エピック平原の戦い2
敵の群勢が見えて来た、距離で言えば2キロ位先なのか?
高校の運動会の集団が一個、二個、八個位あるんじゃない!?あんなに多いの!?
まぁレーザー熱線で瞬殺だけど。
「マズイ!!あの距離からファイアーボール放ちやがった!!高位の魔族がいるぞ!!」
「アイスウォールを貼る!!アイスウォール!!」
なんか王都で紹介されたA級冒険者達が騒いでいる。熱耐性スキル持つ俺には関係無いな、
レーザー撃つため防御壁の先に出とこう。
「ヒナコデス!退がれ!!」
「でぇじょうぶだ!オラに任せとけ!」
空を見上げると丁度ホームランボールみたいなのが多数飛んで来るのが見えた。100個位あるな〜。
来た来た!アイスウォールに当たって凄い音してる!アイスウォールにヒビ入ってるけど大丈夫かな?
おお俺の所にも来たな〜、近くまで来ると判るやっぱり野球のボール位かな?
「ぐぇ!!!」
ファイアーボールが当たった瞬間、顔面に受ける衝撃と痛み。
「いったーーー!!!!!」
なんだコレ!?めっちゃ痛い!バレーボールを顔面で受け止めた時の痛みと同じだよ!!
つかファイアーボールって火の玉だよね!?顔当たってかき消されるんじゃ無いの!?
「おい!痛いよファイアーボール!!どう言う事よ!?」
後方に居るラングに確認する。
「ヒナコデスは何言ってるんだ、ファイアーボールって当たれば痛いに決まってるだろ?
ボールなんだから」
んご!?確かにボールって名前だから当たれば痛いのは当然なのか?なんか納得いかねー。
「だったらファイアーアローは刺さるのか!?」
「こんな時に何言ってるんだヒナコデス、当たり前だろ?アローなんだから」
うお!ラングに憐れみの目で見られた!!ちょームカつく!!
「マズイ!!追撃が来る!!アイスウォールが持たない!!」
え!?また来るの!?もうイヤだよ顔面レシーブ!!
俺は無限リュックからフライパンを取り出し一本足打法で構える。
飛んで来るファイアーボールにロックオン、もちろん安心のゆっくりモード発動だ。
引きつけるだけ引きつけ、腰の回転で打ち返す!!いっけーーー!!!
辺りに響く破壊音、アイスウォールが砕けた様だ。チクショウ!俺のこの一撃が反撃の狼煙だ!!
思いっきり空振りした。
思い出した、俺は球技が苦手だった。
でかいオオカミなら打ち返せたけどボールサイズは無理だ。
俺は舌打ちをしてフライパンをリュックへ戻す。
「うぅ...」
後方を見ると何人も呻き声を上げ倒れている。辺りに漂う焦げた匂い。炎に包まれたまま悶えている兵士も居る。
コレはやばいのかも知れない、俺は倒れた兵士達へ口に含んだペットボトル水を吹きかけ消火しつつ範囲回復スキルを発動する。
「元気デスカー!」
おお、動き出した元気出た様だ。つかマズイなコレ連発されたら壊滅的だぞ!?
人間辞めるのも嫌だけど、敗戦の責任取らされる方がもっとイヤだ!
「みんな!目を閉じろ!必勝の策を施す!!目がやられるぞ!」
と言いつつの熱線レーザーでなぎ払い!!
んでもって後は突っ込む!!
「皆!火計は成功だ!!全軍突撃せよ!!」
「うおー!!!」
俺は全力疾走で突っ込んで行く。
100メートル程走って気付く、遠い事に。全力疾走は無理だ!!2キロも走ってられるか!!
俺は無限リュックからママチャリを取り出し乗り込む!必殺のママチャリアタックだ!
ぐんぐん近づいて来る魔族、なんかゴブリンがいっぱい倒れてる、グロい!!グロいよ!!
急ブレーキしてママチャリから降り、リュックへ収納する。
無理!あのグロい中突っ込むなんて俺には無理!後は任せる兵士達よ!
後ろを振り返ると誰もいない、ママチャリ早すぎた。そして生き残ったオークやらゴブリンがじわじわと近づいて来る。げ!マジかよ!!囲まれたら流石にヤバくないか??ヤバイよな!?
俺を囲い込んだ魔物供へ本気毒霧を吹きかける。
囲まれてもヤバく無い様だ。バタバタと倒れる魔物達。グロいな〜泡吹いてるよ。
「そこのデコ頭!中々やるな!」
は!?デコ頭!?思い出した、昨日前髪ぱっつんに切ったんだった。
「ワシが直々に相手してやろう」
声の方を見ると2メートル超えの鬼みたいのが鎧着てしゃべっている。
「おい魔族!あんた今、俺のこの頭のことなんつった!?」
「デコ頭だよデコ頭!それとも出っ歯の方が良かったか!?」
「ぶっ殺す!」
俺はソイツめがけて全力疾走しジャンピングニーパッドを発動する。
ソイツの胸部にジャンピングニーパッドは炸裂し、俺の膝に激しい衝撃が走った。
「グボっ!」
ジャンピングニー一発で倒れない魔族、今まで戦った誰よりも強いのが判る。
しかし!ジャンピングニーパッドの可能性を舐めるなよ!!
俺は地面に着地するのなりジャンピングニーパッドを再発動する。
「ゼロ距離でのジャンピングニーパッドだ!」
ソイツの顎を撃ち抜く俺の膝。技という物は指の角度が違うだけで別の技になると言う偉人の言葉を思い出した。「ゼロ距離でのジャンピングニー、ヒナコデスニーだ!!」
カッコいい!決まった!!
ヒナコデスニーの威力で片膝をつく魔族、今だ!!
俺はソイツの片膝を足場に再度必殺のヒナコデスニーを喰らわせる、膝に感じる何かか貫通したような、真を撃ち抜いた感覚、崩れていく魔族。ヒナコデスニーの威力は絶大だった。
突撃流れる頭の中のメッセージ。
「シャイニングウィザードを習得しました」
ヒナコデスニーだって!!ヒナコデスニーなの!!指の角度違えば別の技なの!!
「.....ヒナコデスニーを習得しました」
俺はヒナコデスニーを習得した!
俺が倒した奴がボスだったのか、雑魚どもがジリジリ逃げ出そうとしている。
逃すとマズイのかもな。そう思った瞬間ソイツらに降り注ぐ火の玉の雨。
後方を振り返ると味方が迫っていて爆撃団のニターとアイスウォールばっかりだったA級ムートンが高射砲と化していた。どうやら俺の出番は終わった様だ。軍師ヒナコデスの火計は大成功だった!