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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
闇夜の蛇
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帝都スラム街

ウェイジェイの屋敷で食事を終え、マホーナとナギーの案内で闇夜の蛇に接触出来そうな場所へ案内してもらう。徐々に往来の人影が減り、道の脇に建つ家々の傷みが目立って来るにつれ不安になってくる。

「なぁ、無法都市国家の強い人って怖い人かな?」後方を歩くナギーに聞いてみる。

返事が無いので振り返えると後方を歩いていた筈のナギーが其処には居ない。

「え?ナギーは?」

前方を歩くマホーナに聞く。

「ナギーは後方支援です、気配を消し見守って居ます」

「そうなんだ。んじゃマホーナに聞くけど無法都市国家の強い人って怖い人かな?」

「伝説のポーゴーですね、反乱を企てた部下を生きながら焼いたとか針の山に捕虜を投げたとか数々の逸話を残してますが30年以上昔の方で当時50代と言われてましたから生きていたとしても現在80歳、現役は退いているでしょう」

おお、そか良かった!なんか話聞いてるとポーゴーさん怖くて会いたくなかったから良かった!!

「ふーん残念、ポーゴーとやらを倒して俺の強さを見せつけたかったよ」

「ヒナコデスさん、『私』は辞めたんですか?」

マホーナ細かいなー、姑か?小姑か?

「まぁこれから戦いに行くからね、テンション上げていかなきゃならない時はやっぱり『俺』でしょ」

マホーナが俺の目をじっと見つめて言った。

「すみません、ちょっと何を言っているのか意味がわかりません」

ああ、マホーナよお前もか。お前も俺を小馬鹿にするのか。しかし俺はお前を見捨てたりはしない!

大切な仲間だから!

「いやごめんごめん、意味不明だったね!簡単に言うとその時の気分で『俺と私』使い分けしてるから気にしないで!」

「判りました、ところでそろそろ危険な地域に入って来ましたので私は此処で失礼します、後は真っ直ぐ進むだけです」

会話に気を取られている間に、道を挟む建物の傷み具合が酷い事になっている地域に入っていた。

あと100メートルも歩けばボロ家で出来たアーケードに突入する事になる、どう考えてもあの廃墟で出来たアーケード街が犯罪者の巣窟だろう。

「えと、マホーナ来ないの?私一人なの?」

「私は後方支援ですから」

「いや後方支援なら支援してよー」

軽い感じで甘えた声を出しマホーナへ追てこいアピールをしてみる。

「屋敷でベットのシーツ交換等の支援が有りますのでこれで失礼させて頂きます。では」

マホーナが返事も待たずに走り去る。マジかよ〜、一人でスラム街突入レポートかよ〜。

一人スラム街突入は正直イヤだ。怪談トークショウ的に言えば、嫌だなぁ怖いなぁ怖いなぁな気分だ。

しかし此処でスラム街の犯罪者達に冒険者ギルド爆破の罪を被って貰わないと大変な事になる気がする。

俺は覚悟を決め廃墟的アーケードへ突入した。

「おやぁ!?お嬢さん生足を剥き出しにして俺たちと遊んで欲しいのかい!?ヒーッヒッヒ」

チンピラA.B.Cが現れた!

チンピラAがいやらしい舌舐めずりをしている!

チンピラBがいきなり服を脱ぎ始めた!

チンピラCがニヤニヤ笑っている!

俺は反射的に服を脱ぎ始めたチンピラBにローキックを発動しようとして気付いてしまう。

何故俺のキック系スキルに『ハイキック』が無いのかを。

チンピラ達の身長は高く180cmはありそうだ。どう考えてもハイキックて俺の足が届く高さでは無い。

俺は正直言うと足の長さに自信が無い。胸のサイズと腰のくびれに自信がある俺のナイスバディが、トータルで見た時にセクシー度が圧倒的に不足している理由がそれだ。全体像で見ると健康美少女であって、セクシー美少女では無いのだ。

そんな足の長さに自信の無い俺に気を使って、ハイキックをスキルに入れて無いのだろう、この世界の神的な何かが。

「誰が短足じゃボケー!!!」

服を脱ぎ始めていたチンピラBの顔面へスーパーマンパンチを叩き込む。

チンピラBは回転しながら後方へ転がって行った。

「な!?」

チンピラBの吹き飛ぶ姿に驚くAとC、喉元がガラ空きだ。

Aの喉元へ逆水平チョップを叩き込む。チンピラAは逆水平チョップの威力で地面に叩きつけられ意識を手放す。チンピラCが何か言っているが耳に入らない、スキルが発動し左腕のサポーター位置を整えるのに夢中だからだ。チンピラCが刃物を出したが気にしない、ウェスタンラリアットは急には止まれないのだ。

ブレーキが壊れたヒナコデスなのだ。

チンピラCが刃物を振りかざす事でガラ空きになった喉元へウェスタンラリアット、俺の左腕を叩きつける。チンピラCはウェスタンラリアットを喰らい空中で二回転して頭から地面に落ちる。チンピラCの口からは泡が吹き出されていた。

騒ぎに気付いた人間がぞろぞろと廃墟から出て来る。もう20人は出て来たが一定の距離を保ち近づいて来ない。襲いかかって来ない分、逆に不気味だ。

とりあえず無視して先へ進む。道はどんどん汚くなる。突然首を蚊に刺される。刺された瞬間手で首を叩くが逃げられてしまう。暗い、汚い、蚊は大量発生、碌な場所じゃ無い。

今度は太ももを刺される。二箇所も刺されてイライラしてたら一定の距離を保っていたチンピラの内の1人が片手剣を振りかざしたながら襲って来たのでストレス解消の為にカウンターでの飛びヒザ蹴り、ヒナコデスニーをぶち込んでやる。俺はストレスが一気に解消した事を実感した。




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