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まどろみ

作者: 秋葉竹
掲載日:2023/07/07


  


まどろみの昼さがり

窓を開け放ち

やわらかな風を迎えいれる

テーブルには八等分した白桃


その香りがとても甘い

まるで君の唇みたい

みずみずしくて

心まで蕩けさせる



キッチンから戻って来た君の

涼しげな笑顔の

唇をやっぱりジッとみてしまう


眉を顰めて

「なにかついてる?」

と聴くから


「なに、笑ってるの?」

と

質問に質問で返す



ふたりが歩いて来た道は

けっして平らかでも真っ白でもなかった

嵐に顔をそむけ

泣きたい道も歩いて来た



でも

夜は必ず明けたから

少なくとも今までは

明けて来たから



ふたりの目線の先にみえる白い光が

同じものだとはかぎらないけれど


ななめに歩いたって

逆さまに歩いたって

いいと想う


いずれ辿り着く

ほんとうにのゴールでは

ふたり笑っていよう



「早く起きてよね」


そうだ

起きないとあのみずみずしい

白桃を食べられない


けれど今のこのまどろみの幸せを

なんて君に伝えたらいいのかが


わからないから

起きられないまままどろみのなか








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