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彗星

彗星

誰しも一度は聞いたことのある星なのではないか。

突如として現れる様は比喩表現としてよく使われる。


彗星の如く現れたなんて言い方もする。


それはなんかしらのジャンルで分野で一風を吹かせるような強い印象を与えるような。そんな人。


誰しもが憧れる尊敬の眼差しを受ける。才能である。

たかが才能、されど才能なのだ。バカにはできない。一生分の努力を使ってでも届かないことも大いにある。


特にルックスとか。


そこにデリゲートな人は多いだろう。


アイドル、モデル、俳優は腐るほどいるがその中で生き残れるのはある程度のルックスが担保されているからだ。


だから芸能人並に〇〇のような比喩表現ができるようになったのだ。


これはそんな形容をされる女の子たちのお話。




小さい頃から人見知りだった。親の遺伝で勉強、運動、おまけにルックスまで完備、なのに致命的にコミュ力がなかった。本音を言うなら色んな人と仲良くしたい。


だから、自分を変えようと、家から少し離れた小学校と同じ人がほぼいない中学に行き、そこでも結局ダメだった。卒業式では何人か告白してきたがそれも全部断った。

なんで人と話すのこんなに怖いんだろう。


遺伝なわけない、お父さんもお母さんも昔から明るい人だって聞いてる。それが嘘?まさか、信じた方が楽。本気だしたらきっと…


そして高校生となり、一学期を誰とも話さないまま終わってしまった。グループはもう決まっており、もう入る隙間はない。


何度も何度もあの輪の中に入る機会はあった。全部棒に降ったのは誰だ?私だろ?なんでまた…

そんな感嘆してても状況は変わらない。現実は非情なのだ。


夏休みは誰かと過ごすこともなく、始業式。

「よーし、お前ら。特に男子には朗報だ。」

男子から歓声があがる


ノリの良い若手先生といえば伝わるだろうか。授業もわかりやすいし、必要なプリントも忘れても普通にくれる優しい先生と言った印象。


「入れ。」

そう優しい口調で扉を開ける

「失礼します。本日からこの宮前高校に入学させていただく雨宮雫と申します。よろしくお願いします。」

とぺこりと効果音がなりそうな感じに頭を深々と下げた。


(可愛い…)第一印象はそれだった。ただただ可愛い。身長がちっちゃくて髪は長く明るい茶色が艶やかに輝いていて、何がとは言わないが意外とぼんとしていていわゆるボッキュッボンってやつなのか。


(何あの子…ショーケースに入れて保管したい!)そう思うくらいに理性を吹っ飛ばす可愛さをしていた。


(大人しそうだし、なんかの間違いでぼっち繋がりで仲良くできないかなー)

なんていう妄想をしながらぼーっと眺めているとこちらににこやかな笑顔を向けてきた。

(あ…この子になら殺されてもいい!なんなら殺してくれ!!)もう頭の中は雫のことでいっぱいになっていた。

「席はどこにしようか」

そうこの教室、空いてる机が2つあるのだ。どうやら夏休み中に問題行動を起こした生徒が退学処分になったらしく、私の隣の席、ようは1番角の隠キャ席と呼ばれる席かアリーナ席かのどっちかなのだ。


「どちらでも大丈夫です。」

「ならまぁ、アリーナは嫌だろうし、心の隣の席空いてるしそこにしな。」

「承知しました。」また頭を下げ感謝を述べていた。


「よろしくお願いしますね。心さん。」

「あ、よ、よろしく…」

またもや隠キャを発動してしまった。


(第一印象が隠キャになっちゃう…)そんなことを口に出すこともできず、授業が終わり、先生に言われ学校を案内することになったのだ。


「すいませんね…早く帰りたかったでしょうに。」

案内が終わった後、また謝罪の言葉を述べた。

「いや、いいよ。どうせ暇だし。」

なぜか雫には普通に話せるようになっていた。不思議なオーラがあるんだろう。落ち着くような安心する。


「家はどちら方面で?」

「私は金糸雀駅です。」

「へぇじゃあ近いんだ。」

心の家は金糸雀駅から徒歩5分もないような場所にあった。


「えぇ、では一緒に帰りましょうよ」

気づけば雫の過度な敬語は段々薄くなってゆるい感じの敬語になっていた。ある意味敬う人間でないと断定されたと言う認識もできるが雫に限ってそんなこと思うはずない。と確信していた。


少しは楽しめそうな日になっていた。

新シリーズとして進めて行きたいと思います。よろしくお願いします!!

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