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異世界フランケンシュタイナー  作者: 雪村宗夫
動乱
122/256

王都への道

決起軍の軍師に任命され、ハルバット辺境伯から1000人の軍勢を借り受けた。

これって凄い事の様な気がしてきた。

今はハルバット領から隣のなんとか男爵領へ移動中だ。

地図で見せてもらったら、ハルバット領って本当端っこなのね。

最前線が王都挟んで逆側で、ちっさい貴族の領地をいくつも通って王都に着いてそれから最前線だってさ。

このカミル軍は歩兵ばっかりで騎兵は指揮官クラスが乗ってる位、荷物運搬で馬車が10台位ついてきてるけど、とにかく進行スピードが遅い。王都まで10日位掛かるらしい、怠い。

ちなみに俺はママチャリだ。軍勢の中にママチャリ1台、確かに違和感があるが徒歩は怠過ぎる。

だからママチャリなのだよ。

しかしママチャリ乗って呑気にサイクリングしてるけど、よくよく考えたらこれは戦争じゃね?

俺って戦争するの??

思えば中学生時代、頭の良い女子アピールをする為に読んだトルストイの「戦争と平和」。

読んだ筈なのに内容が全く記憶に無かった。しかし図書カードの貸し出し履歴に名前を残す行為、

そして「借りて読んだけど私にはちょっと早かったかな〜?内容よくわからなかったよ」発言による、頭良いけど雲の上の存在じゃないよアピール、全てが俺の作戦通りだった。

しかし今まさに戦争に向かおうとする今、俺は後悔している。

記憶するまで読んどけば良かったよ「戦争と平和」。作者旧ソ連の人だったっけー?位しか覚えていない。

いや落ち着け!俺は結構歴史シュミレーションゲームはやってた!戦国時代の軍師の策ならある程度判る!

三国志とか中国系は知らないのが片手落ちだけどね。

三国志の軍師孔明って「これは孔明の罠!」って叫ぶ位しか知らん。どうするかな〜。

「軍師ヒナコデスよこれからの事、お前の考えを聞きたいのだが」

うぉ!?カミル軍大将のロビンソンがなんか言って来た!これからの事?知るかよ!!具体的に言えよ!!

「ほほう!これからとは何を指すのやら?必勝の策であれば、『でいじょうぶだ』としか言えませんよ?」

「いや、そういった戦術面での話では無く大局的な目線での話、戦略的なお前の考えを聞きたいのだ」

うぉー!戦略だってよ!?なんで気持ち良くサイクリングしてる時に難しい事聞くかな〜。

しかしロビンソンよ残念だったな!俺は戦国時代に強いのだ!既にこの国とロウジーの事情も把握した!

名前とか多分忘れるけど。これは黒田官兵衛の策を完全パクリでいけるのだよ!

「俺の故郷に黒田官兵衛という軍師が昔居て、今のロウジーと似た状況になった事があるんだ」

「ほう、面白そうな話だ聞かせてもらおう」

「国の中央で2大勢力が争いを始める、黒田官兵衛は弱小で2大勢力にとって眼中に無い。

そこで黒田官兵衛は辺境の弱小貴族を次々と倒し勢力を拡大し2大勢力が争う間に第3勢力になろうと画策した。そして2大勢力の戦いで勝った方を叩きのめす計画だったんだなコレが」

「....ほう、面白いな。で、我々の策としては?」

「王都に至るまでの中小貴族達を徹底的に力でねじ伏せる!!支配してやるぞ貴族供!!これっしょ!!」

「ちなみにその軍師の策は上手くいったのかね?」

「.....え?」

「その軍師の策は成功したのか?」

なんか良く考えたら黒田官兵衛の策は失敗してたや、どうしよう。どう誤魔化そう。

「....結果的に国民的ドラマになってたので成功したと言えるでしょう!?」

「ドラマ??なんだ?それは?策が成功したと言う事なのか?」

ドラマ化したなら勝ちだろうがよ!!チクショー!難しい事聞くなよ!

「ドラマチックに成功したのデス!だから徹底して威圧的に!高圧的に!叩きのめし支配する!

王都までの貴族達は全て配下とする!逆らう貴族は潰してやる!やってやるって!!」

「そ、そうか。軍師ヒナコデスよ、リーチ男爵との会談はお前に一任する、頼んだぞ!」

ぐえええええ!?何ソレ!?日菜子交渉とか無理よ!?無理無理!!

誰かタスケテー!!!


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