マシン
鉄壁テルーと二刀流のキージーを倒したロウジーの前に、以前出会った「あの男」が現れた。
おの時は領主からの依頼を突然キャンセルされた上、やたらと挑発的な態度でこちらの神経を逆撫でし、
結果的にその怒りをヒナコデスにぶつけたが故に手痛い敗北を喫してしまったロウジーである。
その男「カシム」に対して好意を持てる訳が無かった。
「なんの用かしら、私の方からは貴方にお話し等無いのですが。それとも私と戦いたいとか?」
「いえいえ、とんでもない。あのB級北斗の二人に勝った貴女に勝てる筈無いじゃ無いですか」
以前と違い丁重な態度を取るカシムであったが、ロウジーの受けた印象は以前と違う。
(こいつ...強い!)
前にあった時はただのムカつく男、しかし今の印象は強者。
自分の実力が上がった事で初めて理解できたカシムの強さであった。
(ラリアットを叩き込んでも躱されるイメージしか湧かない!)
「どうかしましたか?ロウジーさん」
カシムの実力を感じプレッシャーを感じるロウジーであったがカシムは気にも留めず話し始める。
「ロウジーさん、貴女強くなりましたね〜。ヒナコデスさんに勝ちたい一心で強くなったんですか?
でもこのままではヒナコデスさんには勝てませんよ。」
「な!?」
「貴女のラリアット、革命ラリアットとでも言いましょうか。打ち合いになればヒナコデスさんのウエスタン・ラリアットには勝てません。貴女のラリアットは連打前提、対してヒナコデスさんのラリアットは一撃必殺、どちらか勝つか言うまでもないでしょう?」
ヒナコデスへのリベンジの想い、そして自身のスキル名を見抜かれた事にロウジーは動揺する。
「何故ご存知なのですか?私のスキルが革命ラリアットだと」
「フフ、なんとなくですよ。ところで私はー今のままでは勝てませんーと言いました。つまりヒナコデスさんに勝つ方法を伝授出来ると言う事です。興味ありませんか?」
「....教えて頂けますかしら」
「貴女は感情を表に出し戦うタイプですが、それではヒナコデスさんには勝てません。何故ならヒナコデスさんも感情を表に出して戦うタイプだからです。同じタイプであればラリアットの優劣でヒナコデスさんが勝つ事になるでしょう。ですから貴女には氷の精神が必要なのです。この仮面を付け戦うのです。
この仮面を付けた瞬間から貴女は戦う機械、マシンレディとなるのです!」
機械の意味はわからなかったがカシムの熱い言葉に流れてしまうロウジー。
「さぁ付けて下さい、そして仮面を付けた後は喋ってはいけません、口にして良い言葉はガガガ、ギギギ、
これだけです!この縛りが貴女を更なる高みに連れて行ってくれる事でしょう!」
カシムには人の心を動かす才能があった。
もし日本に生まれていれば、健康食品や掃除機をテレビで売り込む仕事に就いていたであろう。
金利手数料も負担していたであろう才能であった。
ロウジーは仮面を手に取り見つめた後、装着する。
「おお!お似合いですよロウジーさん、いやマシンレディ!」
「ガガガ、ギギギ」
「後は私に任せて下さい、最高の舞台をご用意しますよ」
「ガガガ、ギギギ」
ロウジー、いやマシンレディは仮面を装着し高揚していた。




