表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
激闘フグリアン編
169/256

パーティを追放されたのでざますと言ってみる。

フグリアン討伐を成功した俺たちは、依頼者の爺さんの待つ村へ向かう。

帰り道は皆興奮気味に熱く語り合っていた、俺以外。

皆浮かれていた。「あの突きが決定打だった」だの...「いやあの鎌の一撃がトドメだった」だの...「あの攻撃を防いだのが勝因だった」だの...「ファイヤーボールマックスが良かった」だの...「結局はバイオリンが全てだった」だの...仲間同士での自画自賛。まるでわかっていない、まるで白痴。彼らの言葉の中に本質は無い。フグリアンクイーンの本質が見えていない奴らの戯言。所詮は似非なるパーティ。似非なる冒険者達。フグリアンクイーンは確かに強いのだろう、だが巨体な体故に巣からは出て来れないのだ、巣穴に殺虫剤撒けば勝てる相手なのだ。効くかは知らないけど。とにかくフグリアンクイーンよりフグリアンの方が活動的で戦うのは大変なのだ、毒液吐いてたし。お前らが簡単にクイーンの居場所まで行けたのは俺の休憩無し労働のおかげなのだ。「なあ、俺たち本格的にパーティを組まないか?」ストレイツォがアスカとマイケルに声を掛けた。「そうね、武者修行の旅で帝都に来てみたけど悪くないわね」アスカが答える。まるで熱血スポーツアニメの勧誘シーンだ、バックでは感動的な曲が流れている。マイケルが演奏してるから。

「マイケル、イッショ、ミンナトモダチ」マイケルがカタコトで答える、何か感動的な場面の様な曲が流れている。マイケルが演奏してるから。「おお!一緒に全国に行こうぜ!」ストレイツォが叫ぶ。

ファンタジー世界なのに全国なんだ。

そう言えば確かに全ての国同士の大会があったら全国大会だよな、日本語として全都道府県大会が正しいのか?ホントは??ファンタジー世界で全国大会って有りなのか?ストレイツォがアホなだけなのか??

俺の疑問を無視して会話は進む。

「ストレイツォさん、パーティ名はどうします?」

出たよ良い人ぶる「まぁまぁ槍男」こういう仕切る感じイライラするよね正直。

「四天王の名は捨てたく無いなぁ」

「同感!」

世紀末卵と羽根盾が被せて来た、コイツら立場弱い気がする、特に盾。

「私達パーティ入って四天王っておかしいでしょー?」

「シテンノウナイ」

「確かにな....」

「四天王の名は捨てたく無いんだよ!俺達はこの名前に賭けて来たんだよ!」

「同感!」

盾男が四天王最弱なのが何となく理解出来た、アスカに羽根毟られてたし。

「何か良いパーティ名は無いですかねー」

しょうがない、俺の知識チートの出番らしい。俺の知識でこの世界のバランスを崩してしまうかも知れないがこの位なら問題はないだろう。

「良いパーティ名があるよ、聞きたい?」

「六天王じゃダメか?アームド、エクセル」

「やはり四天王だろ?俺達は」

「こだわるわねー四天王に。気持ちはわかるわカッコ良いもんね四天王」

「シテンノウデモイイ」

無視された。

「無視するなよ!!凄い良いパーティ名付けてあげるから!!」

「ヒナコデス、アンタの決める時点で何か嫌な感じがするのよ」

アスカが冷たい視線を送る。俺が何をした!?

「これは俺の国の言葉で、今みたいな感じで四天王と四天王に後から加わる人達の事をこう言うんだ。

『四天王フューチャリングアスカwithM』と」

「四天王フューチャリングアスカwithM?フューチャリングって何よウィズエムって何よ」

「フューチャリングの意味は特に無い、アスカとやるぞって感じだ。ウィズエムのエムがマイケルを意味している、俺の国ではマイケルはエムだ。ウィズはマイケルとやるぞって感じだ」

「四天王フューチャリングアスカwithMか...悪く無いわね...」

「いや!良いよ!四天王フューチャリングアスカwithM」

「そうだな!俺達は今日から四天王フューチャリングアスカwithMだ!」

皆が盛り上がっている。

「俺も入れて四天王フューチャリングアスカwithM&ヒナコデスってのも出来るよ!?」

「長いな」「無いわね」「それはいいや」「無理」「厳しいですね」「ヒナコデスハダメデース」

皆から拒否された。

村でお爺さんにクイーンの話をしてマイケルが村を出る事を伝えると、お爺さんは慌てて拒否された。

「マイケルはこの村に必要な人間なのですじゃ!」

牧場経営にマイケルの誘導能力は魅力的だもんなー。

「しかしマイケル本人の意向を無視してはいけませんよ、どうでしょう金貨2枚を移籍金としてお渡しします、このお金で新たな冒険者を雇えば良いのでは?」

おーっと、まぁまぁ槍、金の力を使いやがった、つかそれ人身売買臭く無いか!?

お爺さん悩んでる、金貨2枚って200万位か、結構出すなー。

「わかりましたじゃ金貨2枚でマイケルをお譲りしますのじゃ」

お爺さんそれマイケル物扱い、完全なる人身売買。

「では金貨2枚をヒナコデスさんお願いします」

「ファーッ!?なんでー!?」

「パーティの新たな旅立ちにご祝儀をお願いします、ヒナコデスさん」

「テメー冒険者達から金ぶんどってただろうがよ!タコられないだけ良いと思え!」

「ヒナコデス、払いなさい」

「ヒナコデスアリガトー」

うぉ!?すっげー納得いかないけど蛍の光がバイオリン演奏で流れてて断れる雰囲気じゃ無い、見るとマイケルが涙を流して演奏している。卒業式か!?マイケルの卒業式なのか!?つか何故その曲を知っている!?

俺は涙を堪えつつ金貨2枚をお爺さんに渡す。

「ありがとうごぜいますだー」

皆が拍手をした、蛍の光演奏がクライマックスだ、俺のフグリアン退治も卒業だ。

村を出て帝都に向かう間、皆は四天王フューチャリングアスカwithMのこれからを熱く語り合っていた。

フューチャリングヒナコデスは誰にもフューチャリング出来ていない。

帝都に着いた後言われた。

「じゃ俺達は酒場で決起会をやるからヒナコデスも元気でやれよ!」

「アンタも頑張ってパーティ見つけなさいよ」

一人残されて俺は呟いた。

「悔しくなんか無いザマス!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ