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魔血吸の在り方  作者: スクロー
暖かな村と自覚の章
11/67

魔法の在り方

そうやって過ごしていて、太陽が真上に登ると、ダイジさんが言った


「よし、そろそろ昼飯にするかの」


「村に戻るのですか?」


「いや、とりあえず、罠を見て回る」


そういってダイジさんは歩きだした


しばらく歩いていると、ロープで逆さ吊りになった兎がいた


「ほう、それじゃこの兎を昼飯にするかの」


そういって兎の耳を持ってこちらに渡し、すぐにまた罠を張って歩き出す

今度は木々がなく、少し拓けた場所に来た

そこには、簡単に作られたかまどがあった


「では、兎を捌く、見ておれ」


そういってダイジさんはナイフを巧みに使い、見る見る兎を肉の塊にしていく


「こんなもんかの?」


そこにはスーパーで売っていてもおかしくない、お肉が出来ていた


「では、薪を拾って来てくれ」


「はい!」


僕は急いで薪を集めだした

すぐにもどると、ダイジさんはなにやら料理の下ごしらえをしているようだ

かまどの上には、いつの間にか鉄板が乗っていた


「では、料理をするかの」


そういってかまどに薪を組み、火をつけれる状態にした


「そういえば、どうやって火をつけるのですか?」


「どうやってって、魔法に決まっとろう?」


なんだ魔法か・・・、!?ま、魔法!?


「え、ダイジさん魔法が使えるんですか!?」


「なんじゃうるさいのう、使えるが、それがどうかしたのか?」


まるで使えるのが当たり前のような調子で言うので、もしかしたらこの世界では使えるのが当たり前なのかもしれない

それにしても魔法である、異世界と言えば定番とはいえ、実際に見るのは初めてだ


「ど、どんな魔法ですか!?見せてください!!」


「お、おう、なんじゃかすごく食いつきがいいのう?まあ見てなさい」


ダイジさんは両手をかまどにかざし、呪文を唱えた


『在りし日の炎よ、ここに再びおこれ』


すると、かまどの薪の方から僅かに火の粉が上がり

結果かまどに火がついた!


・・・正直ショボい


「なんじゃ?なんで残念そうな顔をしとるんじゃ?」


「いや、なんというか、もっとこう、燃え上がる感じをイメージしていたので・・・」


「まあそういう魔法を使うのもおるが、儂は基本的にはこういったものしか使わんのう」


!いるんだ!そういう魔法を使う人!

顔が笑顔に戻った僕を尻目に、ダイジさんが料理を開始する


「まあ肉を塩で下味つけて、野草を適当に炒めただけ何じゃがな」


そういっていたが、野性味あふれるその料理は、塩も使わなかった肉の炙り焼きより遥においしかった


「ほれ、これも食べなさい」


そういってとても堅く焼かれたカンパンのようなものを渡された

最初は堅くて味もないが、じっくり噛んでいると、わずかに甘味があった


「それは非常食としても優秀なパンでな、森に入る時は常に持っとるんじゃ」


その後も少し採集をして、村に帰ることとなった


帰り道にて


「しかしお主、魔法については覚えておらんのか?」


「はい、これが全く覚えてません、ですので出来れば教えていただきたいのですが・・」


「うむ、しかし儂は正直な話、魔法にはあまり詳しくないのでな、村長に聞いてはいかがかな?」


「村長さんは魔法にお詳しいのですか?」


「いや、あの人は何にでも詳しいぞ?だから魔法に関しても知ってるはずじゃ」


そういった訳で、僕たちは村に着いた後、村長の家に向かう事にした

村長の家は、村を両断する道の真ん中あたりで、左に曲がると正面にあった


「お~い、村長さ~ん、いらっしゃるかの~?」


「フォッフォッフォッ、開いとるぞぃ、入ってらっしゃい」


家に入るとすぐにテーブルがあり、そこの奥に村長が座っていた

村長は顔にいくつもの皺を蓄えており、頭髪も白く、しかし背筋は伸びており、目はどこか神秘的な理性を感じさせた


「ふむ、お前さんがこの前きた、魔物に見える男の子かぃ?」


村長のいきなりの言葉にビクッとしたが、失礼がないようにできるだけ丁寧に話す


「お初にお目にかかります、私一 命(にのまえ みこと)と申します、先日からこちらでお世話になっております」


「フォッフォッフォッ、これはご丁寧に、ワシはこの村で村長をしておるラクシじゃ、よろしくのぅ」


村長は柔らかい笑顔をたたえながらそう言って、ダイジさんに視線を寄越した


「して、ダイジよ、何用かな?」


「はい、このミコト、記憶を失っているというので、色々と教えているのですが、魔法については儂は詳しく知らないので、村長にたずねてはどうかと思い、参った次第です」


「フォッフォッフォッ、そうか、魔法か、ワシもそこまでは知らんが、知ってる範囲についてなら、話そう、では、掛けられよ」


そういって村長は僕たちに椅子をすすめた


「では、魔法について話すとするかのぅ、実は魔法はわからないことだらけなんじゃ」


いきなりの発言に目を剥くが、黙って話を聞く


「皆が皆、当たり前の様に使うが、実際はどうして使えるのかわかっていないのじゃ。では何故魔法が使えるか、それは体を例にすると分かり易いかのぅ、お主は腕を動かす時、どうすればいいか分かるかのう?自分の腕は自分で動かせるのが当たり前で、何故自分で動かせるかはわからんのじゃ、昔犯罪者を実験台にして、それを解明しようとした者もおったが、腕の中にあるとある線を切ると、その先は動かなくなるというのはわかったが、実際にどうして動くかはついにわからんかった、それと同じで魔法もどうして通常ではありえない、超常の現象が起こるのか、誰にもわからん、しかし、いくつかわかっていることもある、・・・・」


長い、長いぞ、村長の話!

つまり、まとめるとこう・・・か?

・魔法は意志の力で使う

・呪文を使うのは、その意志を確固たる物にするため

・よって呪文は使わずとも魔法は使える

・身振りも同様

・使えない者はあまりいない、が、使っても意味がない程威力がない(火もつけられない)人が大体5割ぐらい

・そこに血筋などは関係ない

こ、こんな感じかな?


「・・・、まあ、そんな訳じゃから、魔法はとってもチャーミングなのじゃ」


「は、はぁ」


「お主、聞いておったか?」


「はい!ダイジョウブです!」


「ならいいが、これダイジ、眠るでない」


「・・・ん、終わったのか?」


やけに静かだと思ったら、寝てたのか


「では、実際に使ってみるかのぅ」


そういって村長さんは指を突き出した


『灯れや灯れ、我が闇を照らせ』


そういった直後、指からチャッカマンの様に火が出てきた

数秒して、指から火が消えた


「ふう、こんなもんかのぉ」


「あの、ダイジさんと呪文が違うのですが、違う魔法なんですか?」


「お前さん、ホントに話を聞いておったか?呪文なんて人それぞれじゃよ、魔法も人それぞれじゃ、ようはイメージじゃ、イメージ、まあ人のを真似した方が簡単かもしれんな、実際に起こるということがわかっとるから、イメージがしやすいじゃろ?」


なるほど、では・・


「灯れや灯れ、我が闇を照らせ」


僕は指を突き出し、村長さんと同じ呪文を唱えた


「・・・あれ?」


しかし一切変化がなかった


「イメージじゃイメージ、体を突き抜ける程のイメージが、現実に変化をあたえる」


もう一度、今度は気迫を込めてっ!


「灯れや灯れ、我が闇を照らせっ!」


・・・何も起こらなかった


「うむ、まあ、使えずとも問題ない、そんな人はいくらでもおる」


村長さんが気まずげに、僕に労りの言葉をくれる


「まあ、なんだ、死ぬ訳じゃないんじゃ、気にするな」


ダイジさんが生温かい目で、こちらを見ている



・・・悔しくなんて、ないヤイ

ついに来ました、魔法です

しかしここにきて、さらにジジイが倍!若い子が主人公しかいない・・・

因みにダイジは40歳ぐらい、村長は75歳ぐらいだと脳内設定してます

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