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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
はじまり
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キージーの決意

キージーが意識を取り戻したのは口内の熱さによってであった。

「ブハッ!」

キージーは訳も解らず「おでんの卵」を吐き出した。

口内に卵を入れられ意識を取り戻すまでの数分で、キージーの口内は火傷を負ってしまっている。

意識を取り戻したキージーは、自身が少女に完敗した事を思い出し呆然とした。

(二刀抜刀のタイミングは完璧だった....だがあの少女には通じなかった。俺では奴に届かないのか!?)

自身の敗北に目を落とすキージー。

そんな彼の目に吐き出した「おでんの卵」が目に入った。

「おでんの卵」はよく味が染み込んでおり、茶色に輝いていた。

(そうか、アレを俺は吐き出したのか....。さっきの熱さの正体はアレか....)

「!?」

キージーは自分が口から吐き出したであろう物体を確認し、一度は冷静に観察する事が出来たが、その正体が「卵」だと判明すると愕然とした。

思い浮かんだのは多種族に卵を産み付け寄生させる「キラーアント」。

キラーアントに卵を体内に産み付けられた生物は、徐々に体内を食い荒され最終的に食い破られ死に至る為、

モンスターの中でも忌み嫌われている。

そんなキラーアント同様にあの少女は俺に卵を寄生させようとしたのではないか!?

たまたま吐き出す事が出来たがもし気を失ったままであれば....

そう考えたキージーは恐怖により嘔吐してしまった。

「!?」

嘔吐した事で吐き出した「モノ」それはキージーが見たことも無い緑色の粘体であった。

まるでスライムのような粘体には所々に棘が付いている。

明らかに気を失っている間に少女に飲まされたとしか思えないその「モノ」の正体が何なのか、

少女の目的が何なのかキージーには全く判らない。

「残るんじゃなかった....」

真正面に戦って死ぬのであれば許容できた、だが体内を食い荒され死ぬのは耐えられない。

キージーはポロポロと涙を流しながらそう考えていた。

ふと、自身の隠しポケットが軽い事に気付くキージー。

確認すると金貨を含め貨幣は全て失われていた。

ギルドへ戻れば口座から貨幣を引き出す事は出来る。冒険者が戦いの最中に所持金を落としてしまう事は多々ある事だ。決定的なミスでは無い。

そう自身を落ち着かせようとするキージーではあったが、彼の目から流れる涙は勢いを増す。

戦いで負け、得体も知れない卵を寄生されかけ、得体も知れないモノを胃に流し込まれ、有り金を全部奪われる。

B級冒険者としてのプライドが崩れて行くのを自覚しながらキージーは「あの少女」の事を忘れる事にした。

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