


「・・・・・」


「まあよい、今日はつか・・・っ!何か来おるぞっ!!」


遠くから紅い目が四つ、空を飛んでやってくる


「こやつらは・・・ドラゴン型かっ!!」


それは僕等の4~5倍以上はありそうな竜型の魔物だった

それが二匹、高速でこちらにやってくる


「クソッ!やっかいなのが来おった・・!気をつけろ!やつらはこれまでのとは訳が違うぞ!!・・・・ミコト?」


僕はそれを見つめながら思った


おいしそうな血の塊が2つ、向こうからやってきた


これまでの血もおいしかったけど、あいつらは何故か、もっとおいしそうだ


・・そうだ、迎えにいこう、そうだ、ソウダ


「ミコト?・・おい、ミコト!?」


僕は走り出していた


誰にも分けてやるものか、あの血は俺のものダ



地面を砕く勢いで蹴り、僕は飛んだ

本日は連続投稿いたします!一時間後にまたお会いしましょう!

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