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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
パーティ対決編
179/256

ラザライオン1

冒険者ギルドを四天王フューチャリングアスカwithMが出て行った後に気づいた。

マイケルの演奏に乗せられた事に。少しだけ凹みつつも、勝てば良いのであろうの精神でギルドの受け付けカウンターへと向かい職員の綺麗な金髪お姉さんに話しかける。

「すみません、ラザライオン討伐クエストを受けたいのですが」

「はい、ありがとうございます。ランクカードの提示をお願いします」

は?何それ。カードなんて持ってないよ。

「あーすみません、カード無いんですけど」

「では冒険者手帳をお願いします」

は?何そのお薬手帳みたいなの。

「すみません手帳持ってません。でも冒険者としてカミルって街で大活躍したんです!ヒナコデス・フランケンシュタイナーって名前で登録されてませんか!?」

「登録??すみません意味がわかりかねます。普通皆様、冒険者手帳に討伐の記録をして職員に印を貰う形だと思うのですが」

金髪お姉さんが悪意の無い笑顔で答えた。

「何そのアナログ式!魔法のカードとかじゃないの!?」

「すみません、ちょっと何を言われてるのかわかりかねます」

金髪お姉さんが感情の読み取れない形だけの笑顔で答えた。

ぬおおお!!なんだよそれ!?

「いや、今までこれで冒険者やってたんだってば!あれだよ!ドラゴンゾンビだかゾンビドラゴンだかそんな奴だって倒したんだって!」

「あー...。おそらくその街のギルドでは職員がサービスとして手続きを全て行っていたんですね。冒険者が皆顔なじみな街ではカードの提示の必要も無いのでギルドで保管してある事があると聞いた事が有ります。冒険者手帳もその街のギルドに有るのでしょう」

金髪お姉さんは笑顔だが口調が明らかに会話を終わらせに来ていた。しかし俺は納得いかない。

何その余計なサービス!?手帳預かるなら説明しとけよ!

「じゃ俺の立場はどうなるの??」

「冒険者手帳の再発行で新規登録となります、以前の手帳が見つかった場合はその手帳の等級と新規の手帳の等級で高い方で認定されます」

お姉さんの口調は俺を排除にかかっている。マジかよー。

「新規登録でラザライオン討伐は?」

「F級は薬草採取か排水路の清掃しかありません」

お姉さん、最早目を見てくれない。

うおおおお!?何それ!!異世界ファンタジーに来てドブさらいなんてやってられっか!!!

ん?ドブさらい?何か最近聞き覚えが。

「お話し中失礼します、こちらを」

いきなりマホーナが横から割り込みギルド職員のお姉さんに何やら封筒を渡す。

「これは!?失礼しました。ヒナコデス・フランケンシュタイナー様、A級冒険者としての確認させて頂きました、此方の冒険者手帳とランクカードをお返しします」

お姉さんが黒革の手帳と銀色のカードを渡してくれた。

何?マホーナ何したの??賄賂!?

「マホーナ今のは???」

「ウェイジェイ様よりお預かりしていたヒナコデスさんの冒険者手帳とランクカードです」

うぉ!?何でウェイジェイそんなの持ってる!?偽造?偽造カード??怖っ!ウェイジェイ怖っ!

偽造ならその犯罪力が怖いし本物ならそのストーカー力が怖い。ストーカー規制法に引っかかる。

「これって本人の同意も無しに持ってこれるもんなの??」

「もしギルドが預かっていた場合、パーティメンバー以外は本人の同意無しでギルドから持ち出すのは無理ですね」

ギルド職員のお姉さんが答えてくれた。誰かパーティメンバーが俺をベイラー帝国に売ったようだ。

カシムだな。ロウジーは何だかんだで女王目指してたから金に困っていなかった。ラングは正式なパーティメンバーじゃなかったし。カシムめー!!!でもまー助かったから良いか。

「では!このA級ヒナコデス!ラザライオン討伐クエストを受けて進ぜよう!」

よく考えてみたらA級じゃなかったよな俺、実は同姓同名とか無いよな??

「ヒナコデスさん、どうやらA級として認めてもらえたようです」

ナギー今解説要らないから。

「マッソー!マッソー!」

「おおおおお!何てカッコいいんだサワーさん!!」

「ラザライオン何て相手じゃ無いと俺達に伝えてくれてるんだ!」

「何て慈愛に満ちたお姿!!」

「俺もやりたいぜ!」

「馬鹿!やめとけ!!アレをまともに出来るのはB級以上の実力があればこそ。C級以下の筋力と気迫では恥をかくだけだ!」

えーと。サワーは謎、んで冒険者達も何故サワーを崇拝してるのか謎。

「ありがとうございます!では手帳に記入をさせて頂きます」

お姉さんが手帳に日時とラザライオンの名を記入していく。アナログだ。

最後にお姉さんのサインと可愛い女の子のイラストが描かれた。ディフォルメしたお姉さんのつもりなのか?だがこのヒナコデス、デザイン系の高校を出た生粋の美術部女子!ディフォルメ自画像ならお手の物よ!!俺は素早くお姉さんの描いたキャラの横にディフォルメ自画像を描く。その間約10秒。

ゆっくりモードを駆使しペン先からインクを飛ばして着色も行う。素晴らしい出来だ。

鳥獣戯画から始まり浮世絵を経て遂には全ての存在を美少女化してしまう日本人のマンガ絵への飽くなき欲求!その血を受け継ぐ俺の画力に恐れ敬え!!

俺は出来上がったイラストをお姉さんに見せつける。

「ぶへっ」

吹かれた。


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