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Kiss of Monster 01  作者: 奏路野仁
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それなりの覚悟はしていたのだが彼女達は軽い感じだった。

「ふーん。」

とかその程度。

「改まって話しとか何事かと思ったらさー。」

「もっとこうドロドロしたのとか思うじゃん。」

「せめてハァハァするような話しはないのかね。」

誰か別の人と勘違いしていませんか?

あのヴァンパイアの2人ですよ?

「誰と海行こうとなぁ?」

「そうね。私達が炎天下ガキのオモリしていたその時に」

「私達を差し置いて呑気に海なんかで遊んでやがったのはイラっとしているわ。」

そこ?

「他にどこよ。ああ今更土産話するってのもちょつとアレね。」

「行ったら行ったでメールくらいしろっての。」

え?だってあのヴァンパイアだよ?敵じゃないの?

「いや別に敵ってワケじゃないよな?」

「兄ヴァンパイアいい男じゃない。妹ヴァンパイア超カワイイし。」

あのヴァンパイアには気を付けろとか言っていなかったか?

疲れたのか飽きたのか、少しぐったりしかけた宮田杏が言った。

「なあマカベキズナ。オマエはアタシ達のトモダチだよな。」

え?うん。君達がまだそう思ってくれているのなら。

「アタシがオマエの知らない奴とかと海行ったらオマエどうよ。」

いやいや今回のは相手が

「じゃあ仮にだ。仮にアタシがあのワン公と海に行ったらどうだ?」

「相手なんか関係ないんだよ。」

「アタシは、アタシ達はマカベギスナを信じているから。」

「イイこと言った?今アタシイイこと言ったな?」

「言った。ちょっと物足りないから町内一イイ事言った。」

「せまいっ」

「猫娘のぉぉぉっ名言力はぁぁ町内一ィィィ。」

なんなんだ。

「写メとかないの?」

ああはいあります。

「うおっ何だこれっ。妹超カワイイじゃんっ。」

「アナタどうしてこんなカワイイ子と海なんか行けたの?」

「何でこの子の隣がボクじゃ無いのさっ。」

この人達はさっきから何を言っているのか本当に判らない。

「で?で?こんなカワイイ子と海なんか行ったんだから何かあったんだろ?」

「椿ちゃんは本当にこの手の話し好きよね。」

「は?こずちゃんは聞きたく無いんか?」

「耳毛が抜けるほど聞きたい。」

何もないですよ。

「そんなわけないだろっ。男と女が2人で海に行って」

いや兄もいましたから。

「むしろ兄と何かあったのか?はぁはぁ。」

栄椿はさっきからどうした。

「それで海の次は山か?川か?牧場にでも行ったか?」

「私達がガキのオモリの最中でデート三昧とかやっぱりちょっとシメとくか。」

それきり会っていません。

「え?あれ?海で何かマズったん?」

そんなのじゃないです。彼女は、2人は翌日帰国しました。

強がって笑って見せた。つもりだった。

彼女達は何も言わず席を立った。

僕にも立って席から出ろと手招きをする。

言われるままそうすると、彼女達は皆で僕をハグしてくれた。

ファミレスの中で、他のお客さんも見ているのに。


席に戻って海での話しの続きを聞いてくれた。

「イイなー。海イイなー。」

「溶ける夕陽の話しとかイイなー。砂浜の花火もイイなー。」

「楽しかったんだな。」

うん。

「じゃあプールなんて楽しくなかっただろ。」

「あんなカワイイ子の後にボク達じゃガッカリだろー。」

そんな。楽しかったです。本当に。

トモダチに誘われてプールに行ったのなんて初めてで

誘ってくれて本当に嬉しかった。とても楽しかった。

それでその、えーっと。皆さんの水着もとても似合ってカワイかったですよ。

「ちょっともう一回ハグしてやるから立て。」

いやいやいやいや

「ところで姫ちゃん達とはどうなのよ。」

どうって?

「一緒に海とか行ってないの?」

誘われませんよ。

「オマエが誘えよっ。」

それは無理ですよ。

「ダメだ。コイツダメ人間だよ杏ちゃんこずちゃん。」

「アンタが誘わないで誰が誘うのよマカベキズナ。」

皆さんが誘えばいいじゃないですか

「これだー。」

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