表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Kiss of Monster 01  作者: 奏路野仁
30/43

030

9月の「秋分の日」に何をしよう。

それは4月の入学式翌日の橘家での「宴会」。

あの宴会は、会議の打ち上げの宴会。

あれって宮田さん達が橘家の庇護を受けるために集まってとかかと思った。

「そんな事くらいで大人達が集まるかよ。」

「今年から秋分の日の行事を姫が任されたのよ。」

「もう高校生だからこの日はお前達に任せるって言ったのよ。私だけじゃないわ。」

「紹実の野郎がアタシ達にも手伝わせようってんで呼んだだけだ。」

昼と夜の長さが一緒の(実際は昼が長いらしい)日。

そして夜が長くなり始まる日。

橘家では特殊な日だと言った。

その昔、闇に追いやられていた「継ぐ者」を憐れむための日。

きつとヴァンパイアもそうなのだろう。

と彼にその話をすると

「この学校の魔女の考えそうな事だ。」

彼は、三原紹実が僕を通してエリクを巻き込ませようとしているのではないかと推測した。

僕は直接その会議とやらには出席していない。

三原先生にも何も言われていない。

それは考え過ぎだと思うよ。

「でもキミはボクに話をした。」

彼はこの類の「祭り」は世界中にあると教えてくれた。

魔女の「サバト」もお祭りの一形態に過ぎなかったらしい。

ただそれは同種族間での「集会」や「祭り」であって

他種族の異文化交流ではない。

エリクは大いに興味をいだいた。

「何かするなら力になる」

と言ってくれた。

その帰り道。

大通りから路地に入る。

以前、サーラ・プナイリンナが僕を拐いに待っていた場所。

そんな事は頭の中にない。ただの偶然か、ここが狙いやすいから必然なのか。

いつもより薄暗いとは感じたものの「秋分の日」が頭にあったからだろう

暗くなるのが早くなったな。程度にしか思わなかった。

足元に散らばる「それ」がロープの切れ端程度にしか見えないほど暗かったのに。

跨いで、一歩。

踵に太い針を刺されたような強い痛み。

僕はそれから3日目覚めなかった。


目覚めたの自分の部屋。

いつだったかのように身体も頭も重い。クララクラする。

何がどうなってベッドの中で寝ているのか思い出せせない。

記憶を遡ろうにも頭が働かない。

時計は4時。朝か夕方か。

机の上には鞄。中の携帯は充電が切れている。

プラグを入れてベッドに倒れ込むとそのまま3時間ほど眠った。

次に目を覚ますと三原先生とエリクがいて

魔女とヴァンパイアは仲良しなの?と口にしていたらしいが覚えていない。

「まだ少し毒は残っているだろうが直に消える。心配はいらない。」

朦朧としているが2人の会話が少し聞こえる。

「そう。処置は必要無いのね?」

「何もしない方がいい。」

「一応お礼を言って」

「やめてくれ。キズナがこうなったのはボクの責任だ。」

何がどうなったのか訪ねようと身体を起こしたいのに動かない。声すら出せない。

会話はやがて遠くなりそのまままた眠ってしまった。


ただの事故だった。

勘違いから始まった故意の事故。

サーラ・プナイリンナを襲ったメデューサの末裔。

彼女はあの日、僕がサーラを助けた。と思い込んだ。

ヴァンパイアのお姫様がただの人の子を連れているのがそもそもおかしい。

サーラにとって、僕は重要な存在なのだろう。と。

彼女はただ、サーラを誂う目的で僕を誘拐した。

サーラは再び来日する事は無いなんて知らずに。

帰りの遅い僕を心配した祖母が携帯を鳴らすが応答しない。

祖母は三原先生に連絡を取る。

普段遅くなる時は必ず連絡入れていたのがこの場合は幸いだった。

まだ夜も更けない内から各方面に連絡が回る。

南室綴

「今日は集まってないわよ。何かあったのね。」

柏木梢

「今日は一緒じゃいよ。何かあったんだな?」

6人がすぐに集まってくれた。

三原先生はエーリッキ・プナ入りンナ(学校の名簿から)に連絡を取る。

「数時間前まで一緒だった。まだ帰っていないのか。他の皆は。」

三原先生は事故の可能性を第一に考え救急病院に連絡をする。

南室綴、橘結、小室絢が僕の通学経路からその周辺、立ち寄りそうな場所を探す。

柏木梢、宮田杏、栄椿はファミレスから自宅までと園周辺。

エリクは彼の家から僕の家までを歩く。

そして揃ってあの路地に辿り着く。

宮田杏がグンデ・ルードスロットを呼び出してくたれのは本当に幸運だった。

「鼻が利くと思ったから。」

彼はそこで僕の痕跡と、何やら化学薬品のような匂いを感じる。

エリクは心当たりがある。と1人向かおうとするが足が無い。

柏木梢が三原先生を呼び、

三原先生は南室綴、橘結、小室絢の3人は引き続き街の中を探すよう命じ

グンデ・ルードスロットは彼女達の護衛に任命。

他4人が車に乗り込む。

向かったのは古いホテル跡。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ