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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
開戦
141/256

救出2

カシムの体に蜂男のお尻から伸びた太い針が刺さっている。

「グゲゲ...」嫌な羽音をさせる蜂男が笑った気がして俺の視界が赤く滲む。

「テメー!!」

別の蜂男が更に飛来してカシムの体に針を突き刺す、俺の意識は笑った蜂男に集中し過ぎソイツには気付く事が出来なかった。2本の腕位はある巨体な針に突き刺されたままのカシムは微動だにしない。

俺は頬が痙攣するのを止められない。袈裟斬りチョップだ、袈裟斬りチョップで!!

その時カシムの声が響いた。

「魔族のお二人さん、覆面レスラーがメインのマスクの上にかぶるオーバーマスクをご存知かな?」

うぉ!?カシム生きてた!つかこの世界に覆面レスラーとか居ないよね!?どういう意味だ!?

「私はメインのボディの上に、オーバーボディというのをきているのだ」

針の刺さっていた部分を中心に超合金カシムにヒビが入っていく!

「おわーっ!?超合金カシムの体が破れて中から金色鎧のカシムがー!!」

俺が叫ぶと同時に二体の蜂男が真っ二つに割れ崩れ落ちる。グロい!グロいよカシム!

緑色した血液?を吹き出して地に落ちている蜂男の死体。崩れ落ちる瞬間の映像を俺のゆっくりモードが捉え脳裏に焼き付いてしまった。落ち着け俺、アレはカニだ!もしくはエビだ!グロくない!グロくない!

仲間の血の匂いに興奮したのか虫怪人供がギャーギャー喚き声を上げ始める。

「今ならまだ間に合います、一刻も早く兵士達から引き離しましょう」

カシムの言葉で我に帰る。そうだったコイツらを殲滅しに来たんだった。

俺は此方へ向かって来ていたクモ男目掛けて走る。

クモ男は口から何か吹き出してくる、俺はソレを右に踏み込みつつ躱し、その勢いを維持し左側へジャンプ、クモ男の口目掛けてヒナコデスニーを発動させる。

膝へ走る会心の衝撃!クモ男の口から生えていた2本の牙が折れて吹き飛んでいる。

クモ男はカマキリより柔らかい!!ならこのタイミングで行ける!!

俺はヒナコデスニーの勢いを維持し今度はクモ男の肩を足の裏で蹴り飛ばし空へ舞い上がる!!

「喰らえ!ムーンサルトプレス!!!」

ヒナコデスニーと俺の足裏キックで倒れたクモ男の大きな目と俺の視線が交差する。

次の瞬間、俺はクモ男の口から出た糸でぐるぐる巻きにされていた。

「ギャー!!!ヤバイヤバイ!!やっぱムーンサルトは地雷だった!!タスケテー!!!」

「フォンフォンフォン、何をやっておるんじゃ。ホレ」

魔術師マールンが指先から炎を出し器用に糸をぶち切ってくれた。

同時にクモ男の首はケルベロスによって食い千切られ、クモ男は崩れ落ちる。

「マールン!助かった!」

クソ!油断した!ポカした!!ポカやりすぎた!!

まだまだ敵は居る!汚名挽回だ!!

敵は完全に俺たちに狙いを定めて威嚇音を発している。

ウェックスがセイゴードンに兵士達を回収させポーションを飲ませて回復させている、流石ウェックス!

とりあえずバッタ男!お前が次の餌食だ!!クモ男は他の奴に任せる!!

俺はバッタ男へ向け助走する、バッタ男も両手を広げ走って来た。

何ソレ!?バッタ男そっからどうする気!?噛みつき!?噛みつき攻撃!?うぉ!?飛びやがった!!

空に飛び上がるバッタ男、下から見ても気持ち悪い。黒い!テカテカしてる!

ってバッタ男が飛び蹴りの体勢で降ってくる。

「テメーが蹴り技やってんじゃねーよ!!!」

俺はゆっくりモードで蹴りを回避しつつローリングソバットでバッタ男を迎撃し大地へ叩き落とす。

大地に落ちたバッタ男の背後へ周り羽根が開かないよう両腕で固定しつつ後方へ高速ブリッジ!

グシャリと音が響く。俺の高速ジャーマンスープレックスでバッタ男の頭が飛び散る。

グロい!嫌だ!グロい!えと、そうカニ味噌!コレはカニ味噌!!ウヒョー美味そう!!


立ち上がって周囲を確認するとカマキリ男の鎌がマールンを襲う瞬間だった。

「避けて!」

祈りの様な俺の叫び、マールンへ振り下ろされる鋭い鎌。

マールンのローブが斬られマールンの顔が露出する。アレ?

次の瞬間マールンのハイキックがカマキリ男の顎を打ち抜く。アレ?

崩れ落ちるカマキリへ左手を向けるマールン、左手から凄まじい炎が吹き出しカマキリは黒焦げになる。

マールンの顔が凄い凛々しい!?前は只の爺さんだったのに今のマールンは伝説のスパイが年取ってすっごいカッコいいお爺さんになったみたいな感じだ!つかマールン元々伝説の冒険者なのか、なら同じか。

「フォンフォンフォン、どうしたんじゃ?ヒナコデス、敵はまだおるぞ?」

そうだった、ハイキックを気にしてる場合じゃない。

敵は20体、カシムが2体、俺が1体、マールン1体、犬のケルベロス1体か、まだ15体も居るのか!

熱線レーザーは弾くし、毒霧と爆破系は兵士達巻き込むから使え無いし、クソ!!

「元気デスカー!!」「ダーー!」「ショアー!!」

とりあえず範囲回復と支援スキルを使いつつバッタ狙いだ!

敵の位置を確認しようと見渡すと、虫男達は太い糸に縛られていた。

「麺縛りを発動した!その麺は簡単には千切れんぞ!!」

ラーメン三剣士の麺担当スラハラが追いついて来た様だ、敵を指差して叫んでいる。

「スラハラ!良くやった!!でも食べ物で戦うのはダメだぞ?この後麺は美味しくパーティで頂かないといけなくなるから」

「ヒナコデス師匠!アレは僕の魔力ですよ!」

うお!?魔力ってあんな感じなのか!!初めて知った!!この世界の強者の背後には麺が伸びてるのか!

今後注意して見よう。

動く事の出来ないバッタにテルーが大剣を持って突進する。そしてバッタ男の胴体に此処からでも分かる位の重いミドルキックを放つ。バッタは蹴りの勢いで地面に叩きつけられ、テルーはその喉元に大剣を突き刺しトドメを刺した。最初から大剣使えよ!?ミドルキック必要あったか!?俺が言うのもなんだけど。

髭を剃ってすっかりアイドル系イケメンになったキージーが二刀流で走り込み一気に2体の怪人を切り捨てる。お前はソレで良いや。

徐々に俺たちは優勢になっていた。

ヒナコデスのボケで書いたつもりの汚名挽回、最近では間違いじゃないって説もあると知ってビックリしました。同時にボケ一個潰された!って憤りを感じました。

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