招待状が届いた
来ていただき感謝したします!読んでいただけると有難いです。
ー刑務所ー
あの事件はニュースに報道されたらしい。
そりゃそうだ。強盗殺人なんて滅多に起こることじゃないはずだ。
刑務所に入れられた少し後に俺の親が来た
『面会時間は30分だ。有意義な時間を過ごせよ。』
そう刑務官が云った。早速席に座ると俺の父さんは云った。
『なんでこんな事をしてしまったんだ!俺はこんな息子に育てた覚えはないぞ!』
そして母さんは
『・・・』
なにも話さなかった。父さんによると俺が死刑になるほどの
罪を犯してしまったからショックで話せなくなったそうだ。
父さんが
『お前、これからどうやって過ごすんだ?』
「これから反省して暮らすよ」
『そうか。お前が殺した杉本さんと杉本さんの親族に死んでも反省しろ。
お前がやった事の重大さを知るんだな。』
「うん、、、」
『あ、そうだ。』
そう父さんが云うと、手紙を取り出した。
『ここに来るときに変な奴が渡してきたんだ。
[この手紙を二之部友弘に渡してくれないか?]とな』
俺に?杉本さんの親族だろうか。
『確認する。手紙を渡してくれ。』
そう刑務官が云うと父は手紙を渡した。
刑務官が手紙の内容を見るや否や、すぐに飛び出していった。何事だろうか。
俺の側にいた刑務官が
『30分経った。面会は終了だ。』
父さんは俺のことを睨みながら、母さんは涙を流しながら別れた。
きっと話すのはこれが最後だろう。母さんに一言でも言っておけばよかっただろうか。
牢屋に帰ってきて何時間たっただろうか。多分1時間も経っていないだろうが、俺には2時間、いや3時間経ったように思えた。それくらいの時間を杉本さんに対してしてしまったことを反省していると、
俺の牢の下に所長がやってきた。
『こんにちは。二之部さん。君に用があって来た。』
「こんにちは。所長さん。俺に用ってなんだよ?もう死刑執行するのか?」
『いや違う。君に招待状が届いた。今から招待先に行くからついてこい。』
「招待状?俺は何処に連れていかれるんだ?」
『それは着くまでは言えない。それについてくる前に目隠しをお前に付ける。
いいな?言っておくがお前に拒否権はないからな。』
「わかったよ。ほら早く目隠しを付けろ。」
俺がそういうと牢屋が開けられ目隠しが付けられた。
ついでに鼻栓に耳栓が付けられた。文句は言えない。拒否権など俺にはないから。
何も見えない。何も匂わない。何も聞こえない。
ただ歩く感覚があるだけだ。
車に入れられ、大体10時間ほど経っただろうか。なぜか不思議と尿意は感じない。
まぁ、ここ一日水とか食い物とか食べていないからだろうな。
そして車を降りて少し歩いた後、俺の頭につけられたもの全てが外された。
ー暗闇の街前ー
暗かった。真夜中に出発して10時間ほど経ったのなら朝だか昼だかについてそうなのに、暗かった。
側にいた所長に訊いてみることにした。
「すまんが所長さんよ。出発した時間と着いた今の時間を教えてくれないか?」
正直教えてくれるのかどうかわかないな
だが所長は口を開いてこういった。
『出発したのは大体、午前1時でここ着いたのが午前12時だな。』
まさか丁寧に午前午後まで教えてくれるとは
え?今昼なの?なんでこんな暗いの?
ここは建物の中なのか?
そこで思い切って訊いてみることにした。
「そうか。ありがと。てかここは建物の中なのか?すげぇ暗いんだけど」
『いや?ここは外だぞ』
「それじゃあ海外か?ここはブラジルなのか?」
『そんなわけないだろうが。たとえそうだったとしても、もっと時間かかってるだろ。』
確かにそうだ。じゃあなんでこんなに暗いんだ?
「そういえば訊いていなかったけど、ここは一体なんなんだ?どうしてこんなに暗いんだ?」
『ここは暗闇の街という。暗いのは俺にもわからん。』
わかんねぇのかよ
『まぁ詳細はあいつに訊け。ほら。あの変な髪色をした奴』
所長が指をさした先に人がいるのが見えた。
確かに変な髪色だ。黄緑色の髪とか見たことねぇよ。
そうすると所長は云った
『ここからは俺たち刑務官、警察は先に行けない。』
「え?なんでだよ?そんなことしたら俺逃げるかもよ?」
『そんなことをしたら後ろの警察がお前撃って殺すぞ。』
まじかよ。そんなの御免だ。
『まぁ行ってこい。その変な髪の奴に訊けば大体わかるはずだ』
そう所長に言われるがまま、俺は黄緑色の髪の所に行った。
黄緑色の髪の奴が云った。
『やぁ。あんたがここの新人かい?』
「新人?俺は今日からこの暗い街に住むのか?」
『暗いだなんて言わないでくれよぉ。慣れちまえば明るいもんよ。
まぁ暗闇の街なんて言われてるから、相当暗いというのもあるんだろうけどよ。』
『あんた、名前は?どういう罪でここに来たんだい?殺人?内乱?放火?』
ベラベラ喋りやがるなこいつ。耳が五月蠅い。
「おいおい。人に名前を尋ねる時は、まず自分から名乗るのが礼儀だろう?」
『なるほどねぇ。んじゃ、そんな礼儀をわきまえるあんたは、
何故先に名乗らないんだい?』
「んっ!?」
返す言葉もない
「・・・俺は二之部友弘という。犯した罪は強盗殺人だ。あんたの名は?」
『ご丁寧に罪まで教えてくれるとは親切だねぇ。』
お前が訊いてきたから言ったんだろうが。
『あたしの名は生川 恵ってんだ。犯した罪は決闘殺人罪。よろしくな!』
決闘殺人って、タイマンで相手ぶっ殺したってことだよな。
そう考えたらこいつ女のくせして滅茶苦茶強いってことだよな。
あんまり逆らわないでおこう。
「よろしく。で、答えを聞いていなんだけど。俺は今日からここに住むのか?」
『ああ、そうだな。さっき所長から紙もらっただろ?それ見せろ。』
紙?そんなのもらった覚えないぞ?
あ、そういえば車に乗る前にポケットになんか入れられたな。
確認してみると紙があった。例の招待状だ。
「ほらよ。」
そう言って招待状を渡した。
『さんきゅー。ふむふむ。(二之部 友弘 暗闇の街に招待する)ね、おっけ。本人確認かんりょ。』
「なぁここがどういう所なのか教えてくれよ。」
『おっけー。そんじゃあこの街【暗闇の街】について説明してやるよ。』
ここまで読んでいただきありがとうございます!何か指摘する部分があれば良ければ教えていただければ幸いです。