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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
カミルの街
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クロエ2

クロエが初めて出会う「自身のスキル」が通じない相手に対して感じたのは「喜び」であった。

喜びを感じた理由、それはクロエがカミルの街に留まる理由である想い人は占い師であり、

その想い人から受けた予言は「カミルの街で貴方の能力が通じない初めて出会う相手に協力すれば道が開かれるでしょう」と言うものだったからだ。

「お前名前は?」

ケビンが尋ねるが返事は無い、ケビンが無視された事にクロエは思わず吹き出しそうになる。

「名前はなんだと聞いている!!」

「ヒナコデス」

「ヒナコデスだな」

「ヒナコデス・フランケンシュタイナー。俺の生まれた地方では名前を呼ぶのは家族だけだ。フランケンシュタイナーと呼んでくれれば良い」


(自分でヒナコデスと答えておいて呼ぶなとは、見た目だけではなく性格も破綻しているな。最も性格が破綻しているからこその見た目か。)

クロエは笑いを堪えていた。ケビンとヒナコデスのやり取りが滑稽だったが部下達の目の前で笑う訳にはいかなかったからである。

「フランケンシュタイナー、お前の目的は何だ?」

ケビンが最後の質問をした。この質問は返答次第では斬りかかるという暗号でもあった。

「王都で革命!いひひ」

不気味な笑いにより口内が緑色に染まっているのが見えた。


ケビンともう一人の兵士の震えは最高潮に達した。得体の知れない相手の想像外の目的と、スキル発動を停止してくれない上司の殺気に。

クロエの震えは最高潮に達した。既にフランケンシュタイナーに協力する事は決意していたが、それが王都で革命とは想像以上の事態であり自身の栄達は王都革命から始まるのかと考えると笑いを我慢する震えが大きくならざるを得なかったからである。

「オーディンも食べてみます?」

王都革命だけでなく宗教革命までやる気か!?

3人の震えが止まらなくなる。


クロエは早く一人になり笑いたかった。

「いや、やめておこう。フランケンシュタイナー、この街には冒険者ギルドがある。そこで是非冒険者登録をして欲しい。」

クロエは言った。王都革命を成功させるには名声が必要であり、名声を高める最短の手段が戦争で活躍するか冒険者として活躍するかだからである。

ケビンと兵士はクロエがフランケンシュタイナーを街へ入れようとしている事に驚愕したが、「カミルの誇り」であるクロエの決断には従うまでであった。

「判りました、訪ねてみます」

そう言うとフランケンシュタイナーは素直に指示に従って街へ入って行った。

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