表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
カミルの街
23/256

クロエ

カミルの街を警護する警護隊の隊長であるクロエは、カミルの街の軍事力のトップであり、

親友でもある街を治める街の責任者たる政務官のロビンソンと協力しつつカミルの街の発展に寄与していた。

個としての実力はB級冒険者をも凌駕すると噂され、警備隊の指揮能力も高く、「カミルの誇り」とも言われていた。

幾度となく王都軍の将軍へと推薦を受けるも、「親友が政務官を務めるカミルから離れたく無い」

と断り続けた為、カミルの人々からすれば「王都を守護すべき人材がカミルを守護してくれている」と感じたからだ。

そんなクロエは40歳を過ぎるも独り身で、名声も収入もあり若い頃より「美男子」と言われていた為、「結婚しようとしないのは親友のロビンソンを愛しているからなのでは」等と噂されていた。

実際にはクロエは年下の想い人がおり、単に結婚を断られ続けているだけなのだが。

そんなクロエが最近楽しんでいるのは親友ロビンソンの子供であるケビンの指導である。

若くして結婚した親友の子供、そんなケビンを指導出来る事はクロエにとって新鮮な感覚だった。

対等な立場な親友の子供を上から指示出来る、まるで親友の弱点を掴んだかの暗い喜び。

そう感じでいたのは何年前の事か、いつしかケビンはクロエにとって最も大切なの存在となり、「親友の子供」ではなく「自分の弟子」となっていた。


そんなケビンが自分に救援を求めている。

ケビンは自身が育て上げた一人の戦士であり例えB級冒険者を相手にしても引けを取らない自信はある。

そんなケビンが救援を求めるとは、一体どれだけの事件が起きたのか。

クロエは多少の不安を感じはしながらも自身の実力が故に、何が起きていたとしても対応して見せ、弟子たるケビンに危機対応とは何なのかと教えてやろうとかと考えつつケビンの元へと急いだ。


クロエが移動しつつ詳しい報告を求めると、危険分子をケビンが取り調べ室へ誘導したと部下の一人が伝えてきた。

取り調べ室を使ったのは半年前、賞金首の盗賊が街へ潜伏しようと変装し検問を通ろうとした所を、ケビンが発見し取り調べ室へ誘導、クロエが自身のスキルである「殺気牽制」で賞金首の動きを封じ、ケビンが一刀の元斬り伏せた時以来である。

ケビンが取り調べ室を利用するのであれば「命のやり取り」をする事になるなとクロエは少しだけ高揚している事を自覚しつつ部屋へ踏み込んだ。


取り調べ室に入ったクロエは混乱した。

(なんだコイツは)

鎧兜に身を包んではいるが、どう見ても布製でとても防御力が有るとは思えない。

街の外から来たと言うのに荷物が無い、武器も所持している様子が無い。

とても鍛えているようには見えないし兜越しにどうやら少女に見える。

靴は血に染まり、獣の肉片が付着し戦いの痕跡を思わせる。

だがこの少女が戦えるとは到底思えない。

クロエは一瞬ケビンの目を見つめると、その目の奥に「怯え」を感じた。

(それほどか..)

クロエは少女へ向け殺意を飛ばす。

自身のスキル「殺気牽制」により先制し、有無を言わさず拘束した後に尋問しようと考えたのだ。

クロエの「殺気牽制」これは相手に殺気を向ける事により対象者の怯えを誘い、一瞬では有るが行動を不可能とするスキルである。

一瞬で有るが故にスキルとしては評価が低いが、スキルの使い手が武術の達人となると話しが変わる。

一瞬でも相手の「時を奪う」事が出来れば達人には充分な勝機になり得るからで有る。


室内に緊張が走る。クロエの殺意に少女が無反応だからである。

(あり得ない...)

クロエのスキル発動に合わせ行動するつもりだったケビンは自身が震えているのを悟った。

隣にいる兵士の一人も震えている。

ケビン達にも圧力を感じさせる程の殺意、これを流す事が出来るのはどれだけの強者なのか。

そう考えると自然に震えて来たのだ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ