表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/48

声のざわめき

クララは小屋の床下に、古代のメッセージで振動する根があることを発見する。それに触れると、言葉は発しないが、記憶している声が聞こえる。

朝は静まり返り、小屋の床は息をしているようだった。クララはいつも靴を置いておく隅にひざまずき、床板の間の割れ目に気づいた。触れてみると、かすかなくすぐったさを感じた。まるで下で何かが動いているようだった。


「生きてるの?」クララは囁いた。


割れ目から、細く光る根が、光の筋のように伸びてきた。根は言葉を発しないが、振動していた。クララが手のひらをその根に当てると、空気が反響で満たされた。声なき歌、彼女のものではない名前、傷つけない別れ。


彼女は目を閉じた。暖炉のそばに座り、空中に何かを書き綴る人影が見えた。床板の下で眠る小さな生き物が見えた。巻かれた巻物のように埋もれた約束が見えた。


「何だったのか、見せてくれるの?」


根はリボンのように柔らかく、彼女の手首に巻き付いていた。クララは、自分のものではないけれど、自分を受け入れてくれる記憶の中にいるような気がした。


目を開けると、根は引っ込んでいた。しかし、床板がそれを覚えているかのように、反響は残っていた。床板は愛おしそうにきしんだ。クララはゆっくりと立ち上がった。まだ名前のつけられない何かを聞いたのだと悟った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ