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ガーデンチャンネルを運営していたら、ダンジョンの中に森ができました!

作者: tada
掲載日:2026/07/04

 接続……よし!

 お……フォロワーさんもう来てくれてる。うれしいなぁ。


「こんにちは! カエデ・ガーデンのカエデです! 今日もよろしくお願いします!」


 ”よろしくー”

 ”パチパチ”

 ”きたよー”

 ”お、はじまった”

 ”おめでとー”


「あ、先に言われてしまいましたね、ありがとうございます! 今日はなんと! フォロワーさん200人達成記念なんです!」


 すごいなぁ……私が200人いくなんて。十四歳から園芸チャンネルの配信始めて、そろそろ八年。続けて良かったぁ!


 ”おー200人”

 ”おめでとー”

 ”おめでとー”

 ”めでたい”


「ふふ、ありがとうございます! それでですね、今日は特別な配信なんで、特別な植物を用意しました! こちらなんですけど~」


 撮影機材であるスマホで用意した植物を映してみる。

 基本的に私の撮影はスマホとインカムだけ。派手なことをするわけじゃないし、私がしゃべって植物を植えるだけの配信。

 それでも、少しずつフォロワーさんは増えていった。ほんとにちょっとずつだけど。

 それが、とうとう200人。

 はい、奮発しました!


「こちらの植物なんですけど、ルーメリア、って言うんです。これはまだ苗なんですけど、青白い綺麗な花が咲くんですよ! 今日はこちらを植えていこうと思います」


 ”知らない花だな”

 ”カエデが植える植物大体わからんw”

 ”また知らないの出た”

 ”カエデに癒されに来てるだけだからなー”


「あらら。まぁいつものことですねぇ。じゃあ、植えましょうね! んしょ……うんしょ」


 スマホをスタンドに置き、スコップで土を掘っていく。

 この、”誰かと一緒に園芸してる”感がとても好き。

 私の配信はホント動きが少ない。土掘って苗植えたり、育ってきた植物に話しかけたり、ちょっと剪定してみたり。

 誰かに教えるような知識もないから、基本は私がずっと園芸やってるだけ。

 うん……地味だよね。八年これです。


「はい、植えました! おっきくなるといいなぁ」


 ”かわいい”

 ”おつかれー”

 ”花咲くの楽しみ”

 ”咲くわけないじゃん、なにこのチャンネル、ヤラセ?”

 ”おつかれさま”


 ……ん?

 なんでしょう。なにやら、とても攻撃的な方が……。

 

「あの~……ヤラセでは、ないですよ? 私が買ってきた苗ですし」


 ”なんだなんだ”

 ”見ない顔だ”

 ”ヤラセじゃないなら無知なの? 長い事やってる園芸チャンネルかと思って覗いたのに損した”

 ”カエデちゃん一生懸命やってるよ?”

 ”なんだこいつ”


「あの、それはどういう……」


 やってますけど……長いこと。


 ”なんにも知らないの? ルーメリアは相当強い魔力がある土壌じゃないと育たないし、咲かない。枯らすだけだよ、そのルーメリア”

 ”ガチ勢キタ”

 ”やさしくしてあげて”

 ”そうなの?”


「ああ! そういうことだったのですね! なら大丈夫ですよ! ここ、魔力いっぱいありますから! ダンジョンですし!」


 ”???”

 "いまダンジョンっていった?"

 ”自宅の庭かと思ってた”

 ”ダンジョン?”

 ”カエデちゃんちだと思ってた”

 ”いまダンジョンって言った?”


 あ、あら? 皆さん……ご存じない?

 そうえいば……別にダンジョン配信っぽいことしてないし、特に言ってなかったような……?


「すいません、その説明がいると思ってなくて! あ、あの! 今いるの、こんな感じなんです!」


 スマホをスタンドから外し、周りの風景を撮ってみる。

 ごつごつした岩肌に突き刺さるような魔石水晶。天井にあるたくさんのヒカリゴケ。おかげでここはかなり明るい。奥の虹流水だって見えるはずだし……わかりますよね? ダンジョンだって。

 植物植えまくって森みたいになってますけど。


 ”まって……理解が追いつかない”

 ”マジでダンジョンなんだが?”

 ”魔石水晶埋まってるんだけど……これ、かなり深層じゃないの?”

 ”おいここ、ハイル洞窟の未踏破エリアだろ! 草なんか生えないぞ、ここ!”

 ”え、マジのダンジョンなの?”


「あ、はい。ここ、八年前に突然自宅の玄関に繋がってしまいまして……私、ずっと庭が欲しかったので、ここで園芸を始めよう、って……」


 ”理由がww”

 ”いや地質的にむりじゃね? そのダンジョン、土というか石でしょ”

 ”おい、八年前のアーカイブ見てきたんだが。この人、最初の二年間土壌改良しかしてないぞ”

 ”二年?!”

 ”その頃みてない”

 ”全然きづかなかった”

 ”いっつも手元ばっかり映すからー”

 ”200人達成記念どっかいったな”


 そ、そうですよね。

 土をなんとか頑張ってた頃なんて視聴者さん、いっつもゼロでしたから。皆さん知らないですよね。

 ええ……ど、どうしましょ。なにか視聴者数が、ものすごいことに……わ、まだ増えてく。

 

 ”とんでもない園芸チャンネル”

 ”まって。うしろ……なんかいない?”

 ”うしろ?”

 ”うしろて?”

 ”なんかってなによ”


「後ろ……ですか? ああ! 今日はチョコパイさんが来てますね!」


 ”ちょこぱい?”

 ”なにそれ”

 ”チョコパイ”


「はい! なんでもここは寝心地がいいそうで! たまに来るんです。声かけてみますね!」


 こういうとき、スマホで撮影は便利だな。簡単に持ち運べるし。


 ”まって、でかい”

 ”なんかいる!”

 ”えぐいえぐいえぐい”

 ”でかい”

 ”え……ドラゴンじゃね?”


「チョコパイさん! チョコパイさん! ご挨拶しませんか?」

『……カエデか。我をペチペチするな』


 のそりと、チョコパイさんが首を上げた。

 顔だけで私より数倍大きい。そんなチョコパイさんが首をあげると、私は思いっきり見上げる形になってしまう。

 ちゃんと映ってるかな?

 うう、やっぱり大きい……。


「チョコパイさん、ご挨拶どうぞ!」

『なんだ……またお前が好きな”配信”というやつか』

 

 ”エンシェントドラゴン?!”

 ”ドラゴンだ”

 ”エンシェントドラゴンだぞ、それ”

 ”なんでチョコパイ”

 ”伝説級の希少種!”

 ”ホンモノ初めて見た”


『もう良いか。我は寝にきたのだが』

「あ、はい! ありがとうございました!」


 ふぅ。コメントが見れなかったので不安でしたが、ちゃんと映せたみたいです。

 チョコパイさんはエンシェントドラゴンって言うんですね。

 

 ”なんで普通なんだこの人”

 ”エンシェントドラゴンをぺちぺちしてたの?”

 ”えぐい”

 ”チョコパイ意味がわらかん”


「あ、チョコパイは私がつけました! その、黒かったので!」


 "意味わからなくて草"

 ”もっと意味わからん”

 ”エンシェントドラゴンってしゃべるんだ”

 ”草”

 ”そんな可愛い見た目じゃなかった”


 わ、わ……そうこうしてる間に、フォロワーさんも大変なことに……あれ? 200人達成記念だったはずですよね?

 桁が……え?


 「えっと……じゃあ、そろそろいいですかね? あの今日はもう一本、苗木を植えようかと……」


 ”続けるの?”

 ”エンシェントドラゴンほったらかしw”

 ”カエデさん、そいつ伝説ですよ”

 ”戻ったw”

 ”まって、続けたw”


「あ、はい。チョコパイさんはもう四年くらいここにいますし、今更といいますか……他にも色々きます、し」


 ”他にも来てるwww”

 ”どんだけ居心地いいんだ?”

 ”そりゃハイル洞窟に森があったら、居心地いいだろ”

 ”四年は草”

 

 ど、同接数が……とんでもないことに!

 こ、怖い! 怖くなってきました!

 な、苗! 苗植えて落ち着こう!


「……そ、それではやっていきますね!」


 ”やっていくな”

 ”次からアニマルチャンネルか……”

 ”登録しました”

 ”毎秒来ます”

 ”伝説の配信ここですか?”

 ”わたしがきた”

 ”ここ?”


 収益化、できました!

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