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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
カミルの街
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B級「爆撃団」のニター

B級冒険者チーム「爆撃団」のリーダーであるニターは小柄ながら筋肉隆々としており、如何にも「戦士」といった風貌ながら実は魔導師である。

異名は「爆撃のニター」、彼が率いるチーム名も彼の戦い方から来ている。

ニターは火炎系魔法を得意とし、彼が可能とするファイアーボールの連弾は最大で10発。

これは人種の限界値ではと言われ、この事からニターこそが人種最高の火炎魔術師と呼ばれる所以となっている。

ニターは魔導師として一流であったが、本人はそれで満足する事は無かった。

魔術師は遠距離攻撃が基本であり、敵に接近されると不利になる為、パーティメンバーに守られつつ攻撃する事が魔術師の戦い方であった、しかしこれをニターは許容できなかったのである。

「魔導師が剣を使わないと誰が決めた」

10代の頃、魔導師の知人にそう言い放つとニターは剣術の修行へ入る。

背も低く、決して才能があるとは言えないニターであったが、彼には一つの才能があった。

それは「諦めない心の強さ」。

彼の20代は修行に費やす事になったが30歳になった時彼の人生は開花する。

剣士としては1流にはなれなかった。しかし2つの事から彼は1流冒険者となる。

1つは自身の火炎系魔法を剣に纏わせる事に成功し、炎の剣を使いこなす様になった事。

そしてもう一つが修行時代に知り合った双子の姉妹の存在である。

メグとグミ、二人の姉妹は剣士であったが、魔導師でありながら剣の修行を行うニターに感銘し、逆にニターに魔法を学び始める。

彼女らは魔導師としての才能は無かったが変わった能力に目覚める。

「魔力譲与」である。

愛する男の役に立ちたいとの想いがその能力を目覚めさた等と噂が立つほど、姉妹の得た能力はニターには有用だった。

最大10発だったファイアーボールの連弾は姉妹の協力により3倍の30発になった。

ファイアーボールの連弾は「爆撃」と呼ばれ、彼らパーティの異名となった。

ニター率いる「爆撃団」はニターの「爆撃」のみを拠り所とした3人のみの攻撃主体パーティであり、斥候役や回復役を持たない偏ったパーティだった為、ダンジョン探索等には向かなかったが、平地での殲滅戦や攻城戦等で活動、遂にはB級パーティとなっていた。


そんなニターが今苛立っているのは、目の前の男が原因である。

「だからハルバット卿からの依頼は解除だと言っている。違約金も出す。だから帰って良いぞ」

ハルバット領騎士団の副団長であるカシムからそう言われ、ニターは唸る。

(オークキング相手に爆撃を喰らわせ誘導しろって依頼に気合入れて来たのが、なんだこの肩透かし!)

「理由を聞きたい」

ニターはイラつきを抑えカシムに聞く。

「オークキングはどうやら討伐されたようだ。カミルの街には優秀な冒険者が居る様で羨ましい」

この時カシムは既にカミルの街で情報収集をすませており、自身の心を奪った女性がヒナコデスで彼女こそがオークキングを討伐したと確信しているがその事をおくびにも出さない。

ニターのイラつきは限界に達する。

(コイツ見た目!喋り方!見下した感じ!全部イラつくが一番腹が立つのがコイツに勝てる気がしないところだ!)

立場も容姿も実力も上の人間から「もう不要」と言われて我慢せざるを得ないニターは違約金を受け取ると

「最近来た余所者の冒険者」を探し始める。

カミルの街で3強と呼ばれるパーティでもオークキング討伐は不可能、ならば余所者が討伐したに違いない。

そう考えたからである。

結果直ぐに「血塗れフランケン」の噂を聞く事となる。

(血塗れフランケンだと?!舐めた異名しやがって!俺の爆撃で燃やしてやる!)

ニターはメグとグミを率い冒険者ギルドへ向かうのだった。

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