内側から花を咲かせる木
クララは部屋の中央に光る木を発見する。枝々は感情を吐き出し、開く花の一つ一つが柔らかな言葉を紡ぎ出す。まるで森が言葉にされなかった感情を宿しているかのようだ。
夜は静かに訪れていたが、小屋の中は薄暗かったのが突然明るくなった。クララは驚いた。リビングルームの真ん中に、まるで床材から生えてきたかのように、ねじれた幹が伸びているのが見えた。枝は上へと伸び、その頂にはオレンジ、ピンク、金色といった温かみのある色の花が輝いていた。
その木は普通の木ではなかった。呼吸していた。クララが近づくたびに、枝は彼女の存在に気づいたかのように、優しく揺れた。彼女が花の一つに触れると、花は開き、短い言葉を発した。
「ここにいるよ!」
クララは一歩下がって体を動かした。別の花が開き、囁いた。
「あなたを忘れてないわ!」
空気はささやき声で満たされた。それぞれの花には、言葉にされたことのない、宙に浮いた感情が宿っているようだった。クララは木の周りを歩き、まるで秘密を分かち合いたいかのように、枝が自分の方へと曲がっていくのを耳を澄ませた。
彼女は床に座り、幹から発せられる光を見つめていた。この木は愛情の守護者、小屋が静かに育んできた生きた心なのだと理解した。それは遠い記憶や亡霊ではなく、時の中に閉じ込められ、誰かに聞かれるのを待っている感情だった。
クララは目を閉じ、言葉に身を委ねた。「ここにいる」「待っていた」「見てくれてありがとう」。一つ一つの言葉が、優しく彼女の上に舞い落ちる花びらのようだった。木は何も求めず、ただ寄り添ってくれるだけだった。
目を開けると、花はまだ輝いていた。クララは感謝の気持ちで幹に触れた。この木は消えることはない、と彼女は知っていた。小屋の一部となり、今も息づく感情の象徴となったのだ。
部屋は再び静まり返ったが、今、その静寂は光り輝く根の形をしていた。クララは微笑んだ。小屋の中でも、森は花を咲かせていることを彼女は発見したのだ。




