表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
開戦
142/256

救出3

残り13体!そう思った瞬間視線の端にマシンレディが入る。

うぉ!?ラリアットで3体なぎ倒しやがった!!

クソ!俺もムーンサルトプレスじゃ無くてウエスタンラリアットするべきだった!

てか、倒れた虫怪人に殺到して大剣を突き刺す黒い仮面付けた集団が怖すぎるんですけど!!

何この人達!?マシンレディのオプションキャラ!?喋ってくれないし本気でこわいんですけど!!

とりあえず残りは10体!!次は誰だ!誰が行く!そうか!氷結サムソンの出番だな!!

俺は振り返ってサムソンを探す。サムソンは蹲踞の姿勢、いわゆるウンコ座りでしゃがんでいた。

「どうしたサムソン!?」

「イヤどうせ俺なんか役に立たないっスよ、今時氷結って...。結局皆んな炎か剣でトドメなんすよね?」

うお!?本気でどうしたサムソン!?何故今、此処でふてくされてる!?

「待て、待て、まて!どうしたんだ!サムソン!!お前のフリーズドライには期待してるんだぞ!?」

「フリーズドライ、フリーズドライ、寝ても覚めてもフリーズドライ!!てかフリーズドライって何なんですか!?」

ヤバイ、サムソン反抗期だ、どうしよう。

「良いっすよねー、スラハラは麺担当で。今や麺の達人ですよ、麺達!それなのに俺は今日もフリーズドライ、フリーズドライ!!やってられないっスよ!!」

だったら何故付いて来たサムソン!!うぉー今こんな事やってる場合じゃ無いのに!!

「すまん!サムソン!愚痴は後で聞くから!今は闘いに行かせてくれ!!」

「どうぞどうぞ、どうせフリーズドライなんて必要無いですもんね、氷結って時代でも無いし」

ぐおおおお!!めんどくせぇーーーー!!!

「ヒナコデス後ろだ!!」

ラングの声に振り返るとカマキリ男が俺に向けて鎌を振り下ろす姿が見えた。

躱してみせる!!そう考え左側へ重心を移動しかけた瞬間一気に凍るカマキリ男。

「話の途中で邪魔すんなよ」

うお!?スラハラなんかカッコ良いぞ!?スラハラの右人差し指がカマキリを指している、魔法を発動した後のポーズが決まっている!!


「おいどんは氷結魔法も使いこなすとでごわす!」

セイゴードンの魔法かーい!!

んじゃ何!?サムソンは愚痴ってただけ!?

お前何しに来たーー!!!!!

「いや、おいどんの氷結魔法はまだまだ甘かでごわすな!ワッハッハ!」

え?

見るとカマキリ男を覆っていた氷にヒビが入り始める。

「フリーズドライ製法!」

しかしサムソンの声が響くと供に氷と化して砕け散るカマキリ男。

すげーなスラハラ....。

「また失敗かよ!!お湯をかけたら元どおりになんて無理だよ!!」

涙を流しながら訴えるサムソンを俺は無視する事にした、残りは9体!

うぉ!?ラングが斧でクモ男を真っ二つにしやがった!!

うぉ!?あっちではテルーが蜂男に地獄突きしやがった!だから剣使えよ!!

え!?マールンなんでマウントポジションで殴ってるの??魔導師だよね??

アレ?カシム君、その新しい鎧は何?又ダンジョンの宝箱から手に入れたの?あーそう。

でもその鎧、俺にはどう見てもロボットが身に付けるフルアーマー系装備に見えるのよね、うん。

ミサイルっぽいのいっぱい付いてるしね、うん。あー撃つんだやっぱり。

つかねカシム君、ダンジョンの宝箱って言えば許されると思ってないか!?つかお前転生者だろ!?

カシムのホーミングミサイルで一気に敵が減る、最初から使えよ!!

「私の配下を倒すとはなかなかやりますな」

遠くから聞こえる声、どうやら喋る中ボスらしい。

姿が見えた、うわぁーゴキさんだ、ゴキさんに人間の顔付いてる。昭和の変身ヒーローの敵だよあんた。

黒い、そしてテカテカ、そしてトゲトゲしている。うへー。

しかしこの相良日菜子、スズメ蜂は苦手だがいわゆる「G」は別に苦手では無い。何故かと言えばそれには理由がある。

日菜子の家は築90年の一軒家で、木造をトタンで補強した傾いた家である。

最近ニュースにもなる所有者不明の廃屋、あんな感じの家だ。

古い家なので隙間だらけ、というか畳を剥がすと下は地面だ。壁には16インチ位のあなが空いている所もある。何を言ってるか判らないかも知れないが事実だ。

そんな家の一年で、夏はトタンの熱で室内は38度、クーラーを入れても隙間から冷気が逃げるのでマックス28度までしか下がらない。冬は室内の気温は外と変わらず、台所は氷点下に達しコップの水が凍った事もある。よって冬は家族全員、動ける寝袋を着て室内に貼ったテントで眠る。

そんな隙間だらけの家に猫が3匹、16インチの穴からは野良猫も侵入してくる。

そして俺の父ちゃんはアシタカ蜘蛛をアシタカ様と呼び家に放っている。

結果、相良家は暑さ、寒さ、天敵種の存続と、ゴキさんが住める環境では無く、2年前に一度紛れ込んだゴキさんもヨタヨタと弱り切った所をお母さんに手づかみで外に投げられていた位だ。

つまり、この相良日菜子は弱りきったゴキしか見た記憶が無く、それ程恐怖を感じ無いまま育った為学校等でゴキさんを見た時も「あれ?早いな〜」と思いながらホウキで叩いた位の感覚なのである。流石にお母さんのように素手でやるのは異性の視線を気にしてやめた。

あーでもデカイと流石に嫌悪感かるねー、顔もおっさんだし。

「ですが所詮は人間です、皆さん食い千切って差し上げましょう」

うゎーおっさん喋り方ウザ!!もう良いです、誰か退治してー。

そう思っていたらおっさんの口が大きく開き、顔が開く形でキバだらけの口だけオバケになる。

うわぁーゴキの口だけオバケはグロいわ、流石に無理!

俺はむき出しになった口内へ熱線レーザーを発動しこの周囲の魔族を殲滅する事に成功した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ