表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
パーティ対決編
186/256

酒場の英雄

帝都への帰り道は特に何事も無く、下り坂が多かったのでチャリンコで楽勝に帰れた。

冒険者ギルドの場所はもちろん覚えていなかったが、マホーナに先を行かせる事で無事に到着する事が出来た。さてラザライオンは幾らで買い取ってくれるのか楽しみだ。その金で派手に飲んでやる!!

俺は期待を胸にギルドの扉を蹴り開けた。賢い俺は過去の経験を生かし冒険者ギルドの扉は蹴り開ける事にしたのだ。こうする事で中に居る冒険者達の注目を集め、あわよくば絡んでもらい慰謝料を徴収してしまうのだ。これが小遣い稼ぎに丁度良い。さぁ来い冒険者供!今なら慰謝料に金利手数料も付けてやるぞ!

「ヒナコデスさん!無事でしたか!!」

あ、まぁまぁ槍だ。四天王とアスカとマイケルも居る。俺は自分の目が怒りで細くなるのを自覚した。

許せんよコイツら、俺の徴収力(チョウシュウリキ)全てを駆使して有り金全部、徴収してやる。地獄見せてやる。

「ヒナコデス!テメー馬鹿野郎!無茶しやがって!!このやろう!!」

うぇ〜!?四天王のリーダー面してたストレイツォが泣きながら文句言ってるよ!?

つか怒られるの俺の方なの!?

「ヒナコデス!アンタ私がどれだけ泣いたか判ってるの!?」

うぇ〜!?アスカも泣きながら怒ってるけど!?

いや怒るの俺の方だと思うんだけど....。

「ヒナコデス......良かった......本当に良かった!」

「ヒナコデス!!俺は!!俺は!!くっ!ありがとう!!!」

羽根盾、そして世紀末卵、お前らも涙目か。言っとくがお前らの涙目はビジュアル的におかしいからな?

羽飾りや世紀末な格好で涙を流すな、こっちが引くわ。

マイケルが後ろで感動的な感じの優しい曲を演奏し始めた。「カノン」のパクリだろそれ!

卒業証書授与かよ!!俺は生徒か!?卒業証書受け取るのか!?

「ヒナコデスさん、四天王の名を賭けた戦いは私達の完敗です」

してたっけそんな勝負、つかまぁまぁ槍、お前も涙止めろ。お前が卒業生代表か?

「ヒナコデスさん、貴女には四天王を超えた四天王、四天王の中の四天王の称号を贈ります!」

いや何言ってるのか全然わかりません。あとマイケル演奏やめろ。

「皆さん!聞いて下さい!此処に居るヒナコデスさんは私達『四天王フューチャリングアスカwithM』を救う為に、自らの命を省みずラジャの群れへ突撃し私達を逃すという偉業を達成したのです!この英雄ヒナコデスに四天王の中の四天王!四天王オブ四天王の称号を贈りたいと思うのですがどうでしょう!」

「良いぞー!!」「四天王オブ四天王!!」「よくやった!四天王オブ四天王」

待て待て待て待て!四天王オブ四天王ってそれって結局何人よ!?8人なの4人なの?意味不明過ぎるよ!

つか語呂も酷くない!?俺それで呼ばれるの嫌だよ!?

「ヒナコデス!ヒナコデス!ヒナコデス!ヒナコデス!」

だからマイケルそのカノンのパクリを止めろ!皆が涙目になってる!!雰囲気に呑まれてるよ!!

けどヒナコデスコールだよ、くそっなんか言わないとだよこれ、卒業生代表は俺だったよ!!

でもハッキリ言って、まぁまぁ槍なんかもう有耶無耶にされてるけど俺に酷い事したんだよ!?

俺が怒る立場なのにストレイツォとアスカには逆に怒られて!何だよこれ!やってられないよ!

こんな卒業式なんてぶち壊してやる!この支配からの卒業だよ!

俺は皆を見回し椅子の上に立ち上がった。冒険者達の目は輝き、四天王とアスカは周りの目も気にせず涙を流していた。マイケルは必死の形相になりながら演奏を続けていた。

「ども、四天王オブ四天王の日菜子です」

周りの雰囲気に呑まれたよ!!マイケルのカノンパクリにやられたよ!チクショウ!

「皆さんありがとう!ヒナコデスさん!ありがとう!今日はヒナコデスさんの無事な生還を祝って私達四天王が奢ります!!皆さん好きなだけ呑んで下さい!!」

「うおおおおお!!!」

「ウォーレン良く言った!!」

「流石四天王!!」

「よーし!!皆飲むぞー!!」

「さぁヒナコデスさん!此方へ来て乾杯の音頭を!!」

うわぁ...。なんかもう完全にまぁまぁ槍のペースで話が進んでるよチクショウめ。

こうなったらもう飲んでストレス発散するしかない!

「マホーナ、換金とか全部任せた。俺はもう今日は飲む!」

俺はマホーナにそう言うとギルド内の食事処カウンターでビールを受け取る。

「元気ですかー!!!元気があればお酒が飲める!!

飲み過ぎるとどうなるか、飲めばわかるさ!行くぞっ!イチ!ニー!サン!カンパーイっ!!」

長い夜が今から始まる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ