四天王との戦い
新たな仲間たちを引き連れ冒険者ギルドへ向かう。
よく考えてみたらフグリアン討伐はギルド通してなかったし、帝都での冒険者デビューはここからなんだなと、コイツらが帝都での心の友なんだなと感慨にふける。フグリアンのあいつらは冒険者として一緒に戦った訳ではなく遊んでやっただけなんだ。俺は遊んでやっただけで別にパーティを追放された訳では無いのだと考えながら冒険者ギルドの扉を開ける。
「あら、ヒナコデスじゃない。アンタもパーティ作ったの?」
ゲッ、アスカだ。四天王とマイケルも居る。マイケル又前と同じ様にバイオリン持って紳士的にお辞儀しやがった。うぉー何か会いたくなかった、コイツら。何かミジメな気持ちになってくる。
そんな俺の耳に入って来る冒険者達の歓声。
「おお!四天王最強のサワーさんが来てくれた!」
「まさか遂にサワーさんがパーティを組むのか!?」
「凄いぜサワーさん!ドブさらいとの日々から遂に動き出すんだ!」
「俺たちはサワーさんが立ち上がってくれる日を心待ちにしてたぜ!」
何か凄いなサワー人気、四天王最強ってホントだったんだ。あとやっぱりドブサライは強敵なんだな。
「くっ!サワー!お前がパーティに入ると言うのは本気か!」
あー、四天王のリーダー、名前なんだっけ鎌の短髪がサワーに突っかかって来た。
「マジだ」
サワー会話出来てるよ。俺ともちゃんと会話しようよ。後、本気かと聞かれてマジと答えるのは何なの?それで良いの?
「ヒナコデスさん、どうやらサワーさんとストレイツォさんの会話が気になる様です」
ナギー、鎌の名前教えてくれてありがとう!そうそうストレイツォだ。でもサワーとストレイツォの会話よりお前の解説が何故俺中心なのかの方が気になる。ヒナコデスが気になるっているようですって本人に解説するなよ!言われなくても判るよ自分の感情くらい!!
「言っておくが貴様を四天王とは俺たち四天王は認めていないからな!」
へっ?何それ??周りを見ると冒険者達も???って感じだぞ?大丈夫かストレイツォ??
「そうだ!四天王はオレ達四人の事だ!」
おお、卵割り世紀末男が出て来た!まぁまぁ槍と羽根盾も居る。
「まぁ今は四天王フューチャリングアスカwithMとして活動しているがな」
んー?ストレイツォ言ってる事なんかおかしくないか??
「なぁ、ちょっと良いか?」
俺はストレイツォに質問する。
「なんだ?」
「四天王ってのは皆が決める物で勝手に名乗る物じゃ無いんじゃないの?」
ストレイツォが明らかに怯んだ。
「まぁまぁヒナコデスさん、このベイラー帝国に存在するA級冒険者は我ら4人のみ、ですから我らが四天王なのですよ」
出たまぁまぁ槍、うざい。
「サワーさんA級冒険者じゃなかったのか!」
「馬鹿!俺たちの為にドブさらいを引き受けてくれてるんだぞ!ランク上げなんて無理だろう!」
「そうだ!大体サワーさんが本気を出せばA級なんてすぐなんだ!」
「ランク何て関係無い、最強はサワーさんなんだから」
おお、変質者だと思ってたサワーの人気が凄い。
あと量産型ドブサライがかなりの確率で危険な相手と確定した。
「でも皆んなサワーが四天王最強って言ってるし、やっぱ最強の人が四天王じゃ無いのおかしいって。
お前ら結局パーティ名が四天王なだけの自称四天王だよそれ」
なんか言っててストレス解消して来た。コイツら四天王にこだわってたから此処で完全に潰してこないだの恨みを晴らそう。
「なっ!?自称四天王!?」
「んじゃ俺達今からパーティ登録するけど、パーティ名「シン・四天王」にしたらどうする?
こっちには最強のサワー居るしそもそも4人だし、お前ら今6人パーティだよね?」
「シン・四天王だと!?そんな名前は許さない!」
「辞めろ!その名前は辞めろ!」
羽根盾と世紀末卵が食いついて来た。
「んじゃ元祖四天王にする。本家四天王でも良いか」
「おおおおお前!!!お前には品と言うものは無いのか!!!」
羽根盾が必死だ。
「当然元祖四天王リーダーであるこのヒナコデスが四天王筆頭と言う事になり、マホーナとナギーも四天王。んで君達は自称四天王って事で頑張ろう」
「待て待て待て待て!....勝負しろ....。四天王の名を賭けて俺達と勝負しろ!」
ストレイツォが食いついて来た、俺をパーティから仲間外れにした報いを今こそ受けさせてやる。
「無理、だってそっち6人パーティだから。6人で四天王の名を賭けるって言ってる時点で頭おかしい」
「うおおおお!俺達は四天王フューチャリングアスカwithMであって、あくまでも四天王と二人なんだ!!だから問題は無い筈だ!!」
「いやだって6人パーティじゃん。じゃ逆にもし6人パーティで四人の元祖四天王に勝ったとして、それって四天王って呼んでもらえると思う?」
「うおおおおおおおおおおおおおおおお」
勝った。ストレイツォを論破してやった。これで俺は今日からシン・四天王筆頭だ。
「まぁまぁヒナコデスさん」
出たまぁまぁ槍、コイツにいきなりローリングソバット決めてやろうかな。
「ここはひとつ穏便に皆でラザライオンの討伐に行きませんか?丁度西の湖の近辺にラザライオンが2匹も出現したらしく、近辺の村人たちが怯えているのです。どちらが先にラザライオンを討伐出来るのか勝負と言う事で」
会話の前半は穏便にと言いつつ最終的に勝負でって言いやがったよ!でもこの勝負を俺は受けたくてたまらない。何故ならば俺達の後ろでマイケルが凄く興奮する盛り上がる曲をバイオリン演奏しているからだ。
「受けて立つ!!」
俺の声はマイケルの演奏と共に冒険者ギルドに響き渡った。