7/7
〜終章〜
草原を歩いていた。
広大な地とどこまでも広がる青い空。
私は両腕を広げて風を全身に浴びた。
心地よい。
少し離れた場所で龍馬さんが寝転がっていた。
そこまで向かった。
── 思ったがり早かったな。
彼が空を眺めながら言う。
私はとっさに謝ってしまった。
すると彼は上半身を起こし、切なそうな表情をこちらに向けた。
── おまえは謝ってばかりじゃ。そして、自分の気持ちを抑えて我慢ばっかりしよった。
そうだったかなと考えていたら、彼は続けて言った。
── 同志斬殺の時も、禁門の変の時も…、オレらを斬りに来た奴が顔見知りじゃったとゆうことも。
私は彼の洞察力に驚いた。
── オレが気がつかなかったと思っちょったが?
逆に、なぜ気がついたのか聞きたい。
でも終わったことなんだ。
そう、全ては終わった…。
すると龍馬さんがひょいっと起き上がり、私の肩を叩いた。
── もっと肩の力を抜いて生きれば良かったがに。
心がスッと軽くなった。
私のやってきたことは間違いではなかったのか?
混乱する時代の中で誰かの心を救えたのか?
── ほんなら、またな!
龍馬さんが手を挙げた。
その手を叩き、笑顔を向けた。
「おう、ほんなら、また!」
《END》




