表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/42

発見

12月の午後にしては、森は珍しく静かだった。交通信号の騒音や店のショーウィンドウに映る光に慣れた都会育ちのクララは、見たこともない小道を歩いていた。木々はまるで目に見えない意志に導かれるかのように、彼女のために道を分けたようだった。

木の枝の間から、忘れられた小屋の影が見えてきた。苔に覆われ、窓は割れ、まるで小屋自体が彼女を呼んでいるかのようだった。クララは立ち止まった。そのコントラストは不安を掻き立てた。現代的なコートと都会的なブーツと、まるで彼女を見つめているかのように湿った木材と割れたガラス。


彼女はドアを押した。ドアは開けようとしないかのように、耳障りな音を立てて軋んだ。中は、古びた埃と、長く隠されてきた秘密の匂いが漂っていた。かすかに差し込む光が、壁に長い影を落としていた。中央、クモの巣と枯れ葉で覆われたテーブルの上に、電源の入っていない携帯電話が置いてあった。


クララは眉をひそめた。こんな廃墟のような場所に、こんな現代的な物がどうしてあるのだろう?彼女は手の中で崩れてしまうのではないかと恐れるかのように、そっとそれを手に取った。電源を入れると、画面に思いもよらぬメッセージが光った。


「私があなたを愛していることは、あなたが知っているわ」


その瞬間、木の割れ目に、まるでその呼びかけを待っていたかのように、みずみずしいバラが満開になった。クララは驚いて後ずさりした。小屋の静寂は、まるで影から見えない誰かが見守っているかのように、深みを増していった。


携帯電話が優しく振動し、何も触っていないのに、またメッセージが届いた。


「おはようございます。」


割れた窓から陽光が差し込み、この時間には考えられないほどの明るさで部屋を照らしていた。クララは心臓が激しく鼓動するのを感じた。恐怖ではないが、冷静さも感じられなかった。小屋には秘密があり、一つ一つのメッセージが、より深い何かを開く鍵となるという確信だった。


彼女はじっと立ち、耳を澄ませた。梁のきしみと風のざわめきの間に、イタリア語のささやきが聞こえたような気がした。


「また明日…」


クララは唾を飲み込んだ。小屋は空っぽではなかった。目が覚めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ