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Kiss of Monster 01  作者: 奏路野仁
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まだ少しだけフラフラするのだが何日も休んでいられない。

翌々日には登校し、その足で保健室を訪れた。

ご心配ご迷惑おかけしました。

「まったくだ。」

本当にごめ

「本当にごめんっ。」

三原紹実は謝りながら突然抱きついた。

「今回の件は私の責任だ。本当にごめんなさい。」

何を言っている。

「キズナが狙われるなんて考えもしなかった。」

僕だってそうだ。

「私がちゃんと留学生の素性を」

ちょっと止めてください。あれは僕の自業自得で全部誤解からです。

それに僕もこうして無事ですから。

「でも怖かっただろ?」

寝てましたから判りません。

三原紹実は笑ってくれたがまだ僕を離さない。

もう一度強く抱きしめ直してからようやく離れて

「それで一つ気になった事があるの。」

何です?

「オマエ、綴に何かしたのか?」

何かって何です?

「いや杏とか結が泣くのはよくあることだから気にもしなかったんだけど。」

「あの綴が狼狽えた。」

「オマエ何したの。」

何つて何もしていませんよ。それこそ橘さんが心配したからじゃないですか?

扱いに困っただけですよ。

「いや。アレはそんなじゃない。オマエまだ私に話していない事があるな?」

何もないですよ。

「綴と最初に会ったのいつ?この前の橘んとこの会議だろ?」

クラス一緒ですから。その前の入学式には会ってます。

「ああそうか。その日公園で憑き物に襲われて綴が助けてくれたんだよな。」

そうです。

「あれ?じゃあどうして綴はキズナに惚れたんだ?」

惚れたとか本当に何を言っているのかこの魔女。


保健室から戻ると早速小室絢に

弟子にしてほしい

と頼んだ。

「弟子って。オマエ、オレを何だと思っているんだ。」

「急にどうした。前言ったみたいに姫を守りたいのか?」

それもある。だけどそこまで求めてはいない。

何より小室絢本人がいる。僕の出る幕ではない。

せめて、自分の身は守りたい。もう二度と誰も傷付けたくない。

「遠慮するな。これからはオレがお前も守ってやるよ。」

「オマエに何かあると姫が泣くからな。」

それこそ情けない。

女の子泣かすとか。挙げ句女の子に守ってもらうとか。

僕は極々当たり前の事を言った。つもりだった。

小室絢はこの時、「女の子」に過剰なまでに反応していた。

それを知るのはずっと後なのだが

彼女はどうやらそれをとても喜んで弟子入りを許可してくれた。

「でもオレより綴のがイイんじゃね?綴って教える上手だよな。」

南室綴に弟子入りしたら容赦なさそうで恐ろしい。とは言えず

クラス委員で放課後何かと忙しいだろうからと濁した。

「アタシが必殺技とか教えてやろうか。」

宮田杏は、何というか本能で戦うタイプのようで多分僕には真似できない。

「じゃあ姫が相手してやったら。」

「え?私?」

え?

「あ、お前姫の強いの知らないから。」

「姫ぽん超強いんだよ。」

「私達が姫ちゃんを恐れていたのって実は暴力的だからなのよ。」

「酷いわ。」

「ワタシ(南室綴)と絢ちゃんが同時に襲って、」

「そうね、そこに杏ちゃんが加わっても勝てるかどうかね。」

本気で言ってます?


道場に通ったらどうか。とも言われた。

それを断ったのは辛そうだったからではない。

僕は明日明後日にでも自分の身を守れるだけの技なりが欲しかったから。

なのだが

「何言ってやがる。強くなるまでオレが守ってやるからとりあえず体力つけろ。」

と、特に何か指導するでもなく、ただ「走れ」と言われた。

その日の昼休みから早速校庭を走らされ。

僕が戻るまで昼食を待っていてくれたのはいいのだが

とばしすぎたのか食欲がない。

「だらしない奴。それでよくもまあ姫を守るだのと。」

呼吸が荒くて反論できない。

「そもそも絢ちゃんはどうしてこの子に手を貸す気になったの?」

「んー。姫と似ているから。かな。」

「似てる?そう?」

「何というか、ほれ弱っちくて守ってやりたくなるような。」

「そこは似ているわね。」

「同級生男子って言うよりひ弱な弟みたいな。」

「それだわ。」

どれだ。

「コイツが姫を守りたいってのなら手伝ってやろうかなって。それだけだよ。」

地道にコツコツと基礎基本をから徹底的に鍛えるのは

時間がかかるようで最短の近道なのは重々承知している。

ただこの時は小室絢の両親の経営する「道場」はただの空手道場だとばかり思っていた。

僕が教わりたいのは「実践的」で「実戦的」な身の守り方。

「だからさ、せめて体力くらい姫並になってから言えよ。」

「そしたらオレが殴りかかってそれを避けて反撃する練習させてやるから。」

「殴られなくなるまで続けましょうね。」

ひぃっ


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