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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
カミルの街・激闘編
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キージーの帰還

マガナ商会の依頼で一人カミルの街を離れていたキージーが2日振りに街へ帰って来た。

マガナ商会への報告を済ませ、自身の居住でもあるパーティハウスへ向かう最中にキージーは異変に気付く、何かが臭う事に。

その吐き気を催す異臭はパーティハウスへ近づくにつれ強まっていった。

普段は行き交う人々で賑わっていた道に人の姿は無く、野良猫や鳥等の生き物すら居なかった。

(一体何が起きた!?)

高まる鼓動、そしておぞましい異臭、キージーは行くべきか戻るべきか悩んだ。

そんなキージーの足元に一匹のネズミが走り寄り、そして腹を向け倒れた。

(ネズミが倒れる程の異臭!)

キージーは覚悟を決めパーティハウスへと向かう。

もしハウスに仲間が取り残されていたらと考えたからである。

キージーの苦難は続く、ハウスが目に入る距離に来た瞬間から異臭のレベルが跳ね上がったからである。

(目までやられるのか!?)

キージーの目は刺激臭により涙が止まらなくなる。

キージーは顔面を布で覆い、片目を閉じ歩み始める。片目で限界まで歩き、その目が使い物になら無くなってからもう片方の目を開ける考えであった。

(着いた!)

必死の想いでパーティハウスへ到着したキージーの両目は腫れ上がり涙が止まらない状態であった。

「誰かいるのか!?」

もはやキージーにとって異臭の原因がパーティハウスである事は明白であり、パーティメンバーがなんらかの事件に巻き込まれた事は確かであった。

「キージーおかえり〜、ちょっと厨房借りてるよ」

(何故ヒナコデスがここに居る!?厨房だと!?これは料理の匂いなのか!?)

「ヒナコデス!うちの連中は無事だろうな!?」

「無事って、笑わせるなー。一緒にラーメン作ってるよホラ」

キージーが厨房を覗き込むと其処には楽しげに試食をする3人の姿があった。

キージーは驚愕する。何故なら長い付き合いである鉄壁テルーが楽しげに笑っていたからである。

厳格で実直なテルーが声を上げ笑った所をキージーは今まで見た事が無かった。

「ケタケタケタ!ラーメンうまー!イヒヒヒフヒフ!!」

「テ、テルー!大丈夫か!?」

「ラーメン最高!!ヒナコデス様次のラーメンを早く!!」

「ラーメンは世界を救う!!」

「サムソン!スラハラ!気をしっかり持て!!」

テルーだけで無くサムソンとスラハラの異変にも気付き動揺するキージーであったがテルーの一言により様子が変化してしまう。

「キージー、ラーメンはオデンより美味いよ、卵付きだよ?」

震えだすキージーの両手、ついさっきまで異臭と思っていた香りの何と香ばしい事か。

キージーはゆっくりと厨房へ入って行く。

「オデもオデンをコエル、オデもラーメンタベル」

キージーの腫れ上がった両目は血走っていた。

「ラーメン三剣士!キージーにラーメンを!!」

「イェッサーマム!」

キージーの目の前に出される見たことの無い異物、これがラーメンなのかとキージーは感動の涙を流す。

まずスープを飲もうとスプーンを取るキージーにヒナコデスは待ったをかける。

「キージー!スープを啜れ!!音を立ててだ!!それこそがラーメンの鉄則!!」

「ラーメン!ススル!オデラーメンススル!」

ジュルジュルと音を立てラーメンのスープを啜るキージーをヒナコデスは満足気に見ながら語った。

「スープを啜るなど初歩も初歩!麺を啜ってこそのラーメン道よ!精進せい!」

ヒナコデスはキージーからラーメンを奪うと麺を啜る、その豪快な音に皆が驚愕した。

「イェッサーマム!!」

四人の声が響くパーティハウス、B級北斗のパーティハウスがラーメンハウスと名を変える前日の事であった。


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