『レヴィアさんに看病されるお話』
「失礼しますね♪」
「あ、具合はどうですか?」
「顔色は……今朝見た時より良さそうですね」
「魔王様も心配してらしたんですよー?」
「ですが、これから明美さんと打ち合わせがあるとのことでして…………」
「そうそう! 明美さんからお薬を頂きましたよ!」
「あ、なんですか、その怪しげな表情は……」
「大丈夫ですよ、ちゃんと効きますよっ」
「でも、その前にご飯を食べないといけませんねっ」
「おかゆ作ってきました♪」
「お口に合うとよろしいのですが……」
「今食べますか? 後ででも大丈夫だとは思うのですが……」
「はいっ、あ……飲み物を注ぎますね」
「今朝作っておいたスポーツドリンクは、全部飲んでしまったようなので……」
「またスポーツドリンクにしますか? それともお水でしたら直ぐに魔法で出せますが……」
「お水ですね♪」
レヴィアは みずまほうを となえた! ▼
「はーいっ、どーぞ♪」
「あ、おかゆ、おかゆ……」
「そのままの体制で大丈夫ですよっ」
「わたしが、あーんってしてあげます♪」
「はーい、あーんっ」
「はむっ、……はむっ、もむっ、うん、美味しいです!」
「って! 自分で食べてしまいました!」
「すいません、ついうっかり……」
「では、気を取り直して、はーいっ、どうぞ♪」
「ん〜? どうして遠慮してるんですかー?」
「ほら、早くっ、冷めちゃいますよ〜?」
「はーいっ、あーんっ」
「美味しいですか?」
「ふふっ、良かったです♪」
「あ、もう一口どうぞっ」
「はーいっ、あーん…………あ、ごめんなさい! お水、お水っ」
「すいません、熱かったですよね……?」
「…………本当ですか?」
「ふふっ、もっと食べますかっ?」
「あっ、わたしが冷ましてあげますね♪」
「これくらいかな〜……ふぅ〜、ふっ」
「はいっ、どーぞっ」
「熱くなかったですか?」
「ふふっ、熱も計っちゃいましょうか」
「えーと、体温計……体温計」
「……ありませんね」
「あ、でも大丈夫ですよっ」
「ほーらっ、おでこを出してください♪」
「こうやって……………………うん、朝よりは下がってると思いますっ」
「それと……あ、聞きましたよ! お風呂!」
「風邪を引いているのに、入ろうとしたそうじゃないですか!」
「ダメですよ〜、風邪の時は無理をしてはいけないんですよ」
「でも、安心してくださいっ」
「わたしがお身体を拭いてキレイにしちゃいます♪」
「はい、ダメでーすっ」
「逃げても無駄でーす♪」
「はいっ、捕まえた〜!」
「それでは、脱がしますね〜あ、その前にタオル絞ってきちゃいますねっ」
*
「ただいまで〜す」
「おかゆ全部食べてくれたんですか?」
「はーいっ、お粗末様です♪」
「それじゃあ、上着脱がしますね」
「よいしょっ」
「あ、虫刺されの跡がありますよ」
「かいかい〜♪」
「ふふっ、ちゃんとしますので大丈夫ですよ〜」
「先ずは腕からですね」
「おいしょっ」
「……………………くんくんっ」
「あ! やっぱりお風呂入りましたね!」
「イシス女王と同じ匂いがしますよ!」
「も〜、ダメって言ったじゃないですか……」
「なら、身体を冷やしてしまうとダメなので、サッと拭いて着替えるだけにしましょうか」
「ついでに、かゆみ止めも塗っておきますね」
「指に付けて……ぬりぬり〜っと」
「あとは、首筋を拭いて…………はいっ、終わりです」
「着替えは、こちらを……あ、持っていますので袖を通してくださいね」
「自分で出来るって……ダメですよっ」
「ほら、ボタンが1つズレてるじゃないですかっ」
「…………はいっ、出来ましたよ」
「も〜っ、無理しないでくださいね〜?」
「それではお大事にっ」




