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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
カミルの街
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プロジェクトウェックス3

冒険者ギルドからの出資を認められなかったウェックスは落ち込んでいた。

(工場さえ出来れば今の生産体制を2倍、いや3倍にし領内だけでなく王国全域にカミルポーションを売り出せるのに!!)

その夜ウェックスは酒を飲みながら新妻に愚痴をこぼした。

「工場を作る予算さえあれば!ヒナコデスさんを騙し騙し大量生産にこぎ着けてみせるのに!」

ウェックス、酷い奴であった。

新妻が言った。「借金して私達で運営しましょう、借金のあては私に有ります。任せて下さい。」

ウェックスの新妻ミユはそう言い、翌日には工場設立に必要な資金をウェックスの前へ用意して見せた。

「この金は一体....」ウェックスが尋ねるとミユは答えた。

自分は元々孤児院出身で、その孤児院を運営しているマガナ商会のマガナ氏から常々「何か困ったら訪ねてこい」と言われており、今回の話を伝えると無利子で費用を貸してくれたと。


ウェックスは冒険者ギルドの子会社としてマガナ商会からの借金を元手にウェックス商会を設立する。

ギルド傘下の商会ではあるが赤字を出してもギルドには迷惑を掛けない契約が結ばれる。だが逆に利益を上げた時はウェックス商会に充分な額が約束されていた。

プロジェクトチームのミートンとミネルバもギルドを退職しウェックス商会に参加する。

3人はヒナコデスのもたらすサボテンに人生を賭けたのである。


工場が完成するとウェックスはサボテンのエキスを瓶に詰める作業員として孤児院の子供達を雇用した。

子供達にも出来る簡単な仕事であり、子供達も給金を得て街で買い物を始める。

カミルの街が賑わい始めた。

冒険者ギルドからの受注に応えるだけで充分な利益を上げていたそんなある日、ヒナコデスが言った。

「左腕が痛い」

サボテン供給のやり過ぎであった。

サボテンを取り出し叩き割るまで次のサボテンは出せない。

ヒナコデスの延々と続く作業を我慢させる為、彼女の右腕側のテーブルにはありとあらゆるご馳走とお酒が並んでおり、右腕は食事で忙しい為左腕のみを駆使した結果、左腕が筋肉痛になったのである。


「工場が止まる...」

流通担当のミートンが呟いた。

(工場が止まれば俺たちは終わりだ。)

ウェックスは思った。新妻ミユの顔が心に浮かんだ。

その時、保管担当のミネルバが動く。

「誰かサポーターを!!」

ミネルバはヒナコデスの肩や腕を揉みながらヒナコデスに訴える。

「いや〜ヒナコデスさんやっぱりかわいいわよ!左側から見た感じが最近凄く良い!筋力とか関係あるのかしら?あとこのサポーター、二の腕の引き締めに効果的よ!」

ヒナコデスが左腕にサポーターを付けた瞬間、彼女は白目になり光を放ったが誰もが無視し見なかった事にした。

流通担当のミートンが突然叫ぶ。

「そうか!ヒナコデスさんが叩き割ら無くて良い方法にすれば良いんだ!」

2日後、工場内は大胆なレイアウト変更を実施していた。

ヒナコデスは二階の部屋から3つの穴へそれぞれサボテンを投下。

投下された衝撃で割れたサボテンを孤児達が1階で回収、瓶詰め作業にあたる。

効率は一気に上昇、生産体制が整いつつあった時、ウェックスに最後の試練が与えられる事になる。




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