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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
激闘フグリアン編
167/256

フグリアンクイーン1

「おい何無視して勝手にはじめてんだ!?」

鎌ストレイツォが文句を言って来た。文句はマイケルに言って欲しい。

「まぁまぁストレイツォさん」

槍はそれしか言えないのな。もっと気の利いた事言えよ。この事なかれ主義が。

「アンタ達揉めるのはクイーンを倒してからにしてよね」

アスカが羽飾りを毟り終え立ち上がりながら言った。盾男はうつ伏せになって震えている。泣いているのか?「俺もその意見に賛成だ、まずはフグリアンクイーンを倒すのが先だぜ」

世紀末卵男がフグリアンの巣を指差して言った。雰囲気がある男だ、コイツは出来る男に違いない。

俺もこの流れに乗ってイケてるチームに入るとしよう。

「俺の推理では、あの巣へ突入するしか手は無いな...」

敢えて『フレミング左手の法則』の形状にした左手人差し指でフグリアンの巣を指差す。大地を指す中指は電流を、仲間達を指す親指は力を、そしてフグリアンの巣を指す人差し指は磁力をだ!磁力が何故フグリアンなんだろう?ん?まぁ良いや。俺のカッコいいポーズに痺れやがれ!!

「巣に突入する以外に何があんだよボケが!」

「まぁまぁストレイツォさんアホは相手にしないで」

「ちょっとヒナコデス黙ってなさいよ」

「ヒナコデスさん、良い意見ですね」

「ううっ、羽飾りが....羽飾りが....」

「ハーッハーッハー、アタリマエネー」

あー!?ボケとアホと黙れ言われた!!マイケル喋れるんかい!!世紀末卵と盾は良い奴決定!

俺は怒りの逆襲を開始する、いわゆる論破である。

「ハァ!?ハァ!?ハァ!?突入するなら何も間違ってませーん!何言ってるんですかー?言葉わかりますかー?」俺は侮辱された怒りを跳ね返す為に両手の手のひらを広げ親指を頬に当てひらひらと動かしながら挑発した、これは効く、この挑発に乗らない親戚の甥っ子供は居ないのだ。

「俺達四天王が先に行くからお前らは後ろで見学でもしてな」

「まったくストレイツォさんも本気になるのが遅いんですよ」

「では行くとするか!先陣はガーディアンであるこの俺アームド・ボンドに任せてもらおう」

「回復と支援は賢者であるこの俺、エクセル・ブローズンに任せときな」

「見せてもらおうかしら、帝国四天王の実力とやらを」

なんか俺無視して話が進んでいる、羽飾りアームドって言うのか、羽飾り毟られた事は無かった事にしたのかな。てか世紀末卵は賢者なの!?賢者あんな格好しないよ!?その格好賢く無いよ!?

じゃなくて無視するなよ!!けど無視するなよと叫んだら負けを認める事になってしまう。

俺はゆっくりと頬に添えた手のひらの振りスピードを緩め、徐々にフェーイドアウトするが如く腰へと両手を移動させた。

盾男のアームドが先頭にフグリアンの巣へ入って行く。

「ほら私達も行くわよ!」

アスカに言われ俺もフグリアンの巣へ入る。木や葉っぱで作られたドームの中へ入るとやはりそこには地下へと続く洞窟が待ち構えていた。四天王達は慣れているのか躊躇なく洞窟へ入って行く。洞窟は地下へ斜めに続いていて、トラックが一台通れるサイズの大きさだった。

「ほらヒナコデスも早くダンジョンに入りなさいよ」

アスカの言葉に愕然とする。

「ダンジョンだと!?この洞窟のどこがダンジョンなんだ!?ダンジョンってのはもっと人工的な感じでスイッチがあったり隠し扉が有ったり!つまりはロマンがある所なんだよ!?此処ただのほら穴だよ!?」

「良いから早く入ってよマイケルも待ってるんだから」

ショックだ、俺のダンジョン制覇伝説、記念すべき一個目のダンジョンはほら穴だった。

奥へと進む俺達。確かに脇道はある、が脇道はすぐに行き止まりになっているのが脇道に入るまでもなく見えている。これは果たしてダンジョンと言えるのか!?迷ってこそのダンジョンだろう!?

「敵の気配を感じる、そろそろお出ましだな」

ストレイツォの声を合図に洞窟の先からフグリアンの集団が見えてきた。

いきなり走り出すストレイツォと槍男と羽飾り。羽飾りが盾でフグリアンを弾き飛ばした所を槍男が突きまくる。ストレイツォは鎌で次々とフグリアンの首を狩る。

「へぇーやるじゃない四天王」アスカの声が洞窟に響く。鎌も槍も酸で溶かされてないって事は凄い事なんだろう、三人が出来る事は理解した。けどな世紀末卵、お前はダメだ。両膝ついて両手を握り合わせての祈りのポーズ、そういうのは美人がやるから良いんだよ!世紀末暴走族がやってるんじゃないよ!!ただの命乞いだぞそれ!!

三天王の活躍でどんどん奥へと進む俺達、そして遂に洞窟の終着点と思われる場所にたどり着く。

そこは植物の蔦でゲートが作られており、明らかにそこをくぐればボス部屋ですよ的な場所だった。

「遂に着いたわねフロアマスターの間に」

ファッ!?フロアマスター!?フロアマスターって何よ!?フグリアンクイーンかマザーかそんなんだったよね!?俺は認めないよフロアマスターって!だいたい俺階段使ってないし!

「行くぞ!気を抜くなよ!」

うわぁ、なんだろこの疎外感。異様に盛り上がってるよマイケルと俺以外、マイケル君だけが仲間なのかもしれない。そう思った時だった、マイケルがバイオリン演奏を始めたのは。

「マイケルもやる気ね!」「頼んだぞマイケル!」「中々楽しませてくれるなマイケル!」

「マイケル!安心して演奏しててくれ!」「では行くとしますか!」

皆が蔦を潜りボス部屋へ向かう、最後の一人となった俺はやり場の無い怒りの全てをフグリアンクイーンにぶつける事を決めてから蔦を潜り抜けた。





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