世界に関する諸情報
書きかけです。あとから書き足します。
1.『L'évangile des Noirs』における世界について
この世界は、基本的には我々の住む世界に依拠しており、世界の原理についての変更は、少なくとも顕在的な形ではほとんど存在していない。『ルノワール』という存在にまつわるいくつかの原理を追加しているのみである。また、この体系にある能力者は、世界全体の人口に対する発生率が極端に低く、多くの場合、能力者が人間であるという性質上、活動可能な地域、時代は局所的かつ比較的短期とならざるを得ない。歴史的に語り継がれる「英雄的人物」は存在するが、歴史の結果にまで破綻的な改変を及ぼすには至らなかった。もちろん、完全に同一の歴史をたどったわけではなく、たとえば戦争の原因や、王家のルーツが異なっていたり、我々の住む世界とは国境、民族、言語、イデオロギーなどが異なっていることがあり、そのような相違点が、我々の現実と作中の現実を明確に区分している。
2.作中世界における国家
以下、作中に存在する国家と、多少の関連情報を掲載する。基本的には我々の住む世界と同じ国名を採用しており、地理的関係や地名などについてはほとんど差異がないものの、あくまで我々の住む現実とは異なる世界のものであり、この世界に存在するすべての存在とは一切の関係がないことに留意すべきである。
・フランス共和国
第五共和制。こちらに存在するフランスとほとんど変わらず、民主国家である。特殊能力体系『ルノワール』の最初の繋ぎ手であるシャルルマーニュ(カール大帝)の実質的な故郷である。「協約国」の盟主。フランス科学アカデミー管轄下に「ルノワール技術研究所」(Le Laboratoire de Le-Noir Technologie, LLT)を持ち、世界の『ルノワール』研究の中核となっている。『ルノワール』という能力体系を基準に考えれば、まさしく世界の中心とも呼べる国家の立場を確立している。
・ドイツ統一国
機能主権主義のもとで、政権から人間を排除したドイツ。「協約国」の一角。機能主権主義とは、ミスや欲の多い人間という存在に権力を持たせることを良しとせず、十分に発達した機械による中央統治、十分に普及した携帯端末を利用した全国民参加型の直接民主制を中心とした、比較的新しい政治イデオロギーである。ドイツ国内では、中央コンピュータによる教育、職業、生活水準の最適化が行われ、すべての国民に平等な安寧が約束されている。
・アメリカ合衆国
“自由の砦”を自称する、現役の世界警察国家。冷戦期に『ルノワール』の使い手を大統領補佐官に登用したり、のちに発生したベーリング紛争において『ルノワール』を扱う特殊部隊を投入することで戦闘を短期化、外交努力と併せて核戦争を回避するなど、世界でも特に『ルノワール』の実践的活用に注力している国家である。第一次大戦後の戦間期から特殊能力行使者のスカウトを進めていて、総人口に対する『ルノワール』能力保持者の割合がやや高めとなっている。
・中華人民共和国
ソヴィエト連邦の崩壊後、世界に唯一取り残された社会主義国家。共産党による一党独裁が続いており、文化大革命の成功により、毛沢東自身による「教導」が長らく続けられていた。国家管理システムとして働いている北京の人工知能には、毛沢東自身の“ゴースト”が移植されているため、現在まで毛沢東の独裁政権が続いている、と考える者も多い。北京AIの判断によって国家運営がなされているが、依然として共産党員には絶対的な権力が与えられているため、機能主権主義にはあたらないとされている。
・日本共和国
戦後、アメリカとイギリスの指導のもとで民主化した旧帝国。機能主権的国家運営が部分的に採用されているが、基本的には機械と人間の協同政権を目指す方針をとっている。1990年代に日本共和党が永世中立を宣言し、憲法の改正や内政改革と並んで自衛目的での再軍備を開始している。『ルノワール』の行使者がヒーローのような扱いを受けていることで有名であり、特にサブカルチャーの発展が著しい東京、大阪などでは、半ばパフォーマンス的に警察組織内の『ルノワール』能力者部隊が設置されている。
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