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廃工場にて  作者: Sigint
1/13

01

「なっ、言ったろ?」

 光一が笑って、転がっていた空き缶を踏んづけた。

「いないんだよ、幽霊なんて。ぜんぶでたらめ、ぜんぶウソ」

「でも、見たって言ってたんだよ、悟の兄ちゃんは」

 外の光の届かない、工場の奥のほうに目を細めながら、翔太がささやいた。

「はだかの女の人が、ふわふわ飛んでたって」

「こわがらせようとしたんだよ、オレらを」

 圭介が、ひび割れた窓ガラスを棒でつつきながら、言った。

「ムリにきまってんじゃん。子どもじゃないんだから、そんなウソつうじないって」

 暗がりの隅っこに、山のように積まれたバイクや自転車をぼんやり眺めていた光一が、大きなあくびをして、つまらなそうにその目を窓の外に向けた。

「もう帰ろ。ゲームのつづきやらなきゃ」

 圭介が、棒きれを放りだして、両手をはたいた。

「いいな、塾いきたくねえな」

「ちょっと待ってよ」

 翔太が、奥の暗がりに目をやりながら、歩きだしたふたりを追いかけようとしたときだった。

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