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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
カミルの街
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冒険者達

「血塗れフランケン」の行動は冒険者達の理解を超えていた。

冒険者登録が終わるとフラフラ自身が壊滅したC級ラング率いるパーティの元へ歩いていく。

(完全に叩きのめし所持金まで奪ってこれ以上なにを!?)

冒険者達は誰も咎める事が出来ない。

ハルバット領最強パーティ北斗を退けた怪物に誰が口を挟めようか。

!?

冒険者達は驚愕した。「血塗れフランケン」は何も無い空間から禍々しい緑色の物体を取りだしたからだ。

(空間魔法まで使いこなすのか!)

(なんだあの棘だらけの物体は!?まさかアレでトドメを!?)

(もう許してやってくれ!!)

冒険者達の驚きや祈り、そんな周囲の雰囲気をまるで気にせず少女が取った行動に冒険者達は更に驚き戸惑う。

少女は謎の物体を自ら踏み潰すと、二つに割った中身をフォークでこれでもかと掻き混ぜていく。

まるで生物の頭蓋を踏み潰し脳を凶器で刳る様な有様に冒険者の中には嘔吐する者が出始めていた。

(一体何をしているんだ!?)

冒険者達の混乱は次の瞬間ピークに達した。

少女はその「謎の物体」の緑に輝く不気味な「脳液」をC級ラングのメンバー達に飲ませているのだ。

誰もが目を離す事が出来なかった。

目を反らせば次に狙われるのは自分ではないかとの思いが消せなかったからである。

目を反らせないまま嘔吐する冒険者達。

嘔吐するが故に涙目である。


しばらくすると謎の脳液を飲ませられたラング達が目を覚ます。

しかし誰も声をかける事が出来ない。

ラング達が「俺たちの知っているラング達じゃないのでは?」との疑念が消せなかったのである。


そんな中少女がラング達に発した言葉「無かった事にしよう」

冒険者達は皆が涙目である。

だが誰一人として涙をこぼす事は無かった。

泣いている事が「血塗れフランケン」に気付かれたら、

「血反吐を吐くまで痛めつけられ」「有り金を全部取り上げられ」「謎の緑脳液を飲まされ」「奪われた自分の金で酒を奢られお礼を言わされ」「無かった事にされてしまう」

そう皆が考えたからである。

一人楽しげにラング達に話かける「血塗れフランケン」。

「ハッポーシュー」「リキュールハッボーセー」等と繰り返しているが誰一人として理解出来ない。

理解出来たのは恐怖。圧倒的な恐怖だけであった。

「ジャオツカレサマー」

謎の言葉を残して立ち去った「血塗れフランケン」。

冒険者達がふと見るとラング達は泣いていた。

その姿を見て張り詰めていた物が切れたのか嗚咽が響く冒険者ギルド。

冒険者達は恐怖から解放されたのだ。


その日の夕暮れ、カミルの教会は「ジャオツカレサマー」の呪い解除を希望する冒険者達で溢れる事になったがこれは別の話である。


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