自分の家を探してみた
投稿が遅れてしまい申し訳ございません。来ていただき感謝いたします。読んでいってくれると有難いです。
ー暗闇の街、不動産前ー
地図がなくても案外不動産屋に行けた。
なんたってゴトさんのビルから出た隣の建物の隣にあったからだ。
「ここが不動産屋...なのか?」
見たところ、随分と古めかしく見える。
本当に不動産屋なのか?
そう思って扉を開けたが
『いらっしゃ~い』
そう男は云った。本当に不動産屋みたいだ。
「どうも。俺は二之部という。」
『よろしく。僕は家瓜というんだ。君の事はゴトさんから聞いてるよ。』
まるで家を売るために存在したかの様な名前だ。
「そうか。それなら話が早い。いい物件はあるかい?」
『沢山あるよ。このリストを見て決めてね。』
と家瓜は物件のリストを渡してきた。
少し見てみてみると丁度良さそうなアパートがあった。
「このアパートはまだ空いてる?」
『うんうん全然空いてるよ。本当にここでいい?』
「うん」
『わかった。じゃあこの契約書書いてね。』
そう言われて書いているときに訊いてみた。
「なぁなんでここはこんなに古っぽいんだ?」
『それは僕の趣味なんだよ。古いものが好きなんだ。』
「いやだとしても古すぎるだろ。廃墟じゃん。」
『それくらい古いものが好きなんだよ。ほらこの腕時計を見てみてよ。』
腕時計の全身が錆びてる。秒針も動いていない。
「腕時計って時間を見るための物だろ?そんなものつける意味はあるのか?」
『別に時間を見るためにつけていないよ。自分なりのお洒落だよ。』
ヴィンテージ物が好きって度が過ぎてるな。
「よし書けた。これでいいか?」
『ああ。これでいいよ。それじゃあこれ、鍵ね。』
「ありがと。」
『後ね、地図ゴトさんに渡されてるでしょ?それ見せて。』
そう地図を出すと家瓜は迷いなく〇をした。
『ここが君の選んだアパートだよ。そこの205号、2階の端っこにあるから。』
「親切にありがとう。助かるよ。」
『一応仕事だからね。教えておいた方がいいことは教えるよ。』
「ありがと。それじゃ行ってくるよ。」
『うん。気を付けてね。』
そして古めかしい不動産屋から出て行った。
ーアパート前ー
家瓜が地図に印してくれたおかげで、すぐに着けた。
結構綺麗に見えるアパートだ。まぁあんなぼろっちい不動産屋を見たせいで
感覚がおかしくなってるのかもしれないが。
アパートの階段を上り端っこの205号室の前に着いた。
鍵を使い扉を開け入ると、ごく一般的なアパートの部屋がそこにあった。
小さなコンロにシンク、11畳程の広さがあった。
「実際に来てみると案外広いなぁ。」
まぁ家具とか置いていくと狭くなってくるんだろうな...
てか家具買う金がないな...
働く場所探すか。
そう考え、家を出るとある人がいた。
「葛城じゃん。」
『お?にのじゃねーか。さっきぶりだな!お前ここに住むのか?』
「ああそうだ。この205号に住むんだ。」
『そうか!じゃあお隣さんってやつだな!俺はここ204号に住んでるんだ!』
「あ、そうなの!?それは嬉しいな!」
『やったな!』
そう言って俺と葛城は手を取り合った。
ここまで読んでいただきありがとうございます!何か指摘する部分があれば良ければ教えていただければ幸いです。