039
お昼頃から校庭に出て催し物や屋台を見て
2号店てこれか。
柏木梢が屋台で焼きそばを振る舞っている。
「おうキズナ。お昼まだなら食べてくか?」
そうだね。そうしようかな。
柏木梢は男子2人に丸投げしてベンチに座り一緒に昼食。
いいの?
「うん。ちょうど交替の時間だからさ。」
14時頃文化祭実行委員用に利用されている会議室へと戻る。
この時間なら誰もいないだろうとの魂胆は言うまでもない。
パソコンにデータを移していると
南室綴。
「お疲れ様。何よそれ。二台も使っているの?」
わけのわからない事を言われて持たされました。
「どう?いい写真撮れた?ダメよ盗撮ばかりしていちゃ。」
え?苦情とかきました?
「何よ本当に盗撮していたの?」
それに近い事。
「ちょっと見せなさいよ。」
移したばかりのデータを開く。
「へー。」
「キズナをカメラマンにしたのは正解だったわね。」
僕を褒めたのではなく、自分の人員配置を自画自賛したような。
保健室にカメラを返しに行くが三原先生は見当たらず
職員室でお茶を啜っている。もしかしてずっとここにいたのか?
「で?どうだった?」
楽しかったです。カメラ任せなので簡単で。
「カード足りた?」
ギリギリ何とか。それでカードだけ今日一日借りてもよろしいですか?家で作業したいので。
「いいよ。やるよ。記念にとっとけ。学校の備品で買えるから。」
「新しいの1枚渡しておくよ。カメラもそのまま持ってろ。ほらバッグ貸すから。」
あ、はい。
「その前に何撮ったかちょっと見せて。」
カメラを渡すと
「本当に盗撮することないだろう。」
と笑ってくれた。
文化祭初日は事故もなく大きな問題も(多分)無く終了。
文化祭最終日
事前打ち合わせが終わると委員長に会議室に残るよう言われる。
何故だ。昨日何かしたか?盗撮のクレームか?
「真壁くんだったわね。今日も1日カメラマンお願いね。」
はい?
「聞いたわよ。素敵な写真撮っているって。」
へ?あ、いや今日は南室さんの代わりに
「大丈夫よ他の人に振り分けたから。」
「あの子ヘナチョコだから力仕事ダメなんですよ。て言われたから。」
ヘナチョコ・・・
「委員会で事務処理だけ押し付けられててウンザリしてない?」
「南室さんが言ったのよ。当日カメラマンさせてやってくれって。」
「彼の仕事はワタシが引き受けますって。」
そうだったんですか?僕がやりまますよ。
「だから他の暇人に振り分けたって言ったでしょ。」
暇人・・・
「まさか同じこと言ってくるなんてねぇ。さすが恋人同士ね。」
この人は何を言っておるのや?
午後、自分のクラスの演劇の準備が舞台脇で始まる。
その様子を撮っていると
「おうキズナ。」
栄椿が僕に気付く。クラスメイトよりも先なのはどうしてだ。
もうすぐだね。出来はどう?
「んー。リハは良かったけど皆緊張してるからなぁ。」
そうなの?
「特に絢ぽんが酷い。」
ええ?主役じゃん。
「舞台上がっちゃえば大丈夫だと思うけど。」
「あ、キズナ。緊張している絢ぽんを冷笑解してやってよ。」
冷笑しって言った。
「うへへー。」
何度も人前で踊っているのに。やっぱり違うものなのかな。
「本人に聞いてみ。」
体育館ステージ脇に登場人物が現れる。
「あ、キズナ君。見に来てくれたの?」
橘結は笑顔で声を掛けながら駆け寄ってくれた。
うん。ここから見るつもり。頑張ってね。
落ち着いているなぁ。やっぱり度胸がある。
対して小室絢は僕に気付きもせずソワソワと落ち着かずブツブツとおそらく台詞を呟いている。
小室さん?
「うわぁ何だっオマエかっ脅かすな台詞が飛ぶっ。」
ええっ?緊張しちゃってます?
「そそそそそんなことないっ。」
うわっカワイイなこの人。
お祭りの時なんて巫女装束で舞台で舞っているのに何を今更。
「あれは姫が主役で誰もオレなんか見てないから。」
僕は見てましたよ。
「んなっ。」
皆見ますって。小室さん綺麗で、とても素敵でしたよ。
「あ、アホかっ。」
照れてます?写真撮っておきましょうか。照れた小室さんもカワイイから。
「やめろバカっ。人の事バカにしてっ。」
バカになんてしていませんよ。誂っているだけですって。
「お、オマエ後で覚えておけよ。ボコボコにしてやるっ。」
そんなことしたら照れてる写真バラまきますよ。
「じゃあ今すぐボコ」
「絢ちゃんホラ。もう準備して。」
橘結が宥めながら手を引く。
「あ、うん。オマエホントに覚えてろよ。」
小室さんの照れているところをですか?
「この」
と殴りかかろうとする小室絢を橘結が笑いながら止める。
「アイツ泣かす。フルボッコして関節極めてやる。」
「はいはい。そうね。ほら今は舞台に集中。」
「んふーっ。そうだな。集中しないとな。」
2人は出番待ちで舞台脇へ。
「凄いなキズナ。」
うん?ああ小室さん?あの人はちょっと怒っているくらいが集中できそうかなって。
「キズナが本当に絢ポンに撲殺されるかと思ってハラハラしたよ。」
「そんな事言ったらダメーっもうヤメテーって心の中で叫んでた。」
直接止めて。
言葉遣いこそあれですけど小室さん乙女だろうなって思って。
「凄いなぁキズナは。怪獣手懐けて。」
そして幕が開く。




