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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
パーティ対決編
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帝都観光2

ウェイジェイの屋敷を出ると護衛として若い軽装な青年が付いて来た。

「ヒナコデスさん、こちらは私を離れて護衛して下さるナギーです」

マホーナが俺にナギーを紹介するとナギーは軽く会釈をした。

「ナギーはあくまでも離れての護衛なので気にしないで下さい」

「僕の事は無視して良いですよ」

ナギーが爽やかに微笑んで言った、カッコいい奴だ。

しかしマホーナ強いと思ってたらナギーが護衛に付くんだ、強いと思ったのは勘違いなのか??

「了解、ナギー、マホーナの護衛よろしくね」

とりあえずナギーの事は気にしない事にし俺達は歩き始める。

屋敷の周囲は閑静な感じだったのが警備兵が守るゲートを過ぎた辺りから急に人通りが多くなる。

「此処までが貴族のエリアでしたがこの門を通ると商業エリアになりますね」

マホーナが説明してくれた。どうやら身分制度がある国の様だ。あー帝都、帝都って言ってるから皇帝居る時点で身分制度有りなのか、なるほどねー。そういえば皇帝ハゲてたなぁ、俺の回復スキル「元気デスカー」で髪の毛回復しないのかな?もし回復出来たら凄い感謝されそう。でも皇帝のハゲ頭に手を当てて「元気デスカー」って叫んで髪の毛回復しなかったら絶対死刑になるな、皇帝侮辱罪とかで。ヤメておこう。

目的地がある訳でも無いので、人の流れについて行くと商業地区と思われる通りに出る。

「此処は〜商業地区ですね?」

俺の推理に間違いは無い筈だがマホーナに確認してみる。

「その通りです!ヒナコデスさん!此処はベイラー帝国で最も賑わう商業地区の入り口ですね!」

マホーナの反応が良い。商業地区に思い入れがあるのかも知れない。

「では早速行ってみましょう!」

「えっ?マホーナなんでそんなやる気マンマン?」

俺の問いを無視してマホーナが各店舗の説明を始める。最初に説明を受けた店は、帝都で今話題の武器を取り扱う老舗の武器屋だったが、俺は武器に興味がある訳でも無いので話に全く付いて行けなかった。

思えば俺は興味が無い事の話には付いて行けない女なのである。なので球技関係の話題には全く付いて行けなかった。野球の必殺技がホームラン、サッカーの必殺技がオフサイド、バレーボールの必殺技がレシーブ、ラグビーの必殺技がレッツトライ、バスケの必殺技がダンクシュートと必殺技は判るのだが、サッカーのワールドカップやら野球のワールドカップやらバレーボールのワールドカップやらラグビーのワールドカップやらワールドカップの話題が苦手で予選がどうのブロックがどうのとかさっぱりであった。

特にサッカーのワールドカップは4年に一度って言う割に日本代表が頻繁に試合やってる様な気がして釈然としなかった。

「この剣の買取価格がたったの銀貨50枚だと!?」

罵声に我に返って辺りを見回すと、一人の若い剣士が店員に今にも掴みかかりそうな勢いで迫っていた。

「おかしいだろ!?昨日そこの店で買った時には金貨1枚もしたんだぞ!?」

昨日買った剣を今日売りに来たらしい。俺は興味が無いので別の店を物色した。次に見つけた店は魔法系の装備を売っている様に見えた、店内には杖やローブが並んでいて魔道書と思われる本もあった。

「此処は〜魔法使いの為のお店ですか?」

マホーナに尋ねてみる。

「その通りです!ヒナコデスさん!」

店の商品の一つ、魔法使いの杖を手にする。これで魔法を使えるのかも知れない。

「ヒナコデスさんどうやら何かを見つけた様ですね」

影で見守るナギーの独り言がうるさい。独り言はもっと小さく喋ってくれ。

「これで俺も魔法が使える様になりますか?」

店内に居た偉そうなおじさんに尋ねてみる、おじさんは答えた。

「うーむお嬢さん、魔法は本人の魔力が無ければ使えませんぞ。魔力の有無は魔道士ギルドで判定してもらうしか無いと思うがのう。ちなみにワシは客じゃ」

むー魔道士ギルドかー。面白そうだ行ってみるか。

「ヒナコデスさんどうやら魔道士ギルドに興味があるようです」

影で見守るナギーの独り言に俺は「ハッ!?」と叫んでしまう。

自分の行動を先読みされると人は本気で動揺してしまう事を知った。

「では早速魔道士ギルドへ向かってみましょう」

俺は宣言し店を出るとマホーナに魔道士ギルドまでの案内を頼んだ。

「だって昨日だぞ!?昨日買った剣だぞ!?」

若い剣士が涙目で訴えている、まだやっているらしい。

もしかするとコレはゲームで言うところのイベントなのかも知れない。

あの剣を俺が買い取ってやる事で剣士と縁が出来るパターンか実はあの剣が伝説の剣で、めちゃくちゃパワーアップするパターン。しかし俺のスキルはプロレス、剣は反則だ。

俺は若い剣士を無視して魔道士ギルドへ歩き始めた。

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