本
クララは静かな場所を探して市立図書館に入った。小屋の静寂とは違っていた。静かな足音、控えめなくしゃみ、そしてページをめくるカサカサという音だけが響いていた。
彼女はテーブルに腰を下ろし、適当な本を手に取った。開くと、予期せぬ動きを感じた。ページがまるで呼吸するかのように揺れた。風でも偶然でもない。本は彼女を認識しているようだった。
クララは最初のページをめくると、ある単語がハイライトされているのを見つけた。それはインクの違いではなく、かすかな光で強調されていた。まばたきをすると消える。彼女はすぐに小屋で読んだ本を思い出した。鮮やかな記号で反応する本たちだ。街の真ん中で、その反響が聞こえた。
興味をそそられ、彼女は別の本を開いてみた。同じ現象が起こった。短い動き、ページからため息、そして記憶がまだ残っていることを告げるような閃光。それは明らかな魔法ではなかったが、彼女が学んだことが失われていないことを確信させる、控えめな兆候だった。
クララは本を閉じ、テーブルに手を置いた。家具が、まるでその光景に合わせて静かに軋んだ。彼女は微笑んだ。街にも、森の記憶が顕現する空間があるのだと理解した。彼女は非凡なものを探す必要はなかった。それは日常の中にあり、認識されるのを待っていた。
図書館を出ると、都会の空気が再び彼女を包み込んだ。しかし今、彼女はあらゆる場所に、身振り、息吹、そして記憶が宿っていることを知った。小屋の歌は生き続け、息づくページへと姿を変えていた。




