三剣士の本気
前話あらすじ
マリーンドルフ伯爵が娘と孫を殺され真の魔王に。
マリーンドルフ領民も三分の一が魔族化、残りは死亡、
そして魔王軍がゼブル侯爵領へ宣戦。
あーあーあー、暇だーー。
今日も広場で昼から酒だよ。
なんかカシムがマシンレディ連れて偉い人に会いに行くとかで置いてかれた。
つかリーダー連れてけよ!!日菜子がリーダーなのよ!?
あーあーあー、暇だーー。
つかあれだね、仕事って時間潰しにはなるのね〜、やり甲斐とか見つけたら面白いのかもね〜。
サボテン工場で働いてた時も下の連中を苦しませてやると思って、
がむしゃらに頑張った時は楽しかったもんな〜。
一人で街の外に出るのもイヤだから依頼も受ける気しないし、ビール美味え〜。
屋台で新しいツマミでも探すか〜、これも言ってみれば冒険か!
ツマミクエストだ!
俺はツマミを求め立ち上がった、手にしたジョッキのビールが勢いで少しこぼれた。
「おおヒナコデス、こぼしてしまうとは情け無い」
うぉ魔導師マールンだ!つか俺の事覚えてるじゃないの。
「おはよう!マールン」
「フォンフォンフォン、おはようヒナコデス」
おお、フォンフォンフォンのマールンだ、双子とかじゃないよな。
「ところでヒナコデスよ、この間貰ったツマミが又食べたいんじゃが」
「ん?なんかあげたっけ??」
「ほれ、串に刺さった肉じゃ、ビールによく合う」
ああ、おでんの串肉か!
「ああ、おでんね!okほれ食べな」
俺はマールンに串肉を5本渡す、太っ腹なのだ。無料だから。
「フォンフォンフォン、ありがとうよ、これこれ、美味い美味い、これを食べると元気が出ての〜
しかも驚いた事にこの歳で新しい能力も得ての〜全てこの串肉のおかげよフォンフォンフォン」
ほえー、串肉食べたら能力増えるってとんでもない爺さんだ、伝説の魔導師だけはあるね〜。
「へぇー、どんな能力増えたの?」
「フォンフォンフォン、わからん!フォンフォンフォン」
「わからんって何よ!」
「わからんもんはわからん、聞いた事無い能力じゃし、迂闊に使う訳にもいくまいて」
確かに、高射砲男みたいな能力だったら街が燃えるしな〜。
「そか、わかったら教えてくれよ、おでんあげた仲だろ?」
「フォンフォンフォン、わかったわかった、楽しみにしておれ」
俺はマールンと別れるとツマミを求めて冒険に出る。ツマミクエストⅡだ。
広場をうろつく、ハンバーガーで2杯目を飲み干す。
締めはやっぱりラーメンか。
久しぶりにラーメンハウス行ってみるか。
俺はラーメンハウスへ向かう。歩いてる途中で異変に気付いた、
あのトンコツ特有の匂いがしないのである。何があった!?三剣士!!
ラーメンハウスが見えて来た辺りからトンコツ臭と違う上品な香りが漂ってくる。
見ればラーメンハウスには行列が出来ている。行列の出来るラーメン屋だ!
行列を掻き分けラーメンハウスへ入る。
「ヘイ!らっしゃい!!お客さん割り込みはダメですよ?って師匠!!」
具材担当のサムソンが元気良く挨拶して来た。
「イヤ師匠!ラーメン大人気ですよ!ラーメン三剣士が本気出したらざっとこんなもんですよ!」
コイツこんな奴だったか?氷の魔道士でクール系だったからフリーズドライ製法に挑戦させようとしてたのに、喋る度にオーバーアクションでめっちゃ暑苦しいぞ?
「師匠なら話は別です!皆さま!此方のお方こそが真のラーメン女王!
ラーメンを我らに伝えて下さったのです!更なる進化の為に師匠を先に案内させて頂きます!」
「おい、良いのか?」
「良いんです!新しいスープを見てほしいとテルーが毎日言ってましたから!」
俺は奥へと案内される、厨房では見事な湯切りで次々とラーメンを仕上げて行くキージーと、
空中で見事に麺を伸ばしているスラハラの姿が見えた。
コイツらスゲーな。
「師匠、まずは食べて下さい!」
暑苦しい氷結サムソンの勧めで席に着く、暑苦しい氷結ってサムソン意味わからん、
これサムソンが同名で別人来たら俺死ぬかもな。商人サムソンとかサムソン選手とか。
俺の前に出されたラーメンを一口啜る。
美味い!!!うま!!!!ウーマーイーーー!!!!
なんだこの美味さ!!もちろんトンコツでは無い、醤油でも無い、なんだこの美味さ!!
もしかして札幌味噌ラーメンってこんな味なのか??
味噌ラーメンはインスタントで一回しか食った事無いから、
味噌汁にラーメン入った位にしか思って無かった、もしやこれが味噌ラーメン!?
「お久しぶりです師匠!スープ担当鉄壁テルーです!どうですか?この自信作」
俺は驚いた、ラーメンの出来にでは無い、テルーの太りっぷりにである。
以前のテルーは巨体ではあったが筋肉マッチョマンだった、だが今のテルーは関取だ、大関だ!横綱だ!
「あのー?師匠?」
テルーよ、その体で鎧着れるのか?アゴの肉はどうした?プニプニだぞ??
つかお前それ鉄壁じゃ無いぞ、肉壁だぞ??
「ああ....美味い!ラーメンは最高だ!(お前は心配だ)」
「ありがとうございます!オークキングを食べ尽くしてしまって、出汁から見直した結果ですよ!」
「味噌だな?そうだろう!!」
「!?...流石は師匠、まさかひと啜りで見破るとは。その通り、ビッグスパイダーの脳味噌です」
な!?....アレか、異世界カニか、そして異世界カニミソのスープか、美味い訳だ。
「うむ!精進するが良い!(ダイエットするが良い!)」
俺はこの世界に来て初めて言いたい事を言えずに我慢した。




