メロディーの扉
クララは鍵ではなくメロディーで開く扉を見つける。近づくにつれ、小屋の中の物が過去の決断を歌い始める。まるでそれぞれの音が道の分かれ道であるかのように。
廊下の突き当たりに、金糸のカーテンで覆われた扉があった。クララは以前にも見たことがあったが、触れる勇気はなかった。今回はカーテンがひとりでに動き、音符のような記号が刻まれた枠が現れた。
「歌っているの?」クララは尋ねた。
扉が振動した。そこから柔らかなメロディーが流れ出した。それは、決断の断片で構成されたものだった。「はい」には音符、「いいえ」には間、「まだ」には和音。
小屋の中の物が反応し始めた。時計は時を刻み、椅子は時間に合わせてきしみ、絵画は踊っているかのように傾いた。生き物たちもそれに加わった。蝶は調和のとれた羽音を発し、根のような生き物は太鼓のように床を叩いた。
「何を歌っているの?」クララは尋ねた。
「あなたの分岐点よ」と扉は答えた。「あなたが選んだ分岐点、選ばなかった分岐点、そしてまだ待っている分岐点。」
クララはドアに向かって座った。メロディーが次第に鮮明になっていった。
「あなたがここに残ると決めた時」
「あなたがためらった時」
「あなたが返事もせずに耳を傾けていた時」
彼女は目を閉じた。ため息が音色になった。ドアは彼女とともに振動した。ドアは開かなかったが、光を放ち、彼女の胸に落ち着いた。
「開かない」ドアは言った。「あなたと一緒に歌っている」
クララはゆっくりと立ち上がった。小屋全体が歌に加わっているようだった。その後に続く静寂は、まるで楽譜のようだった。




